46 / 49
45‥魔族は美しい……
しおりを挟む☆☆☆
人族騎士side
騎士団長は最後に飛竜から降り立った黑騎士を見て青ざめた。
「魔王……」
あの鎧は魔王愛用ではなかったか!
本人か?
自ら迎えに来たのか?
では隣に立つのは?第二魔王ギールか……
第一魔王と対の鎧を身に纏い金の紋様が胸のプレートに刻まれた鎧姿で魔王に寄り添っている。
兜を外すと肩まである黒髪が見えた。ゆっくりと周りを見渡し第一魔王に何か囁いている。俺はゴクリと唾を飲み込んでいた。美しい……
黒髪に金の瞳…人族には産まれない黒髪が美しかった。隣に立つ第一魔王の顔も確かめたかったが兜を外すことはなかった。
魔王が二人も我国に来るとは…頭痛がしてきたが泣き言を言っている場合ではない二人を謁見の間に案内した。魔族の者が二人付いてきた、一人は先程挨拶したゼロスとか言う魔族と燃えるような赤い髪の男だがこちらも目を奪われるような美形だ。
四人からは恐ろしいほどの魔力をビンビンに感じる!我が国の魔導師たちとは比べ物に成らん。特に魔王二人からは別格な魔力を感じるこれは何だ!
謁見の間では国王陛下と第一皇子クロウ様、第二皇子クロリ様がすでに待機しておられた。
第一皇子クロウ様は昨夜視察先より帰郷され深夜まで国王陛下と今日の魔族訪問の件について話し合いをされ今日の訪問に並々ならぬ意気込み見せられておられた。が、しかし、第三皇子クラシュ様の魔族の皇子に対する暴行未遂により非常にまずい状況になってしまっている。
魔族の皇子を魔国に帰して魔族に魔王に恩を売り貸しを作る予定だったのに今から謝罪し許しを乞わねばならない。俺は憂鬱な気持ちで国王陛下が口を開くのを待っていた。
魔王が兜を外した。
ぉぉおおおーーーーー
全員が魔王に見とれた。
可憐だ!美しい………
魔王が聞き取れない言葉を呟くと纏っていた鎧が淡く輝き欠き消えた。消えたのだ。何をしたのだ?こんな魔法見たことがないぞ!魔族の者たちは気にもしておらんようだが!
魔族以外は目を離すことがなく食い入るように見つめていた。馴染みの無い黒髪と黒い瞳そして何より魔王は美しかった。男とは思えぬほどに華奢な作りのからだに白い肌…美しい…魔族は美しい。
うむう・・・・・
国王陛下に魔王は顔を向けるとフワと微笑んだ。
可愛い。
何だ!この生き物は!
こんな可愛いなんて本当に魔王か?
第二魔王ギールが魔王の腰に手をやり引き寄せると目元に唇を寄せギロリと周りを睨んだ。全員がハット魔王から目をそらした。睨まれた瞬間ゾクリと冷たいものが背中を走り身体から血の気が引いていった。
第二魔王魔王ギールが第一魔王を溺愛していると噂には聞いていたが・・・
魔王が口を開いた。
「初めて御目にかかります。私が魔国第一魔王次郎です。息子を保護していただきありがとうございました」
声も可愛い。こうナンと言うか男にしては高めの声だが嫌な感じはしない、耳に心地いい。
国王陛下と挨拶を済ませた魔王たちは客室に向かった。皇子の二人が挨拶をする魔王を見つめたままト~ロンとした目になっていた皇子たちよ大丈夫か!というか部屋にいた全員が頬を染めていた。
魔王恐るべし!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「こちらが客室です!」
俺は部下と共にく客室の扉を開け魔族たちを中に入れた。
扉を閉めた瞬間だった国王陛下が魔王たちに向い突然地面に両膝を曲げ膝を付き頭をさげ両手を床に付いた。
どうされたのだ陛下は?
魔王たちが眉間にシワを寄せ美しい顔を歪めた。
後で知ったのだが魔王家伝統の最高礼の謝罪のポーズなのだそうだがこのとき俺は陛下が乱心されたかと思った。このポーズが効いたのか魔王たちは人族側からの謝罪を受け入れてくれた。若干の取り決めがなされたが?
