えぇー 俺が魔族しかも王族て???

腐りんご

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38‥拒絶

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☆☆☆


マナトside



 俺は人族王宮3日目の生活を送っていた。部屋からも出れずただひたすら向かえを待つのみだ。話し相手と言えば俺の世話ががり謙護衛の魔導師のお姉さん二人だけだがナンか怖がられてるミタイだし‥
 

 暇だ!

 
 コンコン コンコン


 誰かがきた。

 魔導師のお姉さんがドアを開けるとクラシュ皇子がニコニコしながら入ってきた。その後ろからはメイドさんたちがカートを押しゾロゾロ入ってきた。
 何事かと思ってジーと見ていると美人のお姉さんたちも俺が気になるのかチラチラ見ていたがカート三台を中に並べると急ぐように出ていった。俺は怪訝な顔でみていた。


「何事ですか?」

「マナト殿はお菓子がお好きでしたでしょう。色々お持ちしました」

 
「お菓子…………」


「君たち手伝ってくれ」

 クラッシュ皇子は魔導師のお姉さん二人にカートの中からお茶やお菓子とを出させるとテーブルの上に並べていった。

「王宮の料理長が作ったものです。どうぞ食べてください」

 ニコニコしながらクラッシュ皇子は俺のとなりに座りケーキの皿を差し出した。

「ありがとう」

 受け取った皿を見つめた。
 クラッシュ皇子はナンのつもりだろう?
 俺がお客さんなので親切にしてくれているのか?
 それとも……

「マナト殿はどうされました?甘いものがお好きではなかったですか」  

「クラッシュ殿は食べないのですか」   

  クラッシュ皇子は皿にケーキを取るとパックと食べた。

「甘い!毒も薬も入ってませんよ」

「……疑った訳では…」

「疑って当然です。私は貴方に大変失礼な行為をしたのですから‥それなのに許して下さり感謝の言葉もありませんマナト殿!」

 にっこり笑いながらケーキをバクバク食べるクラッシュ皇子につられ一口食べた。

「あっおいしい」

 コッテリとした味だ。魔国のものより甘さがある。

「美味しいでしょう」

「朝食お口に合いませんでしたか?少ししかお食べにならなかったと聞きましたが?」

「えーと食べましたよ」

 朝からあんな物凄い量食べれません。パンの大盛にスープにサラダにスーテキ特大って朝から食えません。

「サラダは食べましたけどその‥不味いとか不味くないとかじゃなくて量が多すぎです」

「料理長が口に合わなかったのかとガックリしてましたので気になりまして…」

「料理長に謝っておいてください。グーリドならペロリと食べれるんだけど今いないしなぁー」

 んっクラッシュの目の色が変わった気が?

「マナト殿は彼とは仲が良いのですね。羨ましい」


「うん。ごちそうさまでした」

 俺は皿を置いた。

 
「散歩しませんか?」

  突然言われ驚いた。

「いいんですか?俺がうろつくと迷惑でしょ!」

「大丈夫ですよ!人払いしときましたからサァー」

 俺の手を取ると立ち上がった。以外に力が強く一気に引き寄せられた。一緒に並ぶとクラッシュとの身長差がかなりある。


「さぁー庭園と城内を案内します」

  グイと腕を組まれた。抵抗虚しくそのまま外にでた。

 わぁー

 ここの植物見慣れないものが多いな?

 俺はキョロキョロしていた。

「マナト殿は早く国に帰りたいですか?」

「帰りたいです」

「私はもう少し滞在してほしいです。もっと一緒にいたい。貴方を神殿の前で見つけたとき正直嬉しくて神様が私の願いを叶えてくれたのかと思いました」

「・・・願い ?」

「ええ。神殿への祈りの時に『もう一度会って話をさせてほしい』と神に祈りました」

 俺はニコニコしているクラッシュを見上げた。俺に会いたい?
 
「城内をお見せします。行きましょう」

 グイグイ引っ張られながら案内されていった。
 ふん~本当に誰もいない。
 魔力の高い人としか交流出来ないなんて詰まんないな。たしか?人族の三割ぐらいだったよな魔力持ちって少ないなぁ。

 「マナト殿、ここから町が一望できます」

  俺の目の前には異世界の町の風景が広がっていた。わぁー!中々の絶景この城高台に建ってるんだ。

 俺は景色に魅入っていた。

「気に入って貰えましたか?」

「いい眺めですね!」

「魔国はどちら側ですか?」

「あちらです」

 俺はクラッシュの指差した方角を見つめた。

 魔国に帰りたい。

 そして会いたい!


「グーリド……」






「マナト殿。そろそろ戻りましょう」


「うん」

 俺はクラッシュに手を引かれたまま歩いていた。

 庭園まで戻りベンチに座った。
 クラッシュは俺の横に座ると俺の手を握り抱き寄せてきた。

「なっ」


「マナト殿」


 俺を見つめるクラッシュの目がだんだんヤバイものに変わっていった。

「マナト殿に会うまでは黒髪黒目がこんなにも美しいとは思いもしませんでした」

 クラッシュが俺の髪を触りながらうっとりとしている。
 そのまま俺の頬に手を宛て食い入るように見つめてきた。

「貴方と離れたくない…まさか自分が男である貴方に一目惚れするなんて思ってもいませんでした」

 いきなり抱き締められた。

「お願いです。私の恋人になってください」

 まずい。
 前回のことを思い出して咄嗟に強化魔法を発動し、身構えたらクラッシュが悲しそうな顔をした。

「マナト殿…もしかして身体強化ですか?」

 手を振りほどき一気にその場を離れた。

「落ち着いてください。私は魔導師たちに監視されていますので決してマナト殿には失礼なことはしません。どうか魔力を抑えてください」

  前にも聞いたぞ似たようなセリフって二度と失敗しません!

  俺は魔法を解かなかった。



「「向かえが来るまで部屋にいます」」



 俺は自分から部屋に戻った。俺の後ろから魔導師のお姉さん二人が着いてきた。
 冗談じゃない。
 もう二度とグーリド以外に触られたくない。
 向かえが来るまで何十日も掛かるわけじゃない。
 もう二三日の辛抱だ。
 俺は部屋に籠城する覚悟を決めた。
 イライラが溜まっていたのか俺の気持ちに反応して魔力がバチバチ音をたて空気を揺らした。
 自分の手を見ると手が光っていた。


「「ひっーーーーー」」

 
 声のしたほうに振り替えると魔導師のお姉さん二人が部屋の隅で抱き合い震えている。
 俺が一歩近付くと首を横に降りながら二人が座り込んだ。
 
 そんなに怖がらなくても……
 
 俺は二人から距離を取り頭を下げた。

「ごめんなさい」


 魔力の放出が収まっても俺は落ち込んでいた。自分が人族にあんなに恐がられるなんて………

 ここは居心地が悪すぎる。

 早く帰りたい……
 




「グーリド・・・寂しいよー」

 


 
 






 
 









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#お読み頂きありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
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