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3.1 目覚め
彼女
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「ところで、今回僕をここに呼んだ理由は彼女なんだろう?」
なにかと突っかかってくる女性に煮え切らない思いもあるが、ニヒルの顔を立てて出来るだけ穏やかな顔をしているつもりで一呼吸おいて尋ねる。
そんな僕の質問に答えるために、ニヒルは少しだけ息を吸って一言目を口にする。しかし、ニヒルの横にすわっていた女性が「自分で言うから……」と止めた。それから、次は彼女が一呼吸する。一体どれほど深刻な話なのだろう……。
「……久しぶりね」
彼女の口からためらいがちに出た言葉はその一言だけだった。だが彼女がいくらそんな言葉を口にしようとも、僕が彼女のことを覚えていないという事実は変わりようがない。いったい彼女とはどこであったのか、なにがあったのかなんてことはどれだけ思い出そうとも思い出せない。
しかし、どうしてか彼女にもほかの誰かにもそのことに気が付かれてはいけないような気がして、とっさに嘘をついた。
「うん」
誰にとってもたったその一言だったが、僕にとっては自分の中にある様々な感情が込められた大きな一言だった。それは彼女にとってもそうだったように、僕が待ち望んだ一言だったかのようにすら感じられた。
「もうあんなことしないでよね……」
「うん」
「そればっかりね……あの時も……今だって。私が望む言葉はそれじゃないって知ってるくせに」
「うん」
彼女が過去の僕に何を望んでいたのかは僕にはわからない。僕が彼女のことをどうして思い出せないのかが分からないように、きっとそれは今の僕にはわからないことなのだろう。――だからこそ、僕はひたすらに同じことを繰り返す機械人形のように何度もうなずいた。
そんな僕の言動が彼女の望みから遠く外れていたとしても、それしかできないからだ。
「やっぱり、あなたは覚えていないのね」
いつの間にか彼女の瞳からは涙がこぼれていた。僕の小さくも大きな嘘は彼女の瞳をごまかすことなどできなかったということだろう……そうなることはわかっていた。わかっていても彼女に嘘をつくことが僕の中では正義だったということだ。
僕と親しかったものなら誰だって見破れる嘘で、きっと蚊帳の外であるニヒルですら気が付いていることだろう。
「うん、覚えてない。でもたぶん覚えていたかった」
これは嘘ではない。僕は彼女を忘れてしまったことを少なからず残念だと思っている。
「ううん……それでいいの……」
彼女は悲しそうな顔であるが、どこか満足そうでもある。そんなどこかさみしさと懐かしさを感させる彼女を見て、僕は表現しがたい索漠とした気持ちで心が騒いだ。それは彼女の思い出にいる自分が消え去るような気がしたからだ。
記憶が簡単に消え去ることなどない。それをわかってはいても、現に自分に起きてしまったことを考えるとありえることだ。
僕は出来るだけ彼女たちから見えないように頭をたれながら、自身のなかに生じた不安を表情に出す。それから、少しだけ間を空けて僕は彼女に思い切って尋ねることにした。
「それでいい?」
僕の言葉に彼女が何を感じたのかはわからないが、ほんの少しだけ、時間にしてみれば誰も気にも留めないほどの一瞬だったのだろうが、僕にとってはかなり長い時間の間に不快感をあらわに、苦悶にも似たような顔で僕を見つめているような気がした。
しかし、それもほんの一瞬、誰もが気が付かないようなくらいの刹那だったため、もしかしたら僕の勘違いだったのかもしれない。だが、僕は確信していた。彼女は僕の質問を快く思っていない。
「それはどうでもいいでしょう? 誰だって……なんでもないわ。とにかく、覚えていないあなたにはきちんと名乗っておくべきよね?」
「そうしてくれると助かるよ」
「私は……そうね、私はムトと呼ばれることが多いわ。歳も歳だし仕方ないし、気にしてもないからそう呼んでくれるとうれしいわ」
彼女は明らかに、『ムト』という名前で呼ばれることを嫌っている。その名前にどのような意味があるのかを考えればおのずと答えが出てくるのだろうが、あいにくそのような言葉を聞いたことがない。ただ、『うれしい』という言葉がそのまま皮肉めいて聞こえてくる。
何より、彼女のひきつった表情もさることながら、ニヒルが浮かべている微妙な顔を見てもあまりよくない名前だということは何となく想像できた。
「どういう意味なんだ?」
きっと言葉にして尋ねるようなことではないのだろうが、僕は何も気が付いていない風を装い自分の無知を都合の良いように使うことにした。
「それはですね……」
彼女はそのままうつむいて、ニヒルが代わりに歯切れ悪く答えようとする。しかし、とっさの判断というのだろうか、ムトと名乗った女はそれを腕で制止する。
「知らなくていいことよ……これはちょっとした呪いみたいなもの。あなたは知らなくていい」
彼女の顔に苦悩の色が浮かんでいることに気が付いて、僕はそれ以上その名前について追及することは出来なかった。それほどに、彼女はその名前のことを嫌っているということなのだろう。それでも『ムト』という名前を名乗ることが彼女が自分自身にかけた呪いとでもいうのだろうか。
しかし、どのみちこれ以上その話題について触れることは出来ない。そんなことをしてしまえばきっとニヒルが僕をここに連れてきた理由が破たんする原因になりかねないからだ。
それでようやく本来の目的を思い出した。
僕はムトと喧嘩するためでも、ましてや名前の意味を聞くためにここに来たわけでもない。最初から一つの目的、ニヒル……ここでは社長という上司からの命令に従うためにここを訪れ、彼女にあった。つまりは、仕事のためにこの地を訪れたというわけだ。ならば仕事として彼女に聞かなければならないことはただ一つだ。
「それで……ムトさんそろそろ理由について教えてもらってもいいかな?」
僕の質問に答えるためなのか、彼女は座っていた椅子から立ち上がる。そして大きく深呼吸をした。
「本当はもっといっぱい理由があったけど、そのうち二つはかなったし、あとはもう二度と叶えるつもりがない理由……だから、あなたに会いたかった理由は一つ。あなたの友人のことよ」
友人というのは誰のことだろう……この世界における僕の友人というものはかなり少ない。というよりも堺とニヒルぐらいしかいないのではないだろうか。ほかにも知り合いぐらいなら何人かいるだろうが、友達というレベルのものではない。
つまり、今回の話というのはきっとニヒルのことだろう。僕はそう結論付けて立ち上がる。
「ニヒルになにか!?」
その僕の焦燥に対して、ニヒルとムトは顔を見合わせている。それも結構長い間だ。その間にも時間が流れている証拠に時計がカチカチとなる音が耳障りな雑音として僕の耳にとどく。むしろそれ以外の音は何も聞こえてこない。聞こえるとしたら、動悸による音ぐらいだ。
――二人がフリーズしたまま針の音が僕の心臓音よりも早く感じたころ、ようやくニヒルとムトは顔をこちらに向けた。
一番最初に沈黙を破ったのは、一番理由とやらを詳しく知っているムトではなく、ある意味一番の当事者といえるニヒルだった。
「って、それなら私から直接話しますよ」
鋭い突っ込み、惜しむべきは間があまり良くないということだろう。これほどまでに間が開いていなければ完璧な突っ込みだったことだろう。あまりに間が開きすぎるとシュールである。シュールストレミングなみにくさい突っ込みに成り下がってしまう。
ここまでくだらない事を考えられるようになるほどには、僕の頭は働くようになったらしい。出来ればこんなくだらないことを考えたくはなかった。
それはさておき、僕は「だったらどういうことなんだ?」と何の思慮もなく聞いてみる。
「あなたの友人でニヒルさん以外といえば、堺さん以外にはいないでしょう?」
