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甘い罠(4)
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「よ、要」
食堂でラーメンを食べていた要は、啓史の声に顔を上げた。啓史はニヤリと笑ってみせる。
「なんだよ」
「……いや、こう見てると、普通の大学生に見えるなと思ってさ」
「なんだ、それ」
要はつぶやくとラーメンをすする。啓史はB定食をテーブルに置くと、要の前の席に座った。
ふと、啓史は要の右手の包帯に目をやる。
「なんだ。おまえらしくもない。怪我でもしたのか?」
皮肉っぽく言う啓史に、要は顔をしかめてみせる。
「痛みはないけど、見た目が悪い。なにしろ真っ黒こげだからな」
するすると包帯を解く。黒ずんでいる手に、啓史も皮肉な表情をやめた。
「どうしたんだよ、それ」
「例のブレスレットを不用意に触った。俺たちには、とてもじゃないが気軽に手に入れられる代物じゃない」
要が言うと、啓史は眉をひそめた。
「ブレスレットが欲しくて、あの娘に近づいたのか? やめておけよ。顔はまあ美人だけど、ミカエルのお気に入りだ。せっかく暗闇から脱出できたんだ。いけすかないミカエルに会いたくもない」
要は、箸を置くと啓史を見た。
「別にブレスレットが欲しいわけじゃない。あのミカエルのお気に入りっていう娘がどういう娘か知りたかっただけだ。人間の娘を妻にした俺を罰したミカエルが、俺たちと同じように溺れるのを見たいだけさ」
そう言って再びラーメンを食べ始めた要を、啓史は黙ってみつめた。
「……なんだよ、さっきから」
「いや。まあ、気をつけろってことだな」
「なんだ、それ」
要の問いに答えず、啓史もB定食を食べ始めた。
食堂でラーメンを食べていた要は、啓史の声に顔を上げた。啓史はニヤリと笑ってみせる。
「なんだよ」
「……いや、こう見てると、普通の大学生に見えるなと思ってさ」
「なんだ、それ」
要はつぶやくとラーメンをすする。啓史はB定食をテーブルに置くと、要の前の席に座った。
ふと、啓史は要の右手の包帯に目をやる。
「なんだ。おまえらしくもない。怪我でもしたのか?」
皮肉っぽく言う啓史に、要は顔をしかめてみせる。
「痛みはないけど、見た目が悪い。なにしろ真っ黒こげだからな」
するすると包帯を解く。黒ずんでいる手に、啓史も皮肉な表情をやめた。
「どうしたんだよ、それ」
「例のブレスレットを不用意に触った。俺たちには、とてもじゃないが気軽に手に入れられる代物じゃない」
要が言うと、啓史は眉をひそめた。
「ブレスレットが欲しくて、あの娘に近づいたのか? やめておけよ。顔はまあ美人だけど、ミカエルのお気に入りだ。せっかく暗闇から脱出できたんだ。いけすかないミカエルに会いたくもない」
要は、箸を置くと啓史を見た。
「別にブレスレットが欲しいわけじゃない。あのミカエルのお気に入りっていう娘がどういう娘か知りたかっただけだ。人間の娘を妻にした俺を罰したミカエルが、俺たちと同じように溺れるのを見たいだけさ」
そう言って再びラーメンを食べ始めた要を、啓史は黙ってみつめた。
「……なんだよ、さっきから」
「いや。まあ、気をつけろってことだな」
「なんだ、それ」
要の問いに答えず、啓史もB定食を食べ始めた。
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