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終章 魔の終末
16.休息
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「冥土の土産だ……お前たちに良いことを教えてやろう。この世に魂なんて物は存在しない……」
メフィストは苦痛に顔を歪めながらも、なんとか口角を上げその言葉を口にしたと思えばそのまま息絶えた。
彼の置き土産は、アリサの心を強く痛めつけた。
「待って! 爺さん、魂が存在しないってどういうこと!?」
アリサは倒れ伏したメフィストを強く揺すって、尋ねるが返事などあるはずもない。しかし、思いもよらないところから答えが返ってきた。
「魂なんてものは人が作り出した概念に過ぎないの……。だからあなたの魂が半分だっていうのも嘘だし、ハムートなんていう魂だけの存在もない」
謁見の間の入り口あたりに立っていたレヴィアが冷たく言い放った。
「レヴィアさんどうしてここに、捕まったはずじゃ……それに兄さんが存在しないって、そんなことあるわけ無いだろう? 兄さんはずっと僕と一緒にいたんだから」
アリサはそう言ってレヴィアの方に駆け寄る。
「止まって! 私はあなたに近づく資格などないわ……ずっとあなたを騙してたんだもん、慕われる資格なんてない……」
レヴィアが言った言葉の真意は残りの3人にはわからなかったが、アリサは何かを言いたげにレヴィアに詰め寄ったが、最終的には力なく崩れ落ちた。ルシフは二人の様子に、意味がわからず問いかけた。
「どういうことだ? ハムートという人間は確かにいたはずじゃないのか?」
その質問にレヴィアが顔をこわばらせる。
「ハムートなんて人物は存在しないってこと……精神が不安定なアリサのバランサーとして、ファウストの意思を分け与えられたただの角よ。自分の意思をものや人に分け与えられる魔法こそがファウストの真髄……私はそれに協力した。そのほうが良いと思ったから協力したけど、それは間違いだったの……」
そこでようやく、ジゼルが動いた。
「お前はただアリサのために協力しただけだろう? なら誰もお前を責めない……責められるわけがない」
「兄さん……それは違う。私の中にも兄さんの中にもファウストの意思は潜んでいる。私がそれを打ち消したのも最近なの……兄さんにもきっとどこかに……」
「ファウストは死んだんだ……もしそうだとしてももはや関係ないだろう。それに、操られていたんだとしたらなおさらお前は悪くない」
レヴィアを慰めるジゼルにつづいて、アリサは立ち上がりレヴィアに言う。
「ハムートという人が本当はいなかったとするなら、あの頃の僕はどうなっていたか分からない……だけどもう大丈夫だよ、幻想なんてなくても生きていける。レヴィア様もルシフさんも団長もいるから、もう逃げる必要なんて僕にはないから」
「それでも私は……」
アリサの言葉に反論しようとするレヴィアに、アリサが平手打ちする。レヴィアは涙目になりながらも、声一つあげずに微動だにすらしなかった。
「レヴィア様、ご無礼をお許し下さい。でも、これでもう良いだろう。これが僕の仕返し、これで十分だよ」
「アリサ……」
突然の二人のやり取りに、男二人組はなんの反応もできなかった。むしろ、アリサとレヴィア二人の世界に入る余地などない。ルシフは満足したような表情で二人を見つめ、ジゼルはヒヤヒヤしながらも二人を見守った。
アリサとレヴィアが抱きしめあってから、何分の時が流れただろうか……流石にルシフもジゼルも気まずくて仕方がない。このまま黙って待っていていたら、今にも爆発してしまうのではないかというぐらいにそわそわしている男二人に、ようやく状況を思い出したレヴィアがアリサを離した。
「ごめん、今はそれどころじゃなかたわね……。もう一人の元凶、ダンダリオンのところへいかなくちゃ」
「大丈夫……ダンダリオンは十分後にここにいる」
メフィストは苦痛に顔を歪めながらも、なんとか口角を上げその言葉を口にしたと思えばそのまま息絶えた。
彼の置き土産は、アリサの心を強く痛めつけた。
「待って! 爺さん、魂が存在しないってどういうこと!?」
アリサは倒れ伏したメフィストを強く揺すって、尋ねるが返事などあるはずもない。しかし、思いもよらないところから答えが返ってきた。
「魂なんてものは人が作り出した概念に過ぎないの……。だからあなたの魂が半分だっていうのも嘘だし、ハムートなんていう魂だけの存在もない」
謁見の間の入り口あたりに立っていたレヴィアが冷たく言い放った。
「レヴィアさんどうしてここに、捕まったはずじゃ……それに兄さんが存在しないって、そんなことあるわけ無いだろう? 兄さんはずっと僕と一緒にいたんだから」
アリサはそう言ってレヴィアの方に駆け寄る。
「止まって! 私はあなたに近づく資格などないわ……ずっとあなたを騙してたんだもん、慕われる資格なんてない……」
レヴィアが言った言葉の真意は残りの3人にはわからなかったが、アリサは何かを言いたげにレヴィアに詰め寄ったが、最終的には力なく崩れ落ちた。ルシフは二人の様子に、意味がわからず問いかけた。
「どういうことだ? ハムートという人間は確かにいたはずじゃないのか?」
その質問にレヴィアが顔をこわばらせる。
「ハムートなんて人物は存在しないってこと……精神が不安定なアリサのバランサーとして、ファウストの意思を分け与えられたただの角よ。自分の意思をものや人に分け与えられる魔法こそがファウストの真髄……私はそれに協力した。そのほうが良いと思ったから協力したけど、それは間違いだったの……」
そこでようやく、ジゼルが動いた。
「お前はただアリサのために協力しただけだろう? なら誰もお前を責めない……責められるわけがない」
「兄さん……それは違う。私の中にも兄さんの中にもファウストの意思は潜んでいる。私がそれを打ち消したのも最近なの……兄さんにもきっとどこかに……」
「ファウストは死んだんだ……もしそうだとしてももはや関係ないだろう。それに、操られていたんだとしたらなおさらお前は悪くない」
レヴィアを慰めるジゼルにつづいて、アリサは立ち上がりレヴィアに言う。
「ハムートという人が本当はいなかったとするなら、あの頃の僕はどうなっていたか分からない……だけどもう大丈夫だよ、幻想なんてなくても生きていける。レヴィア様もルシフさんも団長もいるから、もう逃げる必要なんて僕にはないから」
「それでも私は……」
アリサの言葉に反論しようとするレヴィアに、アリサが平手打ちする。レヴィアは涙目になりながらも、声一つあげずに微動だにすらしなかった。
「レヴィア様、ご無礼をお許し下さい。でも、これでもう良いだろう。これが僕の仕返し、これで十分だよ」
「アリサ……」
突然の二人のやり取りに、男二人組はなんの反応もできなかった。むしろ、アリサとレヴィア二人の世界に入る余地などない。ルシフは満足したような表情で二人を見つめ、ジゼルはヒヤヒヤしながらも二人を見守った。
アリサとレヴィアが抱きしめあってから、何分の時が流れただろうか……流石にルシフもジゼルも気まずくて仕方がない。このまま黙って待っていていたら、今にも爆発してしまうのではないかというぐらいにそわそわしている男二人に、ようやく状況を思い出したレヴィアがアリサを離した。
「ごめん、今はそれどころじゃなかたわね……。もう一人の元凶、ダンダリオンのところへいかなくちゃ」
「大丈夫……ダンダリオンは十分後にここにいる」
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