44 / 58
新婚旅行編
ドキドキ新婚旅行
しおりを挟む
「リューク、見て! 果樹園があるわ!!」
私の名前はブランカ――『元』悪役令嬢。あら、いけない。遠くの丘に橙色の実がなる木を見て、思わず興奮してしまったわ。既婚者たるもの、上品にとりすましていないと。馬車の中で慌てて座り直す私。
隣に座る水色の髪と瞳の優しい夫は、同じように窓の外を眺めると、私を見て嬉しそうに微笑んでくれた。
私と夫であるリュークとは、先日結婚したばかり。だけど私達は幼なじみで、幼い頃からかれこれもう十年以上一緒にいる。私は16で彼は17歳。この国は16歳で成人と見なされるから、二人共もう立派な大人だ。
私達は幼なじみというだけでなく、同じ学園の『特進魔法科』の出身。リュークは一学年上だけど、飛び級で既に学園を卒業していて私は……現在高等部を休学している。
私達は今、新婚旅行に来ている。といっても、この世界には『新婚旅行』という概念はないのだそうだ。本来なら結婚したばかりの夫婦は、家にこもって二人だけの甘~い時を一ヶ月程過ごすのが一般的らしい。ま、まあ、私達にもそんな期間が全くなかった、とは言わないけれど。
「どうせ旅に出るのなら、最初はお前が見たいと言っていた海に行こうか?」
リュークが私にそう言ってくれた。
他国と陸続きである我が国に海はなく、青い海は人気の観光地であり憧れの場所。しかも今回は、二人だけでの初の旅行。それってつまり、『新婚旅行』ってことだよね?
実際は馬を操る御者と従僕が一緒だったけれど。支度はある程度自分でできるので、侍女は今回断った。
前世では結婚どころか婚約すら未経験の私。
『新婚旅行』なるものに、実はとってもはしゃいでいるのだ。
前世と言う理由――
それは私が、乙女ゲームアプリそっくりのこの世界に生まれ変わったことを意味している。私は元々日本のOLで、その時に『プリンセスガーデン~マリエッタと秘密の貴公子~』、略して『プリマリ』というゲームにハマっていた。だから転生先が、ゲームそっくりの世界だった時には、本当に驚いた。
生まれ変わった私は、誰もが愛する超絶美少女ヒロインのマリエッタ――ではなく、そのライバルで悪役令嬢のブランカになっていたのだ。
悪役令嬢とは、顔はまあまあなのにゲーム内でヒロインとイケメン攻略者達の仲を割く役。あの手この手で意地悪をする、いけ好かない貴族の女性のことだ。
薄紫色の髪と濃い紫色の瞳、白い肌に赤い唇のブランカは、はっきり言って可愛いらしい。もちろん、ヒロインのマリエッタの方が断然愛くるしいけれど。
悪役令嬢のブランカは、ヒロインと攻略対象との間をひたすら邪魔する相当おバカな女の子。ひどい嫌がらせをしたせいで、最後には処罰され『国外追放』となってしまう。
だけどそれは、ゲームの中での話。
現実のこの世界では、ヒロインのマリエッタを始めみんなが私に優しかった。一生懸命悪役に徹し、ゲームのシナリオ通りの世界にしようとしていた私。
だけど結局……
だったら自分に何ができるのか。
私がこの世界に生まれ変わった意味はどこにあるの?
迷う私と行動を共にしてくれるリューク。本当に、私にはもったいないほど優しくてイケメンな旦那様だ。そんな彼と『新婚旅行』に来ている私は、すごく幸せ。リュークは口調は俺様でもとっても甘々だし、笑みを含んだ水色の瞳やよく響くイイ声はいつも私をドキドキさせる……。って、あれ? これってノロけになるのかな? 恥ずかしいから話題を変えよう。
つい先ほど、リュークが以前馬車の事故に巻き込まれたという山道を通った。事故、というより故意の事件だったことが後から判明したのだけれど。そこは、片側が山で反対側が崖になっている国境近くの道だった。ちなみに、道自体はもうとっくに補修されて直っている。彼はここに来るまでぐっすり眠っていたから、知らないうちに通り過ぎるのもいいのかな、と私は考えていた。
でも、彼はちょうど起きてしまった。私を自分の方に抱き寄せた後、偶然、外の景色を見てしまったのだ。途端に彼の顔が強張るのがわかった。平静を装っているけれど、傷ついた記憶が生々しいのか、緊張する様子が見て取れた。私はといえば、崖下までかなりの距離があるのを実際に目にして、ゾッとしていた。本当に、よく助かってくれたものだと思う。
彼は当時を思い出しているようで、外を見る水色の瞳はとてもつらそうだった。私は膝に置いてあった彼の手をとると、励ますように両手で握りしめた。何の力もない私には、そんなことしかできないから。
「海が見たい」と言ったのは、海に行くには必ずこの道を通ると知っていたから。つらい記憶を思い出させてしまうだろうと、本当はわかっていた。だけど、私も痛みを感じて思いを共有したかった。だって、貴方が助かって私の隣に――今ここに在ることに、涙が出るほど感謝をしているから。
嫌な記憶なら、楽しい思い出に作り変えてしまえばいい。私たち二人なら、きっとそれができるはずだから。過去と向き合い恐怖を克服して、共に新たなスタートを切りたい――
私の想いはリューク、貴方に届いているのだろうか?