呆れながらにムトはやれやれと手を振りながら答える。
確かにそうだ。その考えは非常に正しいだろう。僕には友達と呼べる人物がその二人ぐらいしかいないのだから、その答えにたどり着くのは至極当然の結果だ。
しかし、自分の頭で考えるよりも、人の口から告げられた事実のほうがはるかに心にくるということに気が付けたのはいいことなのだろう。それでも、他人から友達の少ない男と認識されているということは知りたくなかった。
そして、僕はようやく矛盾点に気が付いた。ムトはどうして堺を認識することができているのだろう。長いこと関わっていたはずのニヒルですら、堺のことは覚えていなかったはずだ。それはニヒルから直接聞いた僕が一番よくわかっていることだ。
それなのに、彼女はどうして知っている。
ニヒルから僕が話した堺の話を聞いたというのであれば、名前ぐらいを知っていてもおかしくはないが、それなら彼女が僕と会いたい理由付に彼の話題を持ってくるはずがない。関わりのないものに興味を抱くことも少ないだろう。もし、万が一、彼女が僕と堺に起きた現象に対して興味を持ったというのであれば別段不思議なことでもないだろう。
前提があっていればの話だ。ニヒルが僕から聞いた話を関係のない他人に話すということはほぼほぼ考えられない。つまり、ムトがニヒルから話を聞いたということ自体がありえない、とまではいかなくてもかなり確率は低いだろう。
僕は動揺を隠せない。おそらくだが、声はかなりふるえているし、思考が付いて行かない。それでもようやく出した答えは……ムト本人から聞く以外に方法がないということだ。
「堺を知っているのか?」
ムトが悲愴な面持ちなのは、僕の声が震えているということとはまるで関係ないだろう。僕の質問に対する答えがあまり良くないものだからこそ、僕が不憫で仕方ないのかもしれない。しかし、彼女も黙ったままいることができないということや、自分が僕に会いに来た理由を思い出しては口を開くほかなかったのだろう。
僕が思っていたよりもはるかに早く答えを聞くことができた。
「悪魔にのまれた愚か者の魔法士……愚かであなたと同じお人よしの馬鹿な人よ」
なにかと突っかかってくる女性に煮え切らない思いもあるが、ニヒルの顔を立てて出来るだけ穏やかな顔をしているつもりで一呼吸おいて尋ねる。
そんな僕の質問に答えるために、ニヒルは少しだけ息を吸って一言目を口にする。しかし、ニヒルの横にすわっていた女性が「自分で言うから……」と止めた。それから、次は彼女が一呼吸する。一体どれほど深刻な話なのだろう……。
「……久しぶりね」
彼女の口からためらいがちに出た言葉はその一言だけだった。だが彼女がいくらそんな言葉を口にしようとも、僕が彼女のことを覚えていないという事実は変わりようがない。いったい彼女とはどこであったのか、なにがあったのかなんてことはどれだけ思い出そうとも思い出せない。
しかし、どうしてか彼女にもほかの誰かにもそのことに気が付かれてはいけないような気がして、とっさに嘘をついた。
「うん」
誰にとってもたったその一言だったが、僕にとっては自分の中にある様々な感情が込められた大きな一言だった。それは彼女にとってもそうだったように、僕が待ち望んだ一言だったかのようにすら感じられた。
「もうあんなことしないでよね……」
「うん」
「そればっかりね……あの時も……今だって。私が望む言葉はそれじゃないって知ってるくせに」
「うん」
彼女が過去の僕に何を望んでいたのかは僕にはわからない。僕が彼女のことをどうして思い出せないのかが分からないように、きっとそれは今の僕にはわからないことなのだろう。――だからこそ、僕はひたすらに同じことを繰り返す機械人形のように何度もうなずいた。
そんな僕の言動が彼女の望みから遠く外れていたとしても、それしかできないからだ。
「やっぱり、あなたは覚えていないのね」
