【完結】悪役令嬢に仕立てあげられそうですが、私は絵を描きたいだけなんです。

ぴえろん

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堕天使と悪魔はぶつかり合う

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「まあ、堕天使の事情なんてどうでもいいけどね。ここで死んでもらうから。」

悪魔はそう言い捨てると、レインに向かって手を振りかざした。

その瞬間、悪魔の手から鋭い閃光が放たれレインの身体を貫いた。


身体を貫かれたレインが激しくせき込んでその場に崩れ込んだ。


「ちょっと、冗談でしょ?こんなに弱いのに、よくこんな所まで来たよね。」


悪魔が、苦痛に顔を歪めるレインを嘲笑いながらそう言った。



「やっぱり、ただの堕天使と神に等しい僕とでは、力に雲泥の差があるみたいだね。」


悪魔が笑いながら、続け様に閃光を放った。

レインがなんとか立ち上がって攻撃を避けるが、全ては避けきれないようで、再び倒れ込んでしまった。

圧倒的に悪魔の優位で進んでいく戦いを、私はただ見守る事しかできない。


ボロボロになってうずくまるレインに悪魔が近付き、頭を鷲掴みにした。


「お前、本当に弱すぎ。つまらないから、もうこれでおしまいね。」


悪魔がレインにとどめを刺すようで、大きく手を振りかざした。

上空に禍々しい光が悪魔の振りかざした手に集まっていく。

お願い、辞めて。レインにそんな事しないで・・・!

声も出せない私は、ただ祈る事しかできない。


レインがゆっくりと顔を上げて、悪魔を見た。


「お前は絶対に、僕を倒せない。」


レインの言葉を聞いて、悪魔がぎょっとした表情に変わる。

「何言ってるんだ。この状況を直視できていないのか?」


悪魔がそう言っても、レインは顔色一つ変えなかった。


「まあ、いいや。その言葉が嘘か本当か、今に分かるしね。」


悪魔はそう言うと、レインに目掛けて禍々しい色の閃光を放った。


いや、正確には放とうとしていた。
だが、放つ直前で悪魔の身体はピタリと動かなくなった。


「な・・・なんで・・・。」

身体が固まっているのは、どうやら自分の意志ではないようで、悪魔が狼狽えた声を出す。

そればかりか、悪魔の頬に涙が流れた。


「なんでって、お前は今、美優の心を持っているからだよ。

美優は優しいんだ。ちょっと流されやすくて弱い部分もあるけど。」


レインの言葉を聞いて悪魔が目を見張る。

レインはそのまま言葉をつづけた。

「そんな美優は僕を殺すなんて心が耐えられない。だから、僕にとどめがさせないんだ。

ヒロインの心臓を手に入れたところで終わっていれば、僕は確かにここで殺されていただろう。

だから、欲を出して美優の心を手に入れたのは、大きな誤算だったね。」


「そ、そんな・・・・。」

悪魔は身体からすっかり力が抜けてしまったようで、よたよたとレインから離れ後ずさりした。


形勢逆転のようで、レインが立ち上がり、悪魔を見降ろした。


悪魔が焦ったように叫んだ。


「おい、美優!堕天使を殺したいと願え!!
このまま僕がこいつに倒されたら、この世界は消える!!

お前が好きな妖精の三人も消えるけど、いいのか!?美優!」


悪魔の叫び声を聞いて頭を抱えた。


それは嫌だ、私のせいで皆が消えてしまうなんて、そんなのは耐えられない。
でもだからといってレインを殺していいわけじゃない!!


一体どうしたらいいの・・・・!?


「ユリア、僕を信じて。必ず悪いようにはしないから。

だから、今度こそ悪魔に耳を貸してはダメだ。」



混乱する私に向かって、レインが優しく声を掛けた。


その言葉を聞いて、我に返った。

そうだ、私はもう今度こそ、悪魔に騙されてはいけない。


私はそっと目を閉じた。

レインが悪魔に打ち勝つように、それだけをただただ祈った。


そんな私の耳に届いたのは、悪魔の断末魔だった。



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