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対価
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先の方針からブランデンベルグとの繋がりを作りピスノーラに早速店を構えた、アリオローラにも大きな「得」があった
仮支店を馬車隊をとりあえず置いて商売を始め、最初の各地からの商品を集めて置いた所でマルギットが護衛を引きつれ、自ら一番最初の客と成ったのだ
「店はまだか」
流石のアリオローラも「!?」な事態である
「本格的な大店の建築はまだ掛かりますので、とりあえず馬車隊でという事になりまする」
「成る程、まあよい、品物を見せい」
「は、はっ」
と散々物色してった
「お~、このカラフルな衣装はなんじゃ?」
「南方部族の女性用冠婚葬祭衣装です」
「成る程、民族衣装というやつじゃな、貰おう」
「こっちのドレスはなんじゃ?」
「ロベルタの貴族の方がよく着ておりますね」
「これはうって変わって「清楚」という感じじゃの~」
「は、あちらはペンタグラムに近く宗教国に近い物があります」
「歴代の勇者の家系の国じゃからのう」
「はっ、その為露出が低く、尼僧に似た白を基調としております」
「よし、これも貰おう」
と次から次へとガンガン買っていった
商人隊も「変わった君主様ですね」と言ったがフォレスの事前通達どおり「乙女」なのである要するに買い物が大好きなのだ、自分で歩いて、探す、その行程と「目で楽しむ」が
しかしこれはローラからすれば美味い。いきなりご贔屓状態なのだ、このマルギットの行動で一般住人も「どれどれ」と集まり開店から大盛況になった「宣伝効果」である
そしてピスノーラはグランセルナやロベルタと並ぶ裕福な国だ、フォレスも評した通り
「治世にミスが無い」君主国家で名君には違い無い、拡大して当然な事情がある。仕える者が大変というだけで‥
普通君主自ら街に出てきて店に入ったりはしない、大抵、御用聞きが居て城に上がって商品を披露するがマルギットは逆だ
「こりゃ美味いな、おい、各店から商品を集めろ、なるべく種類豊富に、じゃ」
「はい」
ここでピスノーラが連合に加わった事でロンドギアも、と成った、自分らだけ同盟なのもバツが悪いし、もう外敵の脅威も無いし周囲全部連合だという事だ
特に問題も無く、フォレスがロンドギアに出向いてそのまま約定が交される、ただ、どういう訳かロンドギアに来たのに合わせてマルギットもフォレスに張り付いて来た
「何なんだ一体‥」と思ったがそれは何時ものぶっ飛んだ思考からの行動ではない
約定が交わされ正式加盟が済んだ直後会議と成った、マルギットが開口一番こう言った 「では、3国会議しようぞ」だ
これもフォレスが評した通り「歴史上これが出来た政治家は居ない」と言ったとおり、彼女は君主としては稀な人物であ、ただ遊びに来る事は無い
「何の会議ですか」とカンツォーネも嫌そうに言って座ったがその意図は明確だった
「今回わらわが連合に加わったのは良いが、地勢上、中央と道がある、これは不味いので今後の援護策じゃ」
「成る程、特にマルギット殿は「裏切った」訳ですからねテスネアから真っ先に攻められる懸念、脅威がありましょう」
とカンツォーネも皮肉ったがそんなモノが通じる相手ではない
「単身、六万五千あるのでそこまでではないが、こっちの領土が広すぎる兵は兎も角人が居らん、というかわらわが指揮するのが面倒じゃ配慮致せ」
「致せと云われても‥」
「近いし、もう味方じゃ、ロンドギアから援護をよこせ」
「あのですね‥昨日まで敵だった、散々嫌がらせをしてきた国に実軍援護と言っても回らないと思いますが?」
「心情、という事か」
「左様です」
「ふむ、では、公式謝罪と勝ち負けではないが賠償しよう」
「ファ!?」
「何かヘンか?」
「い、いえ」
これにはカンツォーネ、アルネスト、ロンドギア側も唖然だ、が、彼女は単に「今味方なら昨日敵だった事に拘る必要が無い」ただそれだけなのだ
こうなると皮肉も言いようが無い、あまりにも尤もだからだ、ここでフォレスが話を主導して切り替えた
「ま、賠償は別にいいだろ、双方、輸出入の強化と宣誓で民衆も納まる」
「例えば?」
