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番外編
ダンスの練習
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「ブランカ、今度の城の舞踏会は大掛かりなものだ。久々だし、ダンスの練習をしておこうか」
夕食後に突然、リュークがそんな事を言い出した。
仕事柄、どうしても外せない舞踏会なのだそうだ。
正式なものであればあるほど夫婦同伴は基本中の基本だから、もちろん私も参加する。
実はリュークはダンスがあまり好きではない。
リードも上手だし最初はそうでもなかったみたいなんだけど、女性に気を遣って話しかけたりベタベタ触られたりするのが苦手なんだそうだ。
触られるって……ま、まあそれがイケメンの宿命ってことなんだろうけど。
結婚してからの彼はますますかっこいいし、時々出るパーティーでも遠慮なくご婦人やご令嬢達が群がるから、私も内心穏やかではない。
だけど……
「なぜ俺がお前以外のやつと踊らなければならない? わずらわしいだけだ」
思っていてもお仕事なら外で言っちゃダメだから。
いくらクールが売りだとはいえ、ムッとしてたらさすがに相手にバレるから。この前もその前も、相手に付き合ったのは良いけれど、明らかに不機嫌で正直危なかったし。
自分から練習しようと言い出すことが珍しくて、私はもちろん同意した。
「このところカイルを手伝って執務室に籠ってばかりだったからな。久々に身体を動かさないと」
王都を離れて二年も経たないうちに、王太子であるカイルからの呼び出しが頻繁になった。それまでも用事がある度こちらにはちょくちょく戻っていたけれど、それだけではダメだったみたい。かといってリュークだけを戻そうとしても頷かなかったから、三年経つ前に結局一緒に帰ってきてしまった。
リュークは城での仕事に励み、私はルルー先生の計らいにより『王立カルディアーノ学園』の高等部二年に復学した。マリエッタやライオネル、飛び級のユーリスは少し前に卒業していたけれど、ジュリアンは同級生。しかも、卒業した仲間たちは……
まあ、今は関係のない話だからここでは省略。
そんな感じで原則寮生活のはずなのに、「カイルの仕事を手伝うには条件がある」と言い出したリュークのせいで、現在私は自宅からの通学となっている。
交際や結婚を推奨している学園なので、最近は別に珍しい事でもないそうなんだけど。ただでさえ同級生より年が二つも上なのだ。それなのに目立つって……って、いけない! ここは愚痴るコーナーでは無かった。
「踊るのは構わないけれど、ダンスの苦手なあなたから誘うなんて珍しいわね?」
「苦手? 俺はお前と踊るのは好きだが?」
「そ、そう。う……嬉しいけど」
「毎日『好きだ』と伝えているのにまだ足りない?」
「いえ、もう十分です」
結婚してからしばらく経つけれど、美麗な顔を近付けて突然甘い言葉を囁いたりするから、正直心臓がもたない。もし私がポックリ逝ったら、死因は確実にリュークが原因の心臓麻痺だ。
そう思いながら彼を見上げると、目が合った瞬間嬉しそうにニッコリ微笑まれた。いかん、またときめいてしまった。絶対わかってやってるでしょ?
彼に案内されて、夜のテラスに移動する。
使用人たちが何事かと顔を出す。
「ああ、何もしなくて良い。俺もブランカも、軽く動くだけだから」
私も頷いた。
だって、突然言われたことだし服装だって普段着だ。まあ、リュークは何を着ていても様になってカッコいいけれど。
「曲は何にしようか。 ワルツ? パバーヌ?」
「じゃあ、パバーヌで。初めて練習したあの曲は?」
「ああ。それなら俺も覚えている。ただ、足を踏まないでくれるとありがたい」
「失礼ね! あなたこそ気を付けてよ?」
もちろん楽団の演奏はない。
互いにつかず離れず、二拍子の曲を何となく口ずさみながらゆっくり踊る。小さな頃に二人で何度も練習し、嫌というほど直されたから、初めて踊った記憶と共に曲は頭の中にしっかり入っている。顔を見合わせ笑い合い、当時を思い出す。
「リューク、まったく忘れていなかったのね!」
「君こそ。今でも可愛らしい」
バカなことばかり言うのはやめて欲しい。
『プリマリ』のクールなキャラ設定とは違って、家では甘々系。外でも時々こんなんだから、恥ずかしくて私は耐えられない。
だけど今度は大丈夫! 舞踏会ではリュークが私に何か囁こうとするたびに、次々に違う女性が現れるから。国賓の娘や高位貴族のご令嬢など、カイルが自分の所に来る女性達をリュークに回しているから。
まあ独身の王太子として、噂が出ないよう特定の相手と深く関わらないようにしているのはわかるんだけど。だからといって、既婚者であるリュークを安全だからと利用するのはいかがなものかと思う。
「どうした? 何を考えている?」
「あなたのことを」
つい本音がポロリ。
お仕事だとわかっているのに、他の女性と踊って欲しくないなんて言ったら彼を困らせてしまう。いつから私は、こんなに嫉妬深くなってしまったんだろう? どうして私は、あなたじゃないとダメなんだろう?
水色の瞳が私を見ながら揺れている。
私は吸い込まれるように彼の瞳に映る自分を見ていた。
「リューク、次は……」
「シッ。黙って」
彼は言うなり私の頬を両手で挟むと、整った顔を近づけてきた。そのままそっと、唇が重ねられる。
私は静かに目を閉じた――
ああ、そうか。
リュークはきっと気付いていたんだ。
彼が他の女性と踊るのを、私が嫌だと思っていたことを。
誘われても私は断ることができるけれど、王太子の近くにいる彼にはそれができない。だから普段からダンスが嫌だと口にして、今度の舞踏会の前にこうして私を誘ってくれたんだ。
その心遣いが嬉しくて、胸が温かくなる。
ちょっと不器用だけど、優しい彼と夫婦になって良かった。
私は今、とても幸せだ。
しばらくたって、彼がポツリと呟いた。
「外ではできないしな。後々噂になりそうだ」
「こんなこと、するわけないでしょう?」
思わずクスっと笑ってしまう。
大事な舞踏会で国賓を放って妻といちゃつく次期公爵。
万一周りが許しても、リュークの実父である宰相が許すはずがない。それに公衆の面前でキスするなんて私も勘弁願いたいし。
「なんだ、それは。挑戦か? まあ俺は噂になっても構わないが……」
いや、構うから。絶対ダメだから!
リュークは私に向き直ると、真面目な顔でこう言った。
「ブランカ、これからも公式の場に出る機会は増えてくる。なかなか一緒にいられないし、立場上俺は相手を断れない。どんなにお前だけと踊りたいと願っても」
苦笑するリュークに頷く。
大丈夫、わかっているから。
貴方の仕事が忙しいことも自ら望んで他の女性の相手をしていないことも。
私のことを気遣ってくれたと知って、嬉しい。
けれど、続く言葉に私は驚いた。
「だがお前は全力で断れ! 俺以外の相手と踊って欲しくない。どうしても断れない場合でも、カイルだけは絶対にダメだ!」
「は? リューク、それって――」
まさか最初からそれが言いたかったとか?
しんみりした雰囲気ぶち壊し?
「お前が他の男の腕におさまり、笑いかけると考えただけでたまらない。俺が目を離したすきに連れて行かれるのも。よってこれから、限界まで身体を離したワルツの特訓だ!」
さっきのときめきを返して欲しい。
リュークは私よりも心配性だった?
