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4-3.王子、暴走する
しおりを挟むざわつく外からしばらくして宰相が戻って来た。
王子と何やらコソコソ話をしていたかと思ったら王子がオレの方を見て笑った。
何なんだよ、その笑顔は?
外のざわつきが気になるし、帰れないことにイライラする。まあ、帰ってもあのクソ女がいるから帰れないが・・・はあ~・・何でオレここまで来たんだろう?拒否だってできたはずなのにな・・
「王子、オレはいつになったら帰れるんだ?」
「えっ・・あ――っと、うん・・まだです。それにみんな待ってますから」
「はっ?待ってるって、誰が?」
この国にオレを待っている奴何ていないはずだ。王子の言っている意味がわからずますます苛立つ。
「王子、いい加減にしてくれないか。さっきのサインは一体何なんだったんだ?」
「あ、あれは・・その」
そこにしどろもどろになっている王子を助けるかのように宰相が割って入る
「殿下、ご用意が整いました」
「そうか、ご苦労だった。」
「はっ!アルト殿もご一緒にどうぞ・・」
「えっ?」
「行きましょう。みんなが待っています」
「えっ?誰が?」
「だからみんなですよ」
王子に手を引かれ、バルコニーへと連れ出されるとそこで待っていたのは――――・・・
「うわあああああああああああ―――――――っ!!!!」
「きゃあああああ―――――――っ!!」
「王子ぃいいいいいい―――――!」
「おめでとうおおおお――――――っ!」
この国の民の歓声だった―――・・・
「な、なにこれ?」
バルコニーから見渡す限り、人人人・・と大勢の人たちがオレたちを見て歓声をあげているのだ。
「一体何の騒ぎだ?」
「みんなアルト様が魔王を倒したことに喜んでいるんですよ」
「ええ――っ!」
驚くオレの隣で王子は顔を赤くしながら嬉しそうに微笑む。
「まあ、それだけじゃないですけど・・」
「・・・・へ、へえ~?」
こんな話は聞いていないし、できれば魔王のことは知られたくなかったな。面倒くさいし・・・
「アルト様、万歳っ!」
「勇者さま、万歳っ!」
色とりどりの花びらが風魔法で宙を舞う。人々の歓声がとどまるところを知らず、オレは戸惑うだけだ。
勇者って誰だ?まさか、オレじゃないよな?
「アルト様、私はあなたを愛しています・・」
「・・・・・・はあっ?」
突然、何を言い出すんだ?
びっくりして王子を見ると、女ならコロッと騙されるような色気のある笑顔を向けられてドキッとした。
腰を抱き寄せられ、顎をクイ持ちあげられる。
「ちょっ・・・う、うむっ・・んん」
そのまま唇を奪われた。
きゃああああああ――――――っ!!!
歓声の中に悲鳴が混じって聞こえるのを冷静に受け止めながら、抵抗するが若い奴の力には敵わないのか腰にある手がびくともしない。
「むぅ・・う、ううん・・んん――っ」
ちょっと待て!何でこうなる?何でキスなんかしてんだよ?
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