いつの間にか彼女の瞳からは涙がこぼれていた。僕の小さくも大きな嘘は彼女の瞳をごまかすことなどできなかったということだろう……そうなることはわかっていた。わかっていても彼女に嘘をつくことが僕の中では正義だったということだ。
僕と親しかったものなら誰だって見破れる嘘で、きっと蚊帳の外であるニヒルですら気が付いていることだろう。
「うん、覚えてない。でもたぶん覚えていたかった」
これは嘘ではない。僕は彼女を忘れてしまったことを少なからず残念だと思っている。
「ううん……それでいいの……」
彼女は悲しそうな顔であるが、どこか満足そうでもある。そんなどこかさみしさと懐かしさを感させる彼女を見て、僕は表現しがたい索漠とした気持ちで心が騒いだ。それは彼女の思い出にいる自分が消え去るような気がしたからだ。
記憶が簡単に消え去ることなどない。それをわかってはいても、現に自分に起きてしまったことを考えるとありえることだ。
僕は出来るだけ彼女たちから見えないように頭をたれながら、自身のなかに生じた不安を表情に出す。それから、少しだけ間を空けて僕は彼女に思い切って尋ねることにした。
「それでいい?」
僕の言葉に彼女が何を感じたのかはわからないが、ほんの少しだけ、時間にしてみれば誰も気にも留めないほどの一瞬だったのだろうが、僕にとってはかなり長い時間の間に不快感をあらわに、苦悶にも似たような顔で僕を見つめているような気がした。
しかし、それもほんの一瞬、誰もが気が付かないようなくらいの刹那だったため、もしかしたら僕の勘違いだったのかもしれない。だが、僕は確信していた。彼女は僕の質問を快く思っていない。
「それはどうでもいいでしょう? 誰だって……なんでもないわ。とにかく、覚えていないあなたにはきちんと名乗っておくべきよね?」
「そうしてくれると助かるよ」
「私は……そうね、私はムトと呼ばれることが多いわ。歳も歳だし仕方ないし、気にしてもないからそう呼んでくれるとうれしいわ」
彼女は明らかに、『ムト』という名前で呼ばれることを嫌っている。その名前にどのような意味があるのかを考えればおのずと答えが出てくるのだろうが、あいにくそのような言葉を聞いたことがない。ただ、『うれしい』という言葉がそのまま皮肉めいて聞こえてくる。
何より、彼女のひきつった表情もさることながら、ニヒルが浮かべている微妙な顔を見てもあまりよくない名前だということは何となく想像できた。
「どういう意味なんだ?」
きっと言葉にして尋ねるようなことではないのだろうが、僕は何も気が付いていない風を装い自分の無知を都合の良いように使うことにした。
「それはですね……」
彼女はそのままうつむいて、ニヒルが代わりに歯切れ悪く答えようとする。しかし、とっさの判断というのだろうか、ムトと名乗った女はそれを腕で制止する。
「知らなくていいことよ……これはちょっとした呪いみたいなもの。あなたは知らなくていい」
彼女の顔に苦悩の色が浮かんでいることに気が付いて、僕はそれ以上その名前について追及することは出来なかった。それほどに、彼女はその名前のことを嫌っているということなのだろう。それでも『ムト』という名前を名乗ることが彼女が自分自身にかけた呪いとでもいうのだろうか。
しかし、どのみちこれ以上その話題について触れることは出来ない。そんなことをしてしまえばきっとニヒルが僕をここに連れてきた理由が破たんする原因になりかねないからだ。
それでようやく本来の目的を思い出した。
僕はムトと喧嘩するためでも、ましてや名前の意味を聞くためにここに来たわけでもない。最初から一つの目的、ニヒル……ここでは社長という上司からの命令に従うためにここを訪れ、彼女にあった。つまりは、仕事のためにこの地を訪れたというわけだ。ならば仕事として彼女に聞かなければならないことはただ一つだ。
「それで……ムトさんそろそろ理由について教えてもらってもいいかな?」
僕の質問に答えるためなのか、彼女は座っていた椅子から立ち上がる。そして大きく深呼吸をした。
