【完結】悪役令嬢に仕立てあげられそうですが、私は絵を描きたいだけなんです。

ぴえろん

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婚約パーティーの準備は順調に(ローラ視点)

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(※ローラ視点のお話です。)


「ローラ。君は本当に美しい。愛している。」

テオが死んだような目で私に愛の言葉を述べた。

焦点の合わない瞳には、私の姿が映っているかどうかも怪しいほどだ。

通常なら、こんなの愛されていないと思い傷付くかもしれないが、私にはもうそれを感じる心は無い。

それに、そのおかげでテオは私の身体の変化に気が付かないでいてくれるのだからそれでいい。


何より、操って手に入れたのだから当然の結果だ。


この国一番の大きな建造物の中では、今日も優雅に婚約パーティーの準備が着々と行われている。

もうすぐ招待状が配られ、多くの貴族たちがパーティーに来ることになるだろう。


あの時、本来であれば行われるはずだった私の婚約パーティーは、姉のものになってしまった。

だから私はこうやって一つ一つ取り戻していこう。


今のところは順調にそれは進んでいる。

姉からやられたことを全て、丁寧に返してきている。


全てお返し出来た時、やっと私はこの恨みから解放されるのだ。

この恨みは、心を失ってもなぜか消えなかった。

まるで身体に染み付いてしまっているかのように。


姉はきっと、私の婚約パーティーに来る。

どんな方法で来るかは分からないが、魂が同じなのだから絶対に何ともしても来るはずだ。

かつての私のように、テオを諦めきれずに来るだろう。

本当はもう少し時間を掛けたいが、私にはもう時間はない。

心を失った身体は、朽ちるしかないからだ。


「殿下、あなたに愛されて私は今とても幸せです。」


あともう少しで、この復讐も終焉を迎える。



復讐が終わったら、今よりも少しは笑えるだろうか。



その答えは、その先にいる自分にしか分からない。




(※ローラ視点 終わり。)
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