崖の辺りで身体を強張らせていたリュークも、山道を過ぎると力を抜いたようだった。良かった、何事もなく無事に通過して。きっともう大丈夫よね?
弱味を見せない貴方だから、「もっと頼って」と言いたくなる。クールに見えるけど本当は不器用なリュークを、小さな頃から知っている。
『病める時も健やかなる時も』夫婦ってそういうものでしょう? どうか貴方が私との旅行を心から楽しめますように。
なだらかな丘に見えたオレンジ色の点々が、果樹園だとすぐにわかった。なぜかそれが平和の象徴のようにも思えて、つい興奮して叫んでしまったのだ。
私と同じ景色を見た水色の目が優しく細められ、笑いかけてきた。たったそれだけのことなのに、嬉しくてときめきを覚えてしまう。
本当にもう、リュークったら! 笑顔もカッコよくて素敵だから、私はいつも一方的にドキドキさせられて、困ってしまう。
『新婚旅行』は、楽しいものになるはずだ。私は貴方が側にいるだけで幸せだから。でも、恥ずかしいから言ってあげない。
だってほら、今も貴方は長い指で私の髪を弄んで、キスをしようとしている。馬車の中が私たちだけで良かった。他人に見られたら絶対に、バカ夫婦だと思われたことだろう。
「ブランカ。そんなに果樹園が好きなら、買い取ろうか?」
「いえ、リューク、違うから。景色が好きなだけで、別に果樹園が欲しいわけではないのよ? あ、でもオレンジは美味しいから、味はちょっと気になるかも」
浮かれてはしゃいだだけだ、とはカッコ悪くて言えない。ただでさえリュークは私を甘やかし、最近何かとプレゼント攻勢をしようとする。さっきの言葉も冗談ではなく、私が「欲しい」とひとこと言えば、本気で果樹園を丸ごと買い取ろうとするだろう。
せっかくなので馬車を停め、窓から見えた果樹園に立ち寄ることにした。瑞々しいオレンジを絞ったばかりの果汁をみんなで美味しくいただくことになった。飲み物と言えば、果実に水や炭酸水を加えて『果実水』にするのがこの世界では一般的。だけどここでは断固として、果汁100%にこだわりたい! だってこんなに美味しそうなのに、水で薄めるなんてもったいないもの。
私が転生したと知っているリュークは、私を止めずに自分も同じものを欲しがった。果樹園の持ち主には驚かれたけれど、彼らが採れたばかりの新鮮なオレンジを用意してくれたから、ワイワイ言いながら絞って、みんなで美味しく味わった。
「貴族様が俺達と同じものを好んで飲むとはねぇ!」
「どうです? 美味しいでしょう」
ご主人とおかみさんが喜ぶ。
私とリュークも微笑み合う。
みんなが笑えば嬉しいし、陽光も眩しくて今日は本当にいい日だ。
「ジュースでしたら、清潔な瓶に入れて蓋で密閉し、瓶ごと煮沸すれば、二~三日は保つはずです。それに、下に落ちて出荷できない果物や形の悪い物でも使えますよ?」
「じゅうす?」
「あ、いえ、果物の汁のことです。とても美味しゅうございました。ありがとうございます」
ジュースなんて言葉、なかったんだった。
この世界では果物はそのまま出荷して、スライスして果実水を作ったり、ちょこっと絞ってお菓子に使われるのが普通なのだ。
贅沢に100%のオレンジジュースで喉を潤した私たち。リュークが「ついてるぞ」と言って、私の唇の端に飛んでいた果実の粒を自分の舌で堂々と舐めとった。それを見た果樹園のご主人夫婦が思わず顔を見合わせる。
……リューク。
人前で恥ずかしいし先が思いやられるから、後で厳重注意をさせてね?
私の名前はブランカ――『元』悪役令嬢。あら、いけない。遠くの丘に橙色の実がなる木を見て、思わず興奮してしまったわ。既婚者たるもの、上品にとりすましていないと。馬車の中で慌てて座り直す私。
隣に座る水色の髪と瞳の優しい夫は、同じように窓の外を眺めると、私を見て嬉しそうに微笑んでくれた。
私と夫であるリュークとは、先日結婚したばかり。だけど私達は幼なじみで、幼い頃からかれこれもう十年以上一緒にいる。私は16で彼は17歳。この国は16歳で成人と見なされるから、二人共もう立派な大人だ。
私達は幼なじみというだけでなく、同じ学園の『特進魔法科』の出身。リュークは一学年上だけど、飛び級で既に学園を卒業していて私は……現在高等部を休学している。
私達は今、新婚旅行に来ている。といっても、この世界には『新婚旅行』という概念はないのだそうだ。本来なら結婚したばかりの夫婦は、家にこもって二人だけの甘~い時を一ヶ月程過ごすのが一般的らしい。ま、まあ、私達にもそんな期間が全くなかった、とは言わないけれど。
「どうせ旅に出るのなら、最初はお前が見たいと言っていた海に行こうか?」
リュークが私にそう言ってくれた。
他国と陸続きである我が国に海はなく、青い海は人気の観光地であり憧れの場所。しかも今回は、二人だけでの初の旅行。それってつまり、『新婚旅行』ってことだよね?
実際は馬を操る御者と従僕が一緒だったけれど。支度はある程度自分でできるので、侍女は今回断った。
前世では結婚どころか婚約すら未経験の私。
『新婚旅行』なるものに、実はとってもはしゃいでいるのだ。
前世と言う理由――
それは私が、乙女ゲームアプリそっくりのこの世界に生まれ変わったことを意味している。私は元々日本のOLで、その時に『プリンセスガーデン~マリエッタと秘密の貴公子~』、略して『プリマリ』というゲームにハマっていた。だから転生先が、ゲームそっくりの世界だった時には、本当に驚いた。
生まれ変わった私は、誰もが愛する超絶美少女ヒロインのマリエッタ――ではなく、そのライバルで悪役令嬢のブランカになっていたのだ。
悪役令嬢とは、顔はまあまあなのにゲーム内でヒロインとイケメン攻略者達の仲を割く役。あの手この手で意地悪をする、いけ好かない貴族の女性のことだ。
薄紫色の髪と濃い紫色の瞳、白い肌に赤い唇のブランカは、はっきり言って可愛いらしい。もちろん、ヒロインのマリエッタの方が断然愛くるしいけれど。
悪役令嬢のブランカは、ヒロインと攻略対象との間をひたすら邪魔する相当おバカな女の子。ひどい嫌がらせをしたせいで、最後には処罰され『国外追放』となってしまう。
だけどそれは、ゲームの中での話。
現実のこの世界では、ヒロインのマリエッタを始めみんなが私に優しかった。一生懸命悪役に徹し、ゲームのシナリオ通りの世界にしようとしていた私。
だけど結局……
だったら自分に何ができるのか。
私がこの世界に生まれ変わった意味はどこにあるの?
迷う私と行動を共にしてくれるリューク。本当に、私にはもったいないほど優しくてイケメンな旦那様だ。そんな彼と『新婚旅行』に来ている私は、すごく幸せ。リュークは口調は俺様でもとっても甘々だし、笑みを含んだ水色の瞳やよく響くイイ声はいつも私をドキドキさせる……。って、あれ? これってノロけになるのかな? 恥ずかしいから話題を変えよう。
つい先ほど、リュークが以前馬車の事故に巻き込まれたという山道を通った。事故、というより故意の事件だったことが後から判明したのだけれど。そこは、片側が山で反対側が崖になっている国境近くの道だった。ちなみに、道自体はもうとっくに補修されて直っている。彼はここに来るまでぐっすり眠っていたから、知らないうちに通り過ぎるのもいいのかな、と私は考えていた。
でも、彼はちょうど起きてしまった。私を自分の方に抱き寄せた後、偶然、外の景色を見てしまったのだ。途端に彼の顔が強張るのがわかった。平静を装っているけれど、傷ついた記憶が生々しいのか、緊張する様子が見て取れた。私はといえば、崖下までかなりの距離があるのを実際に目にして、ゾッとしていた。本当に、よく助かってくれたものだと思う。
彼は当時を思い出しているようで、外を見る水色の瞳はとてもつらそうだった。私は膝に置いてあった彼の手をとると、励ますように両手で握りしめた。何の力もない私には、そんなことしかできないから。
「海が見たい」と言ったのは、海に行くには必ずこの道を通ると知っていたから。つらい記憶を思い出させてしまうだろうと、本当はわかっていた。だけど、私も痛みを感じて思いを共有したかった。だって、貴方が助かって私の隣に――今ここに在ることに、涙が出るほど感謝をしているから。
嫌な記憶なら、楽しい思い出に作り変えてしまえばいい。私たち二人なら、きっとそれができるはずだから。過去と向き合い恐怖を克服して、共に新たなスタートを切りたい――
私の想いはリューク、貴方に届いているのだろうか?
