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側室クリスの闇3
しおりを挟む「それは、あり得ませんよ・・」
クリスが不敵な笑みを浮かべているとどこからともなく声がした。
その人物は中二階の階段からクリスを見下すように視線を向けていた。
銀色の髪に青い瞳、口元の小さなホクロが色気を誘い、最高級の青い生地に白いレースを所々施した上着。そして細い腰から下は白いズボンと銀色のブーツ。
指には王妃の印である大きな青い宝石の指輪が光り輝いていた。
「・・イアン」
余裕のあるその笑みにクリスは益々憎しみを抱く。
「母上・・もうお加減がよろしいのですか?」
「ええ、大丈夫です。心配をかけましたね」
にっこりとほほ笑む笑顔に貴族たちも見惚れる。
「ところで陛下、これは何の騒ぎなのですか?」
冷静に見えるが明らかに怒っているイアンに国王もタジタジだ。
「・・・実は厄介のことが起きてのう・・」
順を追って話を聞いていたイアンはクリスに怒りをぶつける。
「クリス、貴様っ!私の物に手をだしたのかっ」
イアンはクリスが側室に収まっていることに不満があった。
クリスもイアンも公爵の令息のため身分は同等。でも王妃と側室では身分も権力もイアンが上。なのに何かとつけては絡んでくる彼が目障りだった。
―――そして、絶えない黒い噂。
王族であるからにはそれにふさわしい行いをしなければいけないというのに・・・。
「何のことですか?」
「しらばっくれるでないっ!」
「ハハハ・・これはおかしなことを言う・・」
「何っ!」
「証拠は?・・証拠はあるのですか?」
「証拠、だと・・?ダグラスが認めているではないか!」
「‥フフフ・だからそれが怪しいと言っているのです」
「はあ・・?」
首謀者が認めているというのに、こんな態度のクリスに腹が立つのを通り越して怪しさを抱き始めた。
これは、おかしい。
何か別の企てがあるのではないのか―――と・・
我が子に『王太子ではないと伝えなかった。』
それに、ダグラスの暴走を苦にもしていない。それどころか逆手にとって利用している。
しかも、余裕のこの態度・・
何か企んでいると疑われても仕方がない。
一方、話が平行線で進まないことにカインはイライラしていた。
証拠を出せだなんて、ダグラスが白状しているのだから十分だというのに。
未だに気絶しているダグラスにカインは我慢できなくなり彼の服を掴みクリスから見える位置へと引きずり出し放り投げた。
無抵抗で床に投げ出されたことで、体を強く打ち付けダグラスが痛みからか声が漏れた。
「グッ・・ガハッ・・・・」
「カイン?」
誰も予想しなかったことに国王も驚いて声をあげた。
それに気づいたクリスが声を荒上げる。
「カインっ!貴様ぁ!」
ダグラスがここに居たことにやっと気づいたクリスだが、雑に扱われていることに腹を立てカインに掴みかかろうとした。
だが、あっけなく逆に手首を取られる。
「――っ!離せっ!」
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