「ペンタグラムをお守りする、グランセルナ連合にお味方する、その為に過去の敵を友としてこれから歩んでいこう、でいいだろ」
「うむ、それでよい」
「でだな、マルギットの懸念も尤もだが、それ程問題にはならんだろう」
「そうじゃな、テスネア側の目的はペンタグラムじゃ、この情勢あって、わらわがコッチに付いたからと言って優先して潰しに来るアホではなかろう、兵力の無駄じゃし全体戦略の方針に合致せん」
「んだな、実際攻めて来てもピスノラは強敵だ故、マルギットの言う通り、ロンドギアからの援軍で左程問題ない」
「両国で8万超えるしの」
「うむ、ただ、マルギットの懸念も一理ある領土がデカイし分散配置防衛は少々やり難い、んで、こっちから防衛施設、砦かなんか作って北側の道を封鎖しよう」
「頼めるか?」
「うむ、人員とマトモな将を少々置いて任せれば相手の侵攻があったとしても連合周囲からの援護派兵で間に合う、という訳で、こっちから建築の屯田兵と人材を送る」
「イケメンを頼む、知勇の均衡の取れた奴な云うまでも無いが」
「‥そいつはチト難しいな‥」
「ならイケメンは妥協しよう、守勢に強く専守防衛出来る奴じゃろな」
「ま、これは人選を考える、それと公共事業もやる」
「東とルートでも作るのか」
「分るのか?」
「まあの、東のデカイ川に道が出来るとロベルタとも繋がる、現状船でしか無理だが陸路があると助かるのう、川幅がデカイだけに、グランセルナ独自の建築技術でもないと無理じゃろ」
「OK早速やろう、ただ事業資金はそこそこかかるぞ」
「構わん、コッチが出す」
「OK、他に何かあるか?」
「軍事面はそんな所じゃろな、それと、ロンドギアとの商売も食料じゃろ、そっちは常に食い物が足りてない、こっちはあまっとる、んで、こっちは馬が不足だ、これで均等化を図る、ほんで、グランセルナ側から遠距離武器をよこせ、あの連続式クロスボウは使える」
「り、了解しました」
「分った」
で、殆ど綱引きとか駆け引きも無く全てあっさり決まる
兎角、フォレスとマルギットの思考方向が似ている事もある
これはインファルやミルデの関係と似ている、要は、変な拘りが無く、無駄も無い事にある、ただ、会議が終った途端、マルギットがフォレスに貼り付いたが
「折角会ったのじゃ、ウチにも泊まっていってくれ~」
「ダメ、時間無い」
「チッ‥」
「向こうの戦略から考えりゃ、直ぐ三弾が来るハズだ」
「じゃのう、しょうがない」
別れ際にフォレスはマルギットにイヤリングを渡した
「伝心のエンチャントアイテム、これで離れてても話せる」
「ふむ、これはまた珍しい、ありがたく頂戴しよう」
「だけど私事で使いまくるなよ?魔力が切れる」
一応、クギを刺した「ふむ、そりゃ残念‥」と、勿論伝心しまくるつもりだった
素早く会議も終り、三国首脳は其々の本国に戻るが、これら会議結果の行動の前にその「第三弾」が動く、ウィステリアからである
「先のウィステリア開戦の際牽制軍を出した西隣国、それから西地域から南東に三万の軍勢です、街道に陣建てを行い、こちらへの牽制です」
本国代理をしていたインファルに情報が入る
「二方向圧迫かぁ~」
「の、様です」
「どう思う?おじちゃん」
「はぁ‥同感ですが、聊か兵力は少ない、やはり削り策を意図したものでしょう、後発からテスネアが出てくる物と思います」
「西隣国は脅しでしょうね、そもそも西砦をぶち抜く程兵力無いし」
「ご尤もですが、無視は出来ませんな」
「ん~‥ロベルタ側と同じかなぁ~、とりあえず協議するわ、北西から来る敵の情報頂戴」
「了解しました、距離があるので時間はあるでしょう書にして転移陣から物質的に使者を出します」
「お願い」
これがグランセルナ本国に着くのが当日夜、これら情報を集約し、本国にフォレスが戻ったのに合わせて既に22時だったが本国会議と成った
「まったく‥他の準備をする暇もありゃしない‥」
「まぁ疲弊策はそういうもんだしね」
「で?」
ウィステリア方面、北西から進軍の「ヴァスタマーカ」
ユグラシア地方。元々西地域は西が全部海で土地面積自体は狭い
豊かであるが地域人口は多く、軍事型ではない、国も3国で縦に並ぶようにある、これら地域が先のゼントラム連合に加わっている
「ふむ、ユグラシア(潤う)か」
