永劫回帰の黙示録(レヴェレーション)

真白 悟

文字の大きさ
45 / 86
4章 悪魔狩り

12.再会

しおりを挟む
 随分と長い間、聞き込みをすれども出てくるのは噂程度のもので、神隠しの路地に関する確かな情報は出てこなかった。そもそもだが、大金を軽々と叩く貴族からの依頼だ。ただの興味本位で依頼を出したとは思えないが、万が一ということもあり得る。
「もうギルドを出てから4時間になるぞ? そろそろ魔法を使ってもいいだろ?」
 しびれを切らしたルシフにとっては、たった数時間とリスクの天秤では数時間の方が重かったようだ。しかし、レヴィアはその反対だった。
「ダンダリオンみたいなやつに狙われたらどうするつもりなの? 次は殺されるかもしれないのよ!」
「狙われるとしても俺だけだ・・お前らに迷惑はかけないようにするよ・・・・」
「あなたが死ぬことは私にとって迷惑なのよ・・?」
 悲哀を抱いたレヴィアはか細い声で呟いた。空気の読めないハムートでも流石にこの場では何も言わなかった。

「俺は死ぬなんてひと欠片も思ってないけどな・・・・だけど、お前たちに多額の借金だけを残していくのもなんか癪だろう? だからせめてサバトだけでも見つけてやろうと思ってな・・」

 その意見には誰も合意出来ないが、レヴィアはルシフの頑固さを知っているからこそこれ以上否定することはできなかった。
「・・・・わかった・・でも、あなたが悪魔に狙われることになったら全力で護るから・・・・」
 レヴィアの言葉に釈然としないハムートではあったが、二人の様子を見た上でなにか諦めのような感情が浮かんでいた。
「私はレヴィア様と共にあります。たとえどれほど嫌いな相手であろうが全力で保護しますよ!」
 そう言い切るハムートであるが、その表情は苦虫を噛み潰したような苦悶にも似たものである。
「ダメだ! って言いたいところだが、レヴィアは頑固だから聞かないんだろうな・・・・」
 そう呟き魔法発動のための詠唱に入ったるしふだった。

「あーあめんどくせぇ! 神様、俺が魔法使うことをゆるしてくれよな!」
 神父が魔法を使う上で絶対に欠かしていけない決まり事、神へ魔法使用のゆるしを乞うことはルシフにとっては足枷でしかない。 それはこんな時でも同じである。もはや適当過ぎる文言にも神は許可してくれることに気がついたルシフは教会公認の文言を使うことをやめた。
「光を失し金の星よ、暫時の間我の光を与えよう。汝に与えし光を贄にその魔力を我に与えよ!我が名はルシフェル!血の条約に答えよ!」
 ルシフの目が凄まじい光を放つ、魔法は成功したようだ。
「わかったぞ! こっちだ!」
 光る目を左右に揺らしながら、中央通りを駆け抜ける。当然辺りの住民からは注目される。レヴィア達聖者組は若干の恥ずかしさを覚えながら必死についていった。

 突然、足を止めたルシフが見つめるは何の変哲もない壁だが、そこからはわずかに悪魔の気配を感じる。それはあまりにも小さなもので、言われなければ気がつかない程だ。
「この壁のところだ!」
 ルシフは、レヴィアが静止するのも聞かず壁に向かって飛び込んだ。レヴィアとハムートもそれを追う。壁に衝突することはなく、壁をすり抜けた3人と1つ。
 彼らの目前に広がるのはぽつんとある井戸、そしてその前に立つ一人の男だった。

「よう! やっとここまで来たかルシフ・・待ちくたびれたぞ・・・・」

 その男をみてルシフは固まっていた。レヴィアはその男がルシフの知り合いであることはわかったが、どのような関係かわからなかったため男に訪ねた。

「あなたがサバスの一人なの?」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

合成師

盾乃あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。 そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様

あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。 死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。 「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」 だが、その世界はダークファンタジーばりばり。 人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。 こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。 あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。 ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。 死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ! タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。 様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。 世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。 地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

処理中です...