1‥第二皇子クラシュは魔国内への入国を禁しする。
2‥第二皇子クラシュに監察官を付け行動を制限する。
3‥今後、魔王家第一皇子マナトに接触させない。
フーー
これぐらいで済んで内心安心した。高額な賠償請求でもされるかと思っていたが息子の今後の安全のことが大事なようだった。どうやら魔王は子煩悩なようだ。
魔国第一皇子が飲まされた媚薬の効き目を消すためには誰かと性交渉が必要だが……魔王は赤い髪の男にナニか耳打ちした。耳打ちされた男は魔王の息子が眠る部屋にきえていった。
※よろしくお願いします。
0
あなたにおすすめの小説
運悪く放課後に屯してる不良たちと一緒に転移に巻き込まれた俺、到底馴染めそうにないのでソロで無双する事に決めました。~なのに何故かついて来る…
こまの ととと
BL
『申し訳ございませんが、皆様には今からこちらへと来て頂きます。強制となってしまった事、改めて非礼申し上げます』
ある日、教室中に響いた声だ。
……この言い方には語弊があった。
正確には、頭の中に響いた声だ。何故なら、耳から聞こえて来た感覚は無く、直接頭を揺らされたという感覚に襲われたからだ。
テレパシーというものが実際にあったなら、確かにこういうものなのかも知れない。
問題はいくつかあるが、最大の問題は……俺はただその教室近くの廊下を歩いていただけという事だ。
*当作品はカクヨム様でも掲載しております。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
ざこてん〜初期雑魚モンスターに転生した俺は、勇者にテイムしてもらう〜
キノア9g
BL
「俺の血を啜るとは……それほど俺を愛しているのか?」
(いえ、ただの生存戦略です!!)
【元社畜の雑魚モンスター(うさぎ)】×【勘違い独占欲勇者】
生き残るために媚びを売ったら、最強の勇者に溺愛されました。
ブラック企業で過労死した俺が転生したのは、RPGの最弱モンスター『ダーク・ラビット(黒うさぎ)』だった。
のんびり草を食んでいたある日、目の前に現れたのはゲーム最強の勇者・アレクセイ。
「経験値」として狩られる!と焦った俺は、生き残るために咄嗟の機転で彼と『従魔契約』を結ぶことに成功する。
「殺さないでくれ!」という一心で、傷口を舐めて契約しただけなのに……。
「魔物の分際で、俺にこれほど情熱的な求愛をするとは」
なぜか勇者様、俺のことを「自分に惚れ込んでいる健気な相棒」だと盛大に勘違い!?
勘違いされたまま、勇者の膝の上で可愛がられる日々。
捨てられないために必死で「有能なペット」を演じていたら、勇者の魔力を受けすぎて、なんと人間の姿に進化してしまい――!?
「もう使い魔の枠には収まらない。俺のすべてはお前のものだ」
ま、待ってください勇者様、愛が重すぎます!
元社畜の生存本能が生んだ、すれ違いと溺愛の異世界BLファンタジー!
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する幼少中高大院までの一貫校だ。しかし学校の規模に見合わず生徒数は一学年300人程の少人数の学院で、他とは少し違う校風の学院でもある。
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件
碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。
状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。
「これ…俺、なのか?」
何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。
《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》
────────────
~お知らせ~
※第3話を少し修正しました。
※第5話を少し修正しました。
※第6話を少し修正しました。
※第11話を少し修正しました。
※第19話を少し修正しました。
※第22話を少し修正しました。
※第24話を少し修正しました。
※第25話を少し修正しました。
※第26話を少し修正しました。
※第31話を少し修正しました。
※第32話を少し修正しました。
────────────
※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!!
※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。
たとえば、俺が幸せになってもいいのなら
夜月るな
BL
全てを1人で抱え込む高校生の少年が、誰かに頼り甘えることを覚えていくまでの物語―――
父を目の前で亡くし、母に突き放され、たった一人寄り添ってくれた兄もいなくなっていまった。
弟を守り、罪悪感も自責の念もたった1人で抱える新谷 律の心が、少しずつほぐれていく。
助けてほしいと言葉にする権利すらないと笑う少年が、救われるまでのお話。
寂しいを分け与えた
こじらせた処女
BL
いつものように家に帰ったら、母さんが居なかった。最初は何か厄介ごとに巻き込まれたのかと思ったが、部屋が荒れた形跡もないからそうではないらしい。米も、味噌も、指輪も着物も全部が綺麗になくなっていて、代わりに手紙が置いてあった。
昔の恋人が帰ってきた、だからその人の故郷に行く、と。いくらガキの俺でも分かる。俺は捨てられたってことだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる