38 / 86
4章 悪魔狩り
5.酒場
しおりを挟む
このオシャレすぎる酒場、デカログスも所長の趣味が前面に押し出されたようだ。ただ、名前の由来だけはどうにも釈然としないものがある神父ルシフである。
王都にいた時はよく酒場に行ったルシフだが、この街に帰ってからは神父ということもあり、あまり大量の酒を飲むことは出来ないのでずっと入ることのない場所になっていた。しかし、ここは神父がいても不思議ではない落ち着いた空間だ。毎日は無理だが、時折なら酒を嗜めるだろう。
ただ1つだけ気に入らないことといえば、所長の魔法がチラホラ見えることだろうか、天井のキラキラが気になって仕方のないルシフである。
「それにしても、所長がこんなオシャレな空間を作れるなんて・・・・才能は魔法だけじゃなかったんですね?」
「ルシフ君にそれを言われるとは・・・・これでも僕はこの街をデザインしたデザイナーでもあるんだよ」
ルシフは思わずレヴィアの方を見る。レヴィアは呆れた表情をしている。
「ルシフはしょうもない事ばかり知っているのに、有名人には疎いのね・・・・この街の所長はね、リフォームの匠と言われるほどの凄腕の建築士なのよ!」
「まじか! 所長はただの魔術ずきの問題ありまくりのじいさんだと思ってた!」
あまりにも衝撃的な事実にルシフは思わず、本音を口にしてしまった。
「じいさんって・・・・まだ61なのに・・・・」
所長はどこか悲しそうだった。机から離れ部屋の隅っこでしゃがみこんでいる。
「それにしても・・・・なんという事だろう、あんなに役立ずのジジイだと思っていた所長がこんなにも貫禄がある建築士に早変わりしてしまったではありませんか」
なぜだかわからないが、ルシフはそう呟かずにいられなかった。
いつの間にか席に帰ってきていた所長も、自分を馬鹿にするその言葉をなぜか楽しみに感じていた。
「まあ、この酒場に関しては私が関わった所は魔法だけなんだけどね・・・・」
その言葉にレヴィアがなぜか噴き出す。ルシフはなにが面白いのか分からず、キョロキョロする。
「レヴィア、一体どうしたんだ?」
レヴィアは笑いが止まらないようで、半笑いでネタばらしをする。
「だ、だって・・ルシ・・ルシフが、ふふふ! だめ、笑いが止まらないわ! 所長が建築士なわけないじゃない」
「本当だよ、私が建築士に見えるかい? ルシフ君は大昔のことはよく知っていても、最近のことはてんでしらないんだね」
所長もつられて笑っている。
「あんたら・・・・俺が街に出ないからって馬鹿にしやがって・・・・」
今度はルシフが部屋の隅っこでしゃがみこんだ。
それから長い間しゃがみこんだまま帰ってこないルシフを気にかける所長。
「ルシフ君、機嫌を直して戻ってきてくれ! どうしても君に紹介したい人がいるんだ!」
所長はルシフを卓に呼び、席に着かせた。半分涙目のルシフは少し苛立ちを隠せないように言った。
「ところで誰を紹介してくれるんですか!?」
声は少し涙声で、レヴィアもさすがに少しだけ反省した。
「大の男が泣くとは情けない・・・・」
涙の後が残っているルシフをみてハムートがそう呟いた。
「まあ、過ぎたことはいい。とにかくおーい! マスター!」
所長は悪びれる様子もなく、ルシフに紹介する為に酒場のマスターを呼ぶ。
その声にいそいそと駆け寄ってきた女性は、とても美しくもスラリと流した赤髪で、その目にも炎が宿っていると錯覚するほどの赤眼の持主だった。
彼女は黒いロングスカートに白い服と黒いハイヒールで、比較てきに清楚な格好をしている。
「仕事中に悪いね・・・・この人達が私の友人のルシフとその仲間達だよ。」
所長がルシフ達をマスターに紹介する。それに乗じて軽くお辞儀をするルシフ一行であった。