「本当はもっといっぱい理由があったけど、そのうち二つはかなったし、あとはもう二度と叶えるつもりがない理由……だから、あなたに会いたかった理由は一つ。あなたの友人のことよ」
友人というのは誰のことだろう……この世界における僕の友人というものはかなり少ない。というよりも堺とニヒルぐらいしかいないのではないだろうか。ほかにも知り合いぐらいなら何人かいるだろうが、友達というレベルのものではない。
つまり、今回の話というのはきっとニヒルのことだろう。僕はそう結論付けて立ち上がる。
「ニヒルになにか!?」
その僕の焦燥に対して、ニヒルとムトは顔を見合わせている。それも結構長い間だ。その間にも時間が流れている証拠に時計がカチカチとなる音が耳障りな雑音として僕の耳にとどく。むしろそれ以外の音は何も聞こえてこない。聞こえるとしたら、動悸による音ぐらいだ。
――二人がフリーズしたまま針の音が僕の心臓音よりも早く感じたころ、ようやくニヒルとムトは顔をこちらに向けた。
一番最初に沈黙を破ったのは、一番理由とやらを詳しく知っているムトではなく、ある意味一番の当事者といえるニヒルだった。
「って、それなら私から直接話しますよ」
鋭い突っ込み、惜しむべきは間があまり良くないということだろう。これほどまでに間が開いていなければ完璧な突っ込みだったことだろう。あまりに間が開きすぎるとシュールである。シュールストレミングなみにくさい突っ込みに成り下がってしまう。
ここまでくだらない事を考えられるようになるほどには、僕の頭は働くようになったらしい。出来ればこんなくだらないことを考えたくはなかった。
それはさておき、僕は「だったらどういうことなんだ?」と何の思慮もなく聞いてみる。
「あなたの友人でニヒルさん以外といえば、堺さん以外にはいないでしょう?」
呆れながらにムトはやれやれと手を振りながら答える。
確かにそうだ。その考えは非常に正しいだろう。僕には友達と呼べる人物がその二人ぐらいしかいないのだから、その答えにたどり着くのは至極当然の結果だ。
しかし、自分の頭で考えるよりも、人の口から告げられた事実のほうがはるかに心にくるということに気が付けたのはいいことなのだろう。それでも、他人から友達の少ない男と認識されているということは知りたくなかった。
そして、僕はようやく矛盾点に気が付いた。ムトはどうして堺を認識することができているのだろう。長いこと関わっていたはずのニヒルですら、堺のことは覚えていなかったはずだ。それはニヒルから直接聞いた僕が一番よくわかっていることだ。
それなのに、彼女はどうして知っている。
ニヒルから僕が話した堺の話を聞いたというのであれば、名前ぐらいを知っていてもおかしくはないが、それなら彼女が僕と会いたい理由付に彼の話題を持ってくるはずがない。関わりのないものに興味を抱くことも少ないだろう。もし、万が一、彼女が僕と堺に起きた現象に対して興味を持ったというのであれば別段不思議なことでもないだろう。
前提があっていればの話だ。ニヒルが僕から聞いた話を関係のない他人に話すということはほぼほぼ考えられない。つまり、ムトがニヒルから話を聞いたということ自体がありえない、とまではいかなくてもかなり確率は低いだろう。
僕は動揺を隠せない。おそらくだが、声はかなりふるえているし、思考が付いて行かない。それでもようやく出した答えは……ムト本人から聞く以外に方法がないということだ。
「堺を知っているのか?」
ムトが悲愴な面持ちなのは、僕の声が震えているということとはまるで関係ないだろう。僕の質問に対する答えがあまり良くないものだからこそ、僕が不憫で仕方ないのかもしれない。しかし、彼女も黙ったままいることができないということや、自分が僕に会いに来た理由を思い出しては口を開くほかなかったのだろう。
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