「地域名は単に西海、森多し、平地多し、草原多し、から来てるみたいね」
「自然豊か、潤い、てか」
「国ではあるんだけど、この進軍してきた「ヴァスタマーカ」の主導に全体が乗っかっている、て感じみたいね」
「唯一の王政国、だからな。しかし安直なネーミング国だな」
「どういう意味」
「多種言語の混じりだな「ユグラシア(潤う」「ヴァスタ(西」「マーカ(土地」
「確かに適当な名前ね、王家の性もアレだけど‥」
「どういう?」
「ロンディネス」
「燕か」
「国鳥らしいわよ」
「ほー」
「ただ、情報見る限り、単身で戦えそうなんだけどねぇ」
「ふむ」
「兵員単身、三万五千、王家一族全部武系伝統騎士国だし、反面回りが弱いけど」
「しかし、どうもこれも腑に落ちん攻めだよなぁ‥」
「それは?」
「別に、テスネアに便乗する必要も無いだろ、そもそも地域自体、温暖で温和だ」
「そうですね‥」
「これは詳しく調べないとわかんないけど多分圧迫じゃない?」
「ああ‥事大主義か」
「?」
「要はその時強い所にしっぽ振って自分らの被害を避ける、強敵と争わない姿勢て奴、寄らば大樹影の戦略版」
「つまり、テスネアが圧倒的に強国であるし向こうに付いた方が攻防やり易いと」
「そういう事だな、脅迫の類があるのかもな。が、これは案外楽ではある」
「そーね、ウィステリアへの攻めも中央からの要請でやってるかも知れないし戦を主導する気は無いんじゃない?」
「その可能性は大いにあるなぁ、ま、それは今はワカランので、とりあえずウィステリアへの派兵だな」
「リコとマギちゃんが一万、ウィステリア本軍二万近いし単身でもイケルわね」
「うむ、距離的な考えで云えばここはヘイルズの隣だ、ロドニから回そう」
「了解」
方針はあっさり決まりミルデに相談したが彼も同意する
ヘイルズ防衛軍が二万置いてある為、問題は無い
直ぐに直轄地ヘイルズに兵軍の用意と成った。これをリコ滞在軍やウィステリアの主将ウォートに預けてもどちらも指揮官として優秀なので問題も無いしウィステリア自体、軍師にグレゴールが居る。知、武のバランス面で問題も無い
が、問題はテスネアである「一応、エミリアも出しとくか‥」で、バルクスト滞在軍のエミリアを北回りから動かす
エミリアは手持ち軍二万で一旦ロドニへ、これを半数、派兵して空きに成っているヘイルズに一万、滞在予備兵に置いて自らは主軍として一万でウィステリアに向かう方針を見せた
「多重策」と成れば、当然中央から南下もあり、ロドニをあまり薄く出来ない、という彼女個人の考えからである「それも尤もではあるな」とフォレスも許可をだした
この間にもフォレスはやる事が多い、特に連合全国どこから攻めて来るかも掴めない為、各地準備が多い、とりあえず今は西だな。と、これも直ぐ指示を出した
「本国の斥候隊から相手、ヴァスタの追調査を」
「はっ、どの程度に?」
「何でも、この際本国グランセルナは必要最小限でいい、アノミアにも一応連絡、だが、全方位は無理が行く伝達だけでいい」
「はっ、直ちに」
これら命令を本国にある「裏」のメンツに伝えフォレスは翌朝には先の三国会談の方針からこっちも指示した
「という訳で、ピスノーラ、北街道に防衛施設を作る」
「はっ、指揮官は?」
「んー‥とりあえず、屯田兵四千と、後方支援千だけ先に向こうの本国へ、ここは特別将はいらんだろうが、一応建築管理に中級指揮官を当ててくれ」
「多くありませんか?」
「向こうの東川に橋も掛ける」
「!‥結構な大工事に成りますな‥」
「うむ、あると無いとじゃ大違いではあるし、向こうも望んでいる」
「わ、わかりました」
そこでとりあえずの命だけ出し、先行して動かした、問題は先の人事である
「んー‥どうすっかなぁ‥建築、滞在防衛援護‥人事がムズイ」
指示した通り、かなりの大きな事業である、これの統制管理と同時、向こうへの滞在防衛軍も必須だ、状況によってはピスノラ側の職人も統制が居るし人員を増やす事もありえる
これに実際「致せ」と言ってカンツォーネを援護に回すと良い気はしないだろうという部分もあるし正統な軍人だ、が、適任者は居る
「一応聞いてみるか」で、私室で伝心
「と言う訳なんだけど?」
「ふむ、別に構わんぞ、本国も代理統治者が居るし任せて問題ないアタシが直接防衛で留まる意味もないしな」
