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国の行く末5
しおりを挟む王女との関係を責められて表情が固まるレイルにアリアの美しい顔にも眉間がよる。
元々、アランが望んだ結婚ではないだけにレイルの裏切りともいえる行動に腹が立つ。
「答えられなのは何か、疚しいことがあるってことかしら・」
「うっ!そ、それはないっ!」
必死に答えるレイルにアリアは本心から言っているようで少しホッとする。だが、ならなぜこんな結果になっているのか、是非とも納得のできる説明をしてほしいものだと思った。
「レイル、あなたは私に説明する義務があるはずだわ」
「そ、それは・・」
眉間にしわをよせて、黙り込むレイルにアリアは我慢できす、机をたたいた。
パン―――っ!
頑丈な机なのだが、小さなヒビが入った。
「いい加減にしなさいっ!あなたは王妃を裏切って王女の手を取ろうとしたんでしょうっ?」
「違うっ!それはないっ!!」
「だったらなぜ、アランはいないのよっ!あなたがしたことが原因でしょううがっ!!」
「―――・・」
「いいよく聞きなさいっ!アランが戻ったらあなたとは離縁させるわ」
「な、そんなことはさせないっ!」
「あなたがそんなことを言うのっ?」
「これはオレとアランの問題だ!口を出すなっ!」
「はあっ?・・・今なんて言ったのかしら?」
自分勝手なレイルの頭に来たアリアはレイルの襟元をグイっと掴み締め上げる。
「口を出すな?どの口がそんなこと言ってるのかしら?」
「グっぇ!・・」
「アランはね、私のかわいい弟なの。大事な大事な弟を王命だから嫁がせたのよっ!あなたが強く押し切ったからアランも仕方なくあなたのプロポーズを受け入れたのよっ!それなのに――それなのに、何なのよこれはっ!」
ぶわっと沸き上がったのはアリアの怒りだけでなく殺気も入り混じって膨れ上がる。
「グっ――あ、アリアっ。離せ・・」
「許せないっ!あんな出来損ないの女にっ」
怒りと憎しみが渦巻き書類の紙が巻き上げり宙に舞う。
「あなたは国王として優秀でも夫としては失格よっ!今すぐ、アランを探して連れ戻しなさい。でないと、私はあなたを一生許さないわっ!」
「わ、わかってる。それは・・・やっている・・だが、見つからない・・んだ」
「国境はっ?」
「通達は・・してあるが、見つかった・・という連絡は、ない・・」
「チっッ!」
探しても見つからないという答えにアリアは舌打ちしてレイルから手を離す。
「ハア~もぉおお――っ!探しても無駄よ。たぶん国境を超えているわよっ!」
「えっ、まさか?」
「乗合馬車という手もあるけど、アランのことだわ通りがかった馬車に乗せてもらったに違いないわよ」
「そんな・・」
「こうなったら、アランが自分で戻ってくるまで待つしかないわね・・」
若しくは、連絡を待つか。それしか手は残されていないことにアリアは苛立ちを隠せなかった。
アラン、帰ってきたらレイルと一緒にお仕置きよっ!
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