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48 悪魔
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突然の突拍子もない話に開いた口がふさがらない僕だ。
『悪魔』が獣人を滅ぼすために作りだしただって……どんなファンタジーだ。いや、魔法なんて概念がある時点でファンタジーなのだが、悪魔はまだこの目で見たことがないし信じられない。
「悪魔……ですか?」
一応尋ね返しては見たが、たぶん明らかに信じていなのがバレバレだろう。だけど仕方ないはず、だって悪魔の話なんて今初めてアニーの口から聞いた言葉で、女神すらその言葉を口には出さなかった。
いやちょっとまってくれ、もし仮に彼女の話が正しく、魔物を悪魔が生産しているのだとしたらどうして犬の魔物はいないのだろうか……悪魔というぐらいだ。もしかしたら、異世界から転生した僕に対してのいやがらせとして犬系の魔物は作らなかったと考えれば納得できなくもない。そう考えると無性に腹が立ってきた。
「信じてもらえないよね」
「いえ! 信じます!!」
勢いでそう言ってしまった。
だがそれも仕方ないだろう。悪魔が犬を作らなかったせいで、僕は犬の楽園を作ることが出来なかったのだ。なにより、本当の意味で犬として生まれることが出来なかった
「そ、そうなんだ。なんか釈然としないけど、信じてもらえるならいいや。じゃあ悪魔ってなんなのかってわかる?」
「悪魔はあくまで悪魔でしょう?」
それ以外に例えようがあるのだろうか……獣人の敵だとか言えばよかったのか?
いやたぶんそういう話をしているのではないのだと、彼女の悲しそうな顔を見れば何となくわかった。
「悪魔はもともと獣人だった人」
「ん!? どういうことです?」
次々と判明する衝撃的な事実に、頭がついていけずオーバーヒートしそうだ。
それでも爆発寸前の僕をさらに悩ませるかのように、彼女は説明を続ける。
「さっきまでのケンは、たぶん気分がよかったでしょう? 大気中の魔力が体に入り込んで、まるで何でも出来るかのような気分になった…違う?」
「よく覚えていません」
「たぶんそうなっていた。後ろから見てそれはよくわかった。だからあそこに漂っていたのは悪い魔力だってすぐにきがついた。だってケン、あなたは悪魔になりかけていたから」
悪魔になりかけていた? 彼女は一体何を言っているんだ?
ますます頭は混乱に陥る。
「意味が分からない……」
「魔力について精通しているケンなら、魔力にも種類があることは知っているでしょう?」
もちろん知っている。というより、魔力を武器として使うときに頭の中に流れ込んできたことだ。だがその中には悪い情報はなかったのだが、それだけに彼女の暗い表情が気になる。
「獣人が体の中で生成する純粋な魔力……それと自然の中に溢れている魔力ですかね?」
「うん。だけどそれじゃあ正解とは言えない。自然界に溢れている魔力は、獣人が体の中で生成した魔力とはちがって、獣人の体になじんではくれない。だからこそ、魔力を生成できない獣人は魔法を使えないし、魔力を生成出来たとしてもその人の才能に応じた分しか生成できない」
彼女はそう説明してくれたが、それは僕も知っている。神が勝手に与えてくれた恩恵の力で魔力を使用した時点で知らされた。だがそれを勘ぐられたら面倒なので何も知らない風に会話を続ける。
「通常は自然の魔力を体に吸収することは出来ないと……と言うことですか?」
「まあそういうこと。だけどまれに魔力を自由に吸収し、自分の魔力であるかのように利用できる獣人もいる。まさにケンのように」
せっかく説明してくれて申し訳ないのだが、その説明は若干間違っている。自然界の魔力というやつは、基本的には誰にだって利用できるはずだ。ただ誰も使い方を知らないだけで、知ってしまえばきっと恐ろしいことになる。残念なのは、通常時に待機中に溢れている魔力ぐらいでは取り込んでも大した力にならないということだ。
コボルトの巣に溢れていたぐらいの膨大な魔力があってこそ初めて意味がある。
それでも自分の魔力許容量を超えて吸収することが出来ないわけで、別段チート級の能力という話でもない。
だがそんなことは重要ではない。重要なのは僕の知り得ない情報を彼女が口にしたということだ。
「ええ……でもそれと悪魔が何か関係あるんですか?」
僕からの質問に対して、アニーはとても答え辛そうに口をもごもごとしながら、それでも何とか返事をしてくれた。
「……とても言いにくいことなんだけど……いや、魔法使いとして活動していくケンにはいずれ伝えないといけないことだから……うん、決めたちゃんと話すよ。どうして魔法使いが人気のない職業なのか……役に立つ魔法が使えるまで時間がかかるからとか、一人では戦えないからとか、色々と理由はあるけれど、一番の理由は大気中の魔力を一番吸収しやすいから……なんで大気中の魔力を吸収することが嫌われるかと言うと、大気中の魔力がどこから発生するかに起因していて、通常、大気中の魔力は自然界の魔物や植物、獣人……彼らの死によって、魂が魔力となってあふれ出すからなの……だけど魔物が巣をつくる場所は決まって同じ、負の心に染まった獣人や、悪魔となってしまった獣人……もしくは魔王が死んだ場所なの。だから、その場所の魔力は通常よりも濃く、中には負のエネルギーが紛れている。それを吸収し続けると心が負に蝕まれ、よくて悪魔になり、最悪の場合は魔王になる――」
『悪魔』が獣人を滅ぼすために作りだしただって……どんなファンタジーだ。いや、魔法なんて概念がある時点でファンタジーなのだが、悪魔はまだこの目で見たことがないし信じられない。
「悪魔……ですか?」
一応尋ね返しては見たが、たぶん明らかに信じていなのがバレバレだろう。だけど仕方ないはず、だって悪魔の話なんて今初めてアニーの口から聞いた言葉で、女神すらその言葉を口には出さなかった。
いやちょっとまってくれ、もし仮に彼女の話が正しく、魔物を悪魔が生産しているのだとしたらどうして犬の魔物はいないのだろうか……悪魔というぐらいだ。もしかしたら、異世界から転生した僕に対してのいやがらせとして犬系の魔物は作らなかったと考えれば納得できなくもない。そう考えると無性に腹が立ってきた。
「信じてもらえないよね」
「いえ! 信じます!!」
勢いでそう言ってしまった。
だがそれも仕方ないだろう。悪魔が犬を作らなかったせいで、僕は犬の楽園を作ることが出来なかったのだ。なにより、本当の意味で犬として生まれることが出来なかった
「そ、そうなんだ。なんか釈然としないけど、信じてもらえるならいいや。じゃあ悪魔ってなんなのかってわかる?」
「悪魔はあくまで悪魔でしょう?」
それ以外に例えようがあるのだろうか……獣人の敵だとか言えばよかったのか?