崖の辺りで身体を強張らせていたリュークも、山道を過ぎると力を抜いたようだった。良かった、何事もなく無事に通過して。きっともう大丈夫よね?
弱味を見せない貴方だから、「もっと頼って」と言いたくなる。クールに見えるけど本当は不器用なリュークを、小さな頃から知っている。
『病める時も健やかなる時も』夫婦ってそういうものでしょう? どうか貴方が私との旅行を心から楽しめますように。
なだらかな丘に見えたオレンジ色の点々が、果樹園だとすぐにわかった。なぜかそれが平和の象徴のようにも思えて、つい興奮して叫んでしまったのだ。
私と同じ景色を見た水色の目が優しく細められ、笑いかけてきた。たったそれだけのことなのに、嬉しくてときめきを覚えてしまう。
本当にもう、リュークったら! 笑顔もカッコよくて素敵だから、私はいつも一方的にドキドキさせられて、困ってしまう。
『新婚旅行』は、楽しいものになるはずだ。私は貴方が側にいるだけで幸せだから。でも、恥ずかしいから言ってあげない。
だってほら、今も貴方は長い指で私の髪を弄んで、キスをしようとしている。馬車の中が私たちだけで良かった。他人に見られたら絶対に、バカ夫婦だと思われたことだろう。
「ブランカ。そんなに果樹園が好きなら、買い取ろうか?」
「いえ、リューク、違うから。景色が好きなだけで、別に果樹園が欲しいわけではないのよ? あ、でもオレンジは美味しいから、味はちょっと気になるかも」
浮かれてはしゃいだだけだ、とはカッコ悪くて言えない。ただでさえリュークは私を甘やかし、最近何かとプレゼント攻勢をしようとする。さっきの言葉も冗談ではなく、私が「欲しい」とひとこと言えば、本気で果樹園を丸ごと買い取ろうとするだろう。
せっかくなので馬車を停め、窓から見えた果樹園に立ち寄ることにした。瑞々しいオレンジを絞ったばかりの果汁をみんなで美味しくいただくことになった。飲み物と言えば、果実に水や炭酸水を加えて『果実水』にするのがこの世界では一般的。だけどここでは断固として、果汁100%にこだわりたい! だってこんなに美味しそうなのに、水で薄めるなんてもったいないもの。
私が転生したと知っているリュークは、私を止めずに自分も同じものを欲しがった。果樹園の持ち主には驚かれたけれど、彼らが採れたばかりの新鮮なオレンジを用意してくれたから、ワイワイ言いながら絞って、みんなで美味しく味わった。
「貴族様が俺達と同じものを好んで飲むとはねぇ!」
「どうです? 美味しいでしょう」
ご主人とおかみさんが喜ぶ。
私とリュークも微笑み合う。
みんなが笑えば嬉しいし、陽光も眩しくて今日は本当にいい日だ。
「ジュースでしたら、清潔な瓶に入れて蓋で密閉し、瓶ごと煮沸すれば、二~三日は保つはずです。それに、下に落ちて出荷できない果物や形の悪い物でも使えますよ?」
「じゅうす?」
「あ、いえ、果物の汁のことです。とても美味しゅうございました。ありがとうございます」
ジュースなんて言葉、なかったんだった。
この世界では果物はそのまま出荷して、スライスして果実水を作ったり、ちょこっと絞ってお菓子に使われるのが普通なのだ。
贅沢に100%のオレンジジュースで喉を潤した私たち。リュークが「ついてるぞ」と言って、私の唇の端に飛んでいた果実の粒を自分の舌で堂々と舐めとった。それを見た果樹園のご主人夫婦が思わず顔を見合わせる。
……リューク。
人前で恥ずかしいし先が思いやられるから、後で厳重注意をさせてね?
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
私に姉など居ませんが?
山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」
「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」
「ありがとう」
私は婚約者スティーブと結婚破棄した。
書類にサインをし、慰謝料も請求した。
「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。