ま、まあ心配されるのは嫌ではないけれど。
近付き過ぎだと怒られて、何度もやり直しをさせられた。
夜も更けるまでバカみたいに踊る私達。
瞬く星たちは、そんな二人を笑っているようだった。
**********
親愛なる読者様へ
いつも『本気の悪役令嬢!』を読んで応援して下さってありがとうございます。
皆様の優しさのおかげで、現在アルファポリスで本作の書籍化が進んでおります。本編全てと番外編の一部を削除しました。
なお、簡単なあらすじと書籍に該当しない部分の改変を『本気の悪役令嬢 another!』に掲載しています。番外編は引き続きこちらに投稿していく予定です。
詳しくは、今後近況ボードなどで報告させていただきたいと思います。
初めてのことなのでよくわからないことが多く……
みなさまに感謝をこめて
きゃる
夕食後に突然、リュークがそんな事を言い出した。
仕事柄、どうしても外せない舞踏会なのだそうだ。
正式なものであればあるほど夫婦同伴は基本中の基本だから、もちろん私も参加する。
実はリュークはダンスがあまり好きではない。
リードも上手だし最初はそうでもなかったみたいなんだけど、女性に気を遣って話しかけたりベタベタ触られたりするのが苦手なんだそうだ。
触られるって……ま、まあそれがイケメンの宿命ってことなんだろうけど。
結婚してからの彼はますますかっこいいし、時々出るパーティーでも遠慮なくご婦人やご令嬢達が群がるから、私も内心穏やかではない。
だけど……
「なぜ俺がお前以外のやつと踊らなければならない? わずらわしいだけだ」
思っていてもお仕事なら外で言っちゃダメだから。
いくらクールが売りだとはいえ、ムッとしてたらさすがに相手にバレるから。この前もその前も、相手に付き合ったのは良いけれど、明らかに不機嫌で正直危なかったし。
自分から練習しようと言い出すことが珍しくて、私はもちろん同意した。
「このところカイルを手伝って執務室に籠ってばかりだったからな。久々に身体を動かさないと」
王都を離れて二年も経たないうちに、王太子であるカイルからの呼び出しが頻繁になった。それまでも用事がある度こちらにはちょくちょく戻っていたけれど、それだけではダメだったみたい。かといってリュークだけを戻そうとしても頷かなかったから、三年経つ前に結局一緒に帰ってきてしまった。
リュークは城での仕事に励み、私はルルー先生の計らいにより『王立カルディアーノ学園』の高等部二年に復学した。マリエッタやライオネル、飛び級のユーリスは少し前に卒業していたけれど、ジュリアンは同級生。しかも、卒業した仲間たちは……
まあ、今は関係のない話だからここでは省略。
そんな感じで原則寮生活のはずなのに、「カイルの仕事を手伝うには条件がある」と言い出したリュークのせいで、現在私は自宅からの通学となっている。
交際や結婚を推奨している学園なので、最近は別に珍しい事でもないそうなんだけど。ただでさえ同級生より年が二つも上なのだ。それなのに目立つって……って、いけない! ここは愚痴るコーナーでは無かった。
「踊るのは構わないけれど、ダンスの苦手なあなたから誘うなんて珍しいわね?」
「苦手? 俺はお前と踊るのは好きだが?」
「そ、そう。う……嬉しいけど」
「毎日『好きだ』と伝えているのにまだ足りない?」
「いえ、もう十分です」
結婚してからしばらく経つけれど、美麗な顔を近付けて突然甘い言葉を囁いたりするから、正直心臓がもたない。もし私がポックリ逝ったら、死因は確実にリュークが原因の心臓麻痺だ。
そう思いながら彼を見上げると、目が合った瞬間嬉しそうにニッコリ微笑まれた。いかん、またときめいてしまった。絶対わかってやってるでしょ?
彼に案内されて、夜のテラスに移動する。
使用人たちが何事かと顔を出す。
「ああ、何もしなくて良い。俺もブランカも、軽く動くだけだから」
私も頷いた。
だって、突然言われたことだし服装だって普段着だ。まあ、リュークは何を着ていても様になってカッコいいけれど。
「曲は何にしようか。 ワルツ? パバーヌ?」
「じゃあ、パバーヌで。初めて練習したあの曲は?」
「ああ。それなら俺も覚えている。ただ、足を踏まないでくれるとありがたい」
「失礼ね! あなたこそ気を付けてよ?」
もちろん楽団の演奏はない。
互いにつかず離れず、二拍子の曲を何となく口ずさみながらゆっくり踊る。小さな頃に二人で何度も練習し、嫌というほど直されたから、初めて踊った記憶と共に曲は頭の中にしっかり入っている。顔を見合わせ笑い合い、当時を思い出す。
「リューク、まったく忘れていなかったのね!」
「君こそ。今でも可愛らしい」
バカなことばかり言うのはやめて欲しい。
『プリマリ』のクールなキャラ設定とは違って、家では甘々系。外でも時々こんなんだから、恥ずかしくて私は耐えられない。
だけど今度は大丈夫! 舞踏会ではリュークが私に何か囁こうとするたびに、次々に違う女性が現れるから。国賓の娘や高位貴族のご令嬢など、カイルが自分の所に来る女性達をリュークに回しているから。
まあ独身の王太子として、噂が出ないよう特定の相手と深く関わらないようにしているのはわかるんだけど。だからといって、既婚者であるリュークを安全だからと利用するのはいかがなものかと思う。
「どうした? 何を考えている?」
「あなたのことを」
つい本音がポロリ。
お仕事だとわかっているのに、他の女性と踊って欲しくないなんて言ったら彼を困らせてしまう。いつから私は、こんなに嫉妬深くなってしまったんだろう? どうして私は、あなたじゃないとダメなんだろう?
水色の瞳が私を見ながら揺れている。
私は吸い込まれるように彼の瞳に映る自分を見ていた。
「リューク、次は……」
「シッ。黙って」
彼は言うなり私の頬を両手で挟むと、整った顔を近づけてきた。そのままそっと、唇が重ねられる。
私は静かに目を閉じた――
ああ、そうか。
リュークはきっと気付いていたんだ。
彼が他の女性と踊るのを、私が嫌だと思っていたことを。
誘われても私は断ることができるけれど、王太子の近くにいる彼にはそれができない。だから普段からダンスが嫌だと口にして、今度の舞踏会の前にこうして私を誘ってくれたんだ。
その心遣いが嬉しくて、胸が温かくなる。
ちょっと不器用だけど、優しい彼と夫婦になって良かった。
私は今、とても幸せだ。
しばらくたって、彼がポツリと呟いた。
「外ではできないしな。後々噂になりそうだ」
「こんなこと、するわけないでしょう?」
思わずクスっと笑ってしまう。
大事な舞踏会で国賓を放って妻といちゃつく次期公爵。
万一周りが許しても、リュークの実父である宰相が許すはずがない。それに公衆の面前でキスするなんて私も勘弁願いたいし。
「なんだ、それは。挑戦か? まあ俺は噂になっても構わないが……」
いや、構うから。絶対ダメだから!
リュークは私に向き直ると、真面目な顔でこう言った。
「ブランカ、これからも公式の場に出る機会は増えてくる。なかなか一緒にいられないし、立場上俺は相手を断れない。どんなにお前だけと踊りたいと願っても」
苦笑するリュークに頷く。
大丈夫、わかっているから。
貴方の仕事が忙しいことも自ら望んで他の女性の相手をしていないことも。
私のことを気遣ってくれたと知って、嬉しい。
けれど、続く言葉に私は驚いた。
「だがお前は全力で断れ! 俺以外の相手と踊って欲しくない。どうしても断れない場合でも、カイルだけは絶対にダメだ!」
「は? リューク、それって――」
まさか最初からそれが言いたかったとか?
しんみりした雰囲気ぶち壊し?
「お前が他の男の腕におさまり、笑いかけると考えただけでたまらない。俺が目を離したすきに連れて行かれるのも。よってこれから、限界まで身体を離したワルツの特訓だ!」
さっきのときめきを返して欲しい。
リュークは私よりも心配性だった?
ま、まあ心配されるのは嫌ではないけれど。
近付き過ぎだと怒られて、何度もやり直しをさせられた。
夜も更けるまでバカみたいに踊る私達。
瞬く星たちは、そんな二人を笑っているようだった。
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親愛なる読者様へ
いつも『本気の悪役令嬢!』を読んで応援して下さってありがとうございます。
皆様の優しさのおかげで、現在アルファポリスで本作の書籍化が進んでおります。本編全てと番外編の一部を削除しました。
なお、簡単なあらすじと書籍に該当しない部分の改変を『本気の悪役令嬢 another!』に掲載しています。番外編は引き続きこちらに投稿していく予定です。
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