いやたぶんそういう話をしているのではないのだと、彼女の悲しそうな顔を見れば何となくわかった。
「悪魔はもともと獣人だった人」
「ん!? どういうことです?」
次々と判明する衝撃的な事実に、頭がついていけずオーバーヒートしそうだ。
それでも爆発寸前の僕をさらに悩ませるかのように、彼女は説明を続ける。
「さっきまでのケンは、たぶん気分がよかったでしょう? 大気中の魔力が体に入り込んで、まるで何でも出来るかのような気分になった…違う?」
「よく覚えていません」
「たぶんそうなっていた。後ろから見てそれはよくわかった。だからあそこに漂っていたのは悪い魔力だってすぐにきがついた。だってケン、あなたは悪魔になりかけていたから」
悪魔になりかけていた? 彼女は一体何を言っているんだ?
ますます頭は混乱に陥る。
「意味が分からない……」
「魔力について精通しているケンなら、魔力にも種類があることは知っているでしょう?」
もちろん知っている。というより、魔力を武器として使うときに頭の中に流れ込んできたことだ。だがその中には悪い情報はなかったのだが、それだけに彼女の暗い表情が気になる。
「獣人が体の中で生成する純粋な魔力……それと自然の中に溢れている魔力ですかね?」
「うん。だけどそれじゃあ正解とは言えない。自然界に溢れている魔力は、獣人が体の中で生成した魔力とはちがって、獣人の体になじんではくれない。だからこそ、魔力を生成できない獣人は魔法を使えないし、魔力を生成出来たとしてもその人の才能に応じた分しか生成できない」
彼女はそう説明してくれたが、それは僕も知っている。神が勝手に与えてくれた恩恵の力で魔力を使用した時点で知らされた。だがそれを勘ぐられたら面倒なので何も知らない風に会話を続ける。
「通常は自然の魔力を体に吸収することは出来ないと……と言うことですか?」
「まあそういうこと。だけどまれに魔力を自由に吸収し、自分の魔力であるかのように利用できる獣人もいる。まさにケンのように」
せっかく説明してくれて申し訳ないのだが、その説明は若干間違っている。自然界の魔力というやつは、基本的には誰にだって利用できるはずだ。ただ誰も使い方を知らないだけで、知ってしまえばきっと恐ろしいことになる。残念なのは、通常時に待機中に溢れている魔力ぐらいでは取り込んでも大した力にならないということだ。
コボルトの巣に溢れていたぐらいの膨大な魔力があってこそ初めて意味がある。
それでも自分の魔力許容量を超えて吸収することが出来ないわけで、別段チート級の能力という話でもない。
だがそんなことは重要ではない。重要なのは僕の知り得ない情報を彼女が口にしたということだ。
「ええ……でもそれと悪魔が何か関係あるんですか?」
僕からの質問に対して、アニーはとても答え辛そうに口をもごもごとしながら、それでも何とか返事をしてくれた。
「……とても言いにくいことなんだけど……いや、魔法使いとして活動していくケンにはいずれ伝えないといけないことだから……うん、決めたちゃんと話すよ。どうして魔法使いが人気のない職業なのか……役に立つ魔法が使えるまで時間がかかるからとか、一人では戦えないからとか、色々と理由はあるけれど、一番の理由は大気中の魔力を一番吸収しやすいから……なんで大気中の魔力を吸収することが嫌われるかと言うと、大気中の魔力がどこから発生するかに起因していて、通常、大気中の魔力は自然界の魔物や植物、獣人……彼らの死によって、魂が魔力となってあふれ出すからなの……だけど魔物が巣をつくる場所は決まって同じ、負の心に染まった獣人や、悪魔となってしまった獣人……もしくは魔王が死んだ場所なの。だから、その場所の魔力は通常よりも濃く、中には負のエネルギーが紛れている。それを吸収し続けると心が負に蝕まれ、よくて悪魔になり、最悪の場合は魔王になる――」
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