王都にいた時はよく酒場に行ったルシフだが、この街に帰ってからは神父ということもあり、あまり大量の酒を飲むことは出来ないのでずっと入ることのない場所になっていた。しかし、ここは神父がいても不思議ではない落ち着いた空間だ。毎日は無理だが、時折なら酒を嗜めるだろう。
ただ1つだけ気に入らないことといえば、所長の魔法がチラホラ見えることだろうか、天井のキラキラが気になって仕方のないルシフである。
「それにしても、所長がこんなオシャレな空間を作れるなんて・・・・才能は魔法だけじゃなかったんですね?」
「ルシフ君にそれを言われるとは・・・・これでも僕はこの街をデザインしたデザイナーでもあるんだよ」
ルシフは思わずレヴィアの方を見る。レヴィアは呆れた表情をしている。
「ルシフはしょうもない事ばかり知っているのに、有名人には疎いのね・・・・この街の所長はね、リフォームの匠と言われるほどの凄腕の建築士なのよ!」
「まじか! 所長はただの魔術ずきの問題ありまくりのじいさんだと思ってた!」
あまりにも衝撃的な事実にルシフは思わず、本音を口にしてしまった。
「じいさんって・・・・まだ61なのに・・・・」
所長はどこか悲しそうだった。机から離れ部屋の隅っこでしゃがみこんでいる。
「それにしても・・・・なんという事だろう、あんなに役立ずのジジイだと思っていた所長がこんなにも貫禄がある建築士に早変わりしてしまったではありませんか」
なぜだかわからないが、ルシフはそう呟かずにいられなかった。
いつの間にか席に帰ってきていた所長も、自分を馬鹿にするその言葉をなぜか楽しみに感じていた。
「まあ、この酒場に関しては私が関わった所は魔法だけなんだけどね・・・・」
その言葉にレヴィアがなぜか噴き出す。ルシフはなにが面白いのか分からず、キョロキョロする。
「レヴィア、一体どうしたんだ?」
レヴィアは笑いが止まらないようで、半笑いでネタばらしをする。
「だ、だって・・ルシ・・ルシフが、ふふふ! だめ、笑いが止まらないわ! 所長が建築士なわけないじゃない」
「本当だよ、私が建築士に見えるかい? ルシフ君は大昔のことはよく知っていても、最近のことはてんでしらないんだね」
所長もつられて笑っている。
「あんたら・・・・俺が街に出ないからって馬鹿にしやがって・・・・」
今度はルシフが部屋の隅っこでしゃがみこんだ。
それから長い間しゃがみこんだまま帰ってこないルシフを気にかける所長。
「ルシフ君、機嫌を直して戻ってきてくれ! どうしても君に紹介したい人がいるんだ!」
所長はルシフを卓に呼び、席に着かせた。半分涙目のルシフは少し苛立ちを隠せないように言った。
「ところで誰を紹介してくれるんですか!?」
声は少し涙声で、レヴィアもさすがに少しだけ反省した。
「大の男が泣くとは情けない・・・・」
涙の後が残っているルシフをみてハムートがそう呟いた。
「まあ、過ぎたことはいい。とにかくおーい! マスター!」
所長は悪びれる様子もなく、ルシフに紹介する為に酒場のマスターを呼ぶ。
その声にいそいそと駆け寄ってきた女性は、とても美しくもスラリと流した赤髪で、その目にも炎が宿っていると錯覚するほどの赤眼の持主だった。
彼女は黒いロングスカートに白い服と黒いハイヒールで、比較てきに清楚な格好をしている。
「仕事中に悪いね・・・・この人達が私の友人のルシフとその仲間達だよ。」
所長がルシフ達をマスターに紹介する。それに乗じて軽くお辞儀をするルシフ一行であった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
異世界亜人熟女ハーレム製作者
†真・筋坊主 しんなるきんちゃん†
ファンタジー
異世界転生して亜人の熟女ハーレムを作る話です
【注意】この作品は全てフィクションであり実在、歴史上の人物、場所、概念とは異なります。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる