オレが受けなんてありえねえ!

相沢京

文字の大きさ
90 / 225

14.誘拐

しおりを挟む






ガラスの割れる音や物が倒れる音が部屋に響く。

こんな大きな音をたてて侵入するなんて素人か?

恐らくだが、プロならこんなマネはしないだろう。


―――バキ、バキバキっ!


割れたガラスを踏んで家の中へ中へと入って来る。

侵入者はやはり五人。

全身黒い服に身を包み覆面までしている。

ここの人間ではないと思うが一体どうやって・・?

幸村家のセキュリティ対策は万全だった、はず・・

それを破って侵入したというならこの嵐に紛れたに違いない。

まさか、手引きした奴がいるとか?


それにオレたちがここにいることは一部の人間しか知らないはず・・

二階には和也がいる。


さて、どうしたものか・・


おっと、一人がこっちに来る。

まだ、オレには気づいていないな

後からそっと忍び寄り寝室から持ち出した警棒で後頭部を殴り、気を失ったところをロープで縛り上げた。


よし、これで一人―――・・


そっと覗くとまだ玄関の辺りに三人がうろうろしている。

突破するのはまだ無理だ。

でも、オレがここにいると和也が逃げられない。


一人が二人から離れた。


巡って来たチャンスは見逃さない。

後から肩を叩いて振り向いた瞬間に腹に拳を入れる。


これで、二人目―――・・



ガタン―――!



男が倒れた拍子にイスが倒れて残りの奴らに気づかれた。

殴りかかって来る一人に回し蹴りをくらわす。


三人目―――・・


四人目が木刀を振り回してきた。

おい、それどこにあったんだ?

逃げながら、正面で受け止めねじ伏せて木刀を奪い取る。

バランスを崩して前かがみになったところで後頭部に手刀を入れるとそのまま床に落ちた。


「ふう~・・・」


これで、全部か?

もう一人いたと思ったけど・・・見回しても人影はない。

あれ、気のせいだった、か?

おかしいと思いながらものびている連中をロープで縛る。

寝室から警棒とロープを持ち出したのは正解だったな。

最後の奴を縛りながら周りを見回すと顔が引きつった。


「あちゃーこれは酷いな・・」


足元にはガラスの破片だらけで物が散乱していた。

その中に何か光る物を見つけた。


「何だこれ・・?」


それが気になって拾おうとした屈んだ時


バチバチバチ―――っ!!


背中に突き刺すような痺れが全身を襲う


「ガハッ―――っ!」


そのまま床に倒れこんで痙攣をおこす。

ピクピクと手足がしびれ指一本動かない

歪んだ視界に男の顔が入る。



クソッ!やっぱりもう一人いたのか!

こんなもの拾うまえに確認すべきだったと後悔しながらオレの意識が遠のいて行く。



油断、した・・和、也・・・に、げ・・ろ・・


ここでオレは完全に意識を手放した。






しおりを挟む
感想 66

あなたにおすすめの小説

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

チョコのように蕩ける露出狂と5歳児

ミクリ21
BL
露出狂と5歳児の話。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

お兄ちゃん大好きな弟の日常

ミクリ21
BL
僕の朝は早い。 お兄ちゃんを愛するために、早起きは絶対だ。 睡眠時間?ナニソレ美味しいの?

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

処理中です...