「おっ、有り難い、一応事務方や補佐も回す」
「おう」
受けたのはカルディアである。軍を動かして良し、戦って良し、統制して良し、と全ての能力を揃えているのは彼女くらいだろう、まして相手の女王が変態だ
マルギットと渡り合えるか、受け入れられる度量とか気にしない大らかさが要る、これに「致せ」でロンドギアからカンツォーネを出すとまず間違いなく喧嘩になるだろう
カルディアが受けたのに合わせてこちら側からも人材の派遣である。これにはピスノーラに留まっているローラと周囲、物資の移動力と調達力が高く、彼女も頭が良い、学士でもある、クォーレらを派遣して任せた
仮支店を馬車隊をとりあえず置いて商売を始め、最初の各地からの商品を集めて置いた所でマルギットが護衛を引きつれ、自ら一番最初の客と成ったのだ
「店はまだか」
流石のアリオローラも「!?」な事態である
「本格的な大店の建築はまだ掛かりますので、とりあえず馬車隊でという事になりまする」
「成る程、まあよい、品物を見せい」
「は、はっ」
と散々物色してった
「お~、このカラフルな衣装はなんじゃ?」
「南方部族の女性用冠婚葬祭衣装です」
「成る程、民族衣装というやつじゃな、貰おう」
「こっちのドレスはなんじゃ?」
「ロベルタの貴族の方がよく着ておりますね」
「これはうって変わって「清楚」という感じじゃの~」
「は、あちらはペンタグラムに近く宗教国に近い物があります」
「歴代の勇者の家系の国じゃからのう」
「はっ、その為露出が低く、尼僧に似た白を基調としております」
「よし、これも貰おう」
と次から次へとガンガン買っていった
商人隊も「変わった君主様ですね」と言ったがフォレスの事前通達どおり「乙女」なのである要するに買い物が大好きなのだ、自分で歩いて、探す、その行程と「目で楽しむ」が
しかしこれはローラからすれば美味い。いきなりご贔屓状態なのだ、このマルギットの行動で一般住人も「どれどれ」と集まり開店から大盛況になった「宣伝効果」である
そしてピスノーラはグランセルナやロベルタと並ぶ裕福な国だ、フォレスも評した通り
「治世にミスが無い」君主国家で名君には違い無い、拡大して当然な事情がある。仕える者が大変というだけで‥
普通君主自ら街に出てきて店に入ったりはしない、大抵、御用聞きが居て城に上がって商品を披露するがマルギットは逆だ
「こりゃ美味いな、おい、各店から商品を集めろ、なるべく種類豊富に、じゃ」
「はい」
ここでピスノーラが連合に加わった事でロンドギアも、と成った、自分らだけ同盟なのもバツが悪いし、もう外敵の脅威も無いし周囲全部連合だという事だ
特に問題も無く、フォレスがロンドギアに出向いてそのまま約定が交される、ただ、どういう訳かロンドギアに来たのに合わせてマルギットもフォレスに張り付いて来た
「何なんだ一体‥」と思ったがそれは何時ものぶっ飛んだ思考からの行動ではない
約定が交わされ正式加盟が済んだ直後会議と成った、マルギットが開口一番こう言った 「では、3国会議しようぞ」だ
これもフォレスが評した通り「歴史上これが出来た政治家は居ない」と言ったとおり、彼女は君主としては稀な人物であ、ただ遊びに来る事は無い
「何の会議ですか」とカンツォーネも嫌そうに言って座ったがその意図は明確だった
「今回わらわが連合に加わったのは良いが、地勢上、中央と道がある、これは不味いので今後の援護策じゃ」
「成る程、特にマルギット殿は「裏切った」訳ですからねテスネアから真っ先に攻められる懸念、脅威がありましょう」
とカンツォーネも皮肉ったがそんなモノが通じる相手ではない
「単身、六万五千あるのでそこまでではないが、こっちの領土が広すぎる兵は兎も角人が居らん、というかわらわが指揮するのが面倒じゃ配慮致せ」
「致せと云われても‥」
「近いし、もう味方じゃ、ロンドギアから援護をよこせ」
「あのですね‥昨日まで敵だった、散々嫌がらせをしてきた国に実軍援護と言っても回らないと思いますが?」
「心情、という事か」
「左様です」
「ふむ、では、公式謝罪と勝ち負けではないが賠償しよう」
「ファ!?」
「何かヘンか?」
「い、いえ」
これにはカンツォーネ、アルネスト、ロンドギア側も唖然だ、が、彼女は単に「今味方なら昨日敵だった事に拘る必要が無い」ただそれだけなのだ
こうなると皮肉も言いようが無い、あまりにも尤もだからだ、ここでフォレスが話を主導して切り替えた
「ま、賠償は別にいいだろ、双方、輸出入の強化と宣誓で民衆も納まる」
「例えば?」
「ペンタグラムをお守りする、グランセルナ連合にお味方する、その為に過去の敵を友としてこれから歩んでいこう、でいいだろ」
「うむ、それでよい」
「でだな、マルギットの懸念も尤もだが、それ程問題にはならんだろう」
「そうじゃな、テスネア側の目的はペンタグラムじゃ、この情勢あって、わらわがコッチに付いたからと言って優先して潰しに来るアホではなかろう、兵力の無駄じゃし全体戦略の方針に合致せん」
「んだな、実際攻めて来てもピスノラは強敵だ故、マルギットの言う通り、ロンドギアからの援軍で左程問題ない」
「両国で8万超えるしの」
「うむ、ただ、マルギットの懸念も一理ある領土がデカイし分散配置防衛は少々やり難い、んで、こっちから防衛施設、砦かなんか作って北側の道を封鎖しよう」
「頼めるか?」
「うむ、人員とマトモな将を少々置いて任せれば相手の侵攻があったとしても連合周囲からの援護派兵で間に合う、という訳で、こっちから建築の屯田兵と人材を送る」
「イケメンを頼む、知勇の均衡の取れた奴な云うまでも無いが」
「‥そいつはチト難しいな‥」
「ならイケメンは妥協しよう、守勢に強く専守防衛出来る奴じゃろな」
「ま、これは人選を考える、それと公共事業もやる」
「東とルートでも作るのか」
「分るのか?」
「まあの、東のデカイ川に道が出来るとロベルタとも繋がる、現状船でしか無理だが陸路があると助かるのう、川幅がデカイだけに、グランセルナ独自の建築技術でもないと無理じゃろ」
「OK早速やろう、ただ事業資金はそこそこかかるぞ」
「構わん、コッチが出す」
「OK、他に何かあるか?」
「軍事面はそんな所じゃろな、それと、ロンドギアとの商売も食料じゃろ、そっちは常に食い物が足りてない、こっちはあまっとる、んで、こっちは馬が不足だ、これで均等化を図る、ほんで、グランセルナ側から遠距離武器をよこせ、あの連続式クロスボウは使える」
「り、了解しました」
「分った」
で、殆ど綱引きとか駆け引きも無く全てあっさり決まる
兎角、フォレスとマルギットの思考方向が似ている事もある
これはインファルやミルデの関係と似ている、要は、変な拘りが無く、無駄も無い事にある、ただ、会議が終った途端、マルギットがフォレスに貼り付いたが
「折角会ったのじゃ、ウチにも泊まっていってくれ~」
「ダメ、時間無い」
「チッ‥」
「向こうの戦略から考えりゃ、直ぐ三弾が来るハズだ」
「じゃのう、しょうがない」
別れ際にフォレスはマルギットにイヤリングを渡した
「伝心のエンチャントアイテム、これで離れてても話せる」
「ふむ、これはまた珍しい、ありがたく頂戴しよう」
「だけど私事で使いまくるなよ?魔力が切れる」
一応、クギを刺した「ふむ、そりゃ残念‥」と、勿論伝心しまくるつもりだった
素早く会議も終り、三国首脳は其々の本国に戻るが、これら会議結果の行動の前にその「第三弾」が動く、ウィステリアからである
「先のウィステリア開戦の際牽制軍を出した西隣国、それから西地域から南東に三万の軍勢です、街道に陣建てを行い、こちらへの牽制です」
本国代理をしていたインファルに情報が入る
「二方向圧迫かぁ~」
「の、様です」
「どう思う?おじちゃん」
「はぁ‥同感ですが、聊か兵力は少ない、やはり削り策を意図したものでしょう、後発からテスネアが出てくる物と思います」
「西隣国は脅しでしょうね、そもそも西砦をぶち抜く程兵力無いし」
「ご尤もですが、無視は出来ませんな」
「ん~‥ロベルタ側と同じかなぁ~、とりあえず協議するわ、北西から来る敵の情報頂戴」
「了解しました、距離があるので時間はあるでしょう書にして転移陣から物質的に使者を出します」
「お願い」
これがグランセルナ本国に着くのが当日夜、これら情報を集約し、本国にフォレスが戻ったのに合わせて既に22時だったが本国会議と成った
「まったく‥他の準備をする暇もありゃしない‥」
「まぁ疲弊策はそういうもんだしね」
「で?」
ウィステリア方面、北西から進軍の「ヴァスタマーカ」
ユグラシア地方。元々西地域は西が全部海で土地面積自体は狭い
豊かであるが地域人口は多く、軍事型ではない、国も3国で縦に並ぶようにある、これら地域が先のゼントラム連合に加わっている
「ふむ、ユグラシア(潤う)か」
「地域名は単に西海、森多し、平地多し、草原多し、から来てるみたいね」
「自然豊か、潤い、てか」
「国ではあるんだけど、この進軍してきた「ヴァスタマーカ」の主導に全体が乗っかっている、て感じみたいね」
「唯一の王政国、だからな。しかし安直なネーミング国だな」
「どういう意味」
「多種言語の混じりだな「ユグラシア(潤う」「ヴァスタ(西」「マーカ(土地」
「確かに適当な名前ね、王家の性もアレだけど‥」
「どういう?」
「ロンディネス」
「燕か」
「国鳥らしいわよ」
「ほー」
「ただ、情報見る限り、単身で戦えそうなんだけどねぇ」
「ふむ」
「兵員単身、三万五千、王家一族全部武系伝統騎士国だし、反面回りが弱いけど」
「しかし、どうもこれも腑に落ちん攻めだよなぁ‥」
「それは?」
「別に、テスネアに便乗する必要も無いだろ、そもそも地域自体、温暖で温和だ」
「そうですね‥」
「これは詳しく調べないとわかんないけど多分圧迫じゃない?」
「ああ‥事大主義か」
「?」
「要はその時強い所にしっぽ振って自分らの被害を避ける、強敵と争わない姿勢て奴、寄らば大樹影の戦略版」
「つまり、テスネアが圧倒的に強国であるし向こうに付いた方が攻防やり易いと」
「そういう事だな、脅迫の類があるのかもな。が、これは案外楽ではある」
「そーね、ウィステリアへの攻めも中央からの要請でやってるかも知れないし戦を主導する気は無いんじゃない?」
「その可能性は大いにあるなぁ、ま、それは今はワカランので、とりあえずウィステリアへの派兵だな」
「リコとマギちゃんが一万、ウィステリア本軍二万近いし単身でもイケルわね」
「うむ、距離的な考えで云えばここはヘイルズの隣だ、ロドニから回そう」
「了解」
方針はあっさり決まりミルデに相談したが彼も同意する
ヘイルズ防衛軍が二万置いてある為、問題は無い
直ぐに直轄地ヘイルズに兵軍の用意と成った。これをリコ滞在軍やウィステリアの主将ウォートに預けてもどちらも指揮官として優秀なので問題も無いしウィステリア自体、軍師にグレゴールが居る。知、武のバランス面で問題も無い
が、問題はテスネアである「一応、エミリアも出しとくか‥」で、バルクスト滞在軍のエミリアを北回りから動かす
エミリアは手持ち軍二万で一旦ロドニへ、これを半数、派兵して空きに成っているヘイルズに一万、滞在予備兵に置いて自らは主軍として一万でウィステリアに向かう方針を見せた
「多重策」と成れば、当然中央から南下もあり、ロドニをあまり薄く出来ない、という彼女個人の考えからである「それも尤もではあるな」とフォレスも許可をだした
この間にもフォレスはやる事が多い、特に連合全国どこから攻めて来るかも掴めない為、各地準備が多い、とりあえず今は西だな。と、これも直ぐ指示を出した
「本国の斥候隊から相手、ヴァスタの追調査を」
「はっ、どの程度に?」
「何でも、この際本国グランセルナは必要最小限でいい、アノミアにも一応連絡、だが、全方位は無理が行く伝達だけでいい」
「はっ、直ちに」
これら命令を本国にある「裏」のメンツに伝えフォレスは翌朝には先の三国会談の方針からこっちも指示した
「という訳で、ピスノーラ、北街道に防衛施設を作る」
「はっ、指揮官は?」
「んー‥とりあえず、屯田兵四千と、後方支援千だけ先に向こうの本国へ、ここは特別将はいらんだろうが、一応建築管理に中級指揮官を当ててくれ」
「多くありませんか?」
「向こうの東川に橋も掛ける」
「!‥結構な大工事に成りますな‥」
「うむ、あると無いとじゃ大違いではあるし、向こうも望んでいる」
「わ、わかりました」
そこでとりあえずの命だけ出し、先行して動かした、問題は先の人事である
「んー‥どうすっかなぁ‥建築、滞在防衛援護‥人事がムズイ」
指示した通り、かなりの大きな事業である、これの統制管理と同時、向こうへの滞在防衛軍も必須だ、状況によってはピスノラ側の職人も統制が居るし人員を増やす事もありえる
これに実際「致せ」と言ってカンツォーネを援護に回すと良い気はしないだろうという部分もあるし正統な軍人だ、が、適任者は居る
「一応聞いてみるか」で、私室で伝心
「と言う訳なんだけど?」
「ふむ、別に構わんぞ、本国も代理統治者が居るし任せて問題ないアタシが直接防衛で留まる意味もないしな」
「おっ、有り難い、一応事務方や補佐も回す」
「おう」
受けたのはカルディアである。軍を動かして良し、戦って良し、統制して良し、と全ての能力を揃えているのは彼女くらいだろう、まして相手の女王が変態だ
マルギットと渡り合えるか、受け入れられる度量とか気にしない大らかさが要る、これに「致せ」でロンドギアからカンツォーネを出すとまず間違いなく喧嘩になるだろう
カルディアが受けたのに合わせてこちら側からも人材の派遣である。これにはピスノーラに留まっているローラと周囲、物資の移動力と調達力が高く、彼女も頭が良い、学士でもある、クォーレらを派遣して任せた
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現代社会とダンジョンの共生~華の無いダンジョン生活
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世界中に色々な歪みを引き起こした第二次世界大戦。
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そのダンジョンからモンスターと戦い、資源を持ち帰る者を探索者と呼ばれ、当時は一攫千金を目論む卑しい職業と呼ばれていたが、現代では国と国民のお腹とサイフを支える立派な職業に昇華した。
探索者は極稀にダンジョン内で発見されるスキルオーブから特殊な能力を得る者が居たが、基本的には身一つの状態でダンジョン探索をするのが普通だ。
そんなダンジョンの探索や、たまにご飯、たまに揉め事などの、華の無いダンジョン探索者のお話しです。
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一話短めです。
さればこそ無敵のルーメン
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数年前に突如現れた魔物は人々の生活に害を与えていた。
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クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
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加藤あいは高校2年生。
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いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
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本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
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剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
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これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
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なるべく読みやすいようには致しますが。
・この物語には短編の1が存在します。出来れば其方を読んで頂き、作風が大丈夫でしたら此方へ来ていただければ幸いです。
勿論、此方だけでも読むに当たっての不都合は御座いません。
・所々挿し絵画像が入ります。
大丈夫でしたらそのままお進みください。
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