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眠る少女も恋をする
3.デートがしたい
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恋人になりはしたものの、エミリオとホーリーの日常に大きな変化が起こることはなかった。
手を繋いで帰る。ふとした瞬間に肩と肩が触れ合う距離にいる。時々、二人で出かける。
変わったことといえばその程度。日々の殆どは今まで通り、シオンやマリユスと遊び、学んで過ぎていく。四人で試験勉強に明け暮れた時など、ホーリーは己の彼氏とはいえど手加減抜きで勉強を教えていた。
「……デートに行きたい」
「どうした急に」
「あまり行ってないな、と思って」
四人はそれぞれ違うクラスになってしまったため、当番や行事の前準備担当などにあたり、揃って下校できない日もできるようになっていた。
この日はエミリオとマリユスがクラスに居残りをさせられており、シオンとホーリーは二人きりで帰路についていた。夕日が見える中、雑談をしつつ歩いている最中の言葉に、シオンは怪訝そうな顔をする。
恋人がいるのだ。デートくらい好きなだけ行けばいい。こんなところで、小さく零すような言葉ではないだろう。
「私は夜に出歩いたりできないから、お休みの日とかにいろんなとこに行きたいの」
中学二年にもなれば、ちらほらとカップルが出来上がり始める。
下校後にデートへ行く者も少なくはなく、夜景によってお金を使わずとも雰囲気を作ることのできる川沿いや公園などは中高生に人気のデートスポットだ。少し小遣いに余裕があれば、ライトアップされた遊園地まで赴くカップルも見ることができた。
だが、ホーリーがそこに参加することは難しい。
彼女にとって、夜間は寝る時間。それ以前は予習復習、それがなくとも、寝るための準備をしなければならない。日が暮れてから外へ出るなどできるはずもなく、平日の昼は学校で過ごしている。
デートに行くことができるのは放課後のわずかな時間と休日の昼間くらいのもの。
自身の体質上、致しかたのないことであるとはいえ、周囲を羨む気持ちがないといえば、大嘘になってしまう。
せめて、一日でも多くエミリオと出かけたい、と思うホーリーの淡い願いを誰が責めたてることができようか。
「どこかいい場所知らない?」
「彼氏いない暦と年齢がイコールで繋がる私に聞くとはいい度胸だ」
「シオンちゃんの場合、できない、じゃなくて、作らない、でしょ」
切れ長の目。静かな黒色の瞳。風に流れる艶やかな黒髪とすらりとした細身。少々小柄であるが、そこがまた良い。同校に通っている男子生徒達が惹かれない理由などなく、彼女は学校全体で一、二を争うモテっぷりだ。
常に冷静沈着であると見せかけ、時々とぼけた失敗をしてしまうギャップも人気の秘訣だろう。
しかしながら、彼女のお眼鏡に適う相手は今のところ存在しておらず、彼氏という栄誉を手に入れた者はいない。
「だとしても、だ。
デートなんてしたことがないんだ。良い場所なんて知っているはずがないだろ?」
「うーん。それもそう、かも」
行動時間に制限があるホーリーは、娯楽施設というものに詳しくない。学校に通い始め、友人達と様々な場所に行くようになり、ずいぶんとマシにはなったのだが、恋人といくに相応しい場所など検討もつかなかった。
情報を収集するにも、雑誌に載っているような場所はロマンチックさを求めてなのか、日中は学校があることを考慮しているのか、夜をメインに据えられたものばかり。ホーリーの需要には合わないものばかりであった。
「無難なのは遊園地やカラオケ、映画か?」
「その辺りは四人でも行くからあまり恋人って感じがしないんだよねぇ」
「あぁ、この間も皆でカラオケに行ったところだしな」
デートとは言っても、所詮は中学生。高級なレストランやバーに行けるはずもなく、友人達と遊びに行く場所と被ることも多い。一度行ったら飽きてしまうような場所ではないものの、恋人という特別な存在と行くのであれば、少しくらいは新しい刺激が欲しいものだ。
うーん、と小さくうなりながらホーリーは小石を蹴り上げた。
一人で悩むより二人で悩もうと考え、シオンに相談を持ちかけたのだが、なかなか良い案は浮かんでこない。
思い出すのは文化祭の日、二人で見た人工の星空。
作り出された空を見る施設も、望遠鏡を用いて実際の星を見るためのスポットもあるが、エミリオがそれらの場所に行って楽しめるかどうかは微妙なところだ。
あの日のきらきらした思い出をそのままにしておくためにも、星に関する施設や場所は避けたほうが無難だろう。
「――あ」
二人が別れる十字路の手前。シオンがポツリと零す。
「水族館」
「え?」
シオンの黒い瞳がホーリーへと向く。
水族館といえば、海洋生物の研究、育成のための施設であり、一般に公開されているような場ではない。コネの一つでもあれば、特別に見学させてくれることもあるだろうけれど、ホーリーもエミリオも、当然シオンもそのような人脈を持ち合わせてはいなかった。
きょとり、とホーリーは目を丸くし、シオンの言葉を待つ。
「来週の日曜から二週間、隣町の海沿いにある水族館が一般公開されるらしいんだ」
「へー! そうなんだ!」
初耳となる情報にホーリーは感嘆の声を上げる。
隣町の水族館といえば、去年の夏に四人で遊びに行った海の近くにある施設だ。あの辺りで最も大きな建物であり、行き帰りの際に数秒ほど目にしただけだというのに印象に残っていた。
「街角ニュースに載っていてな。
ちょっと待ってくれ……」
シオンは鞄から端末を取り出し、操作する。
日々のことに精一杯になりがちなホーリーと違い、余裕を持って生きている彼女は町の小さなニュースを暇つぶしに漁るのが趣味なのだ。
水族館の情報も、その中で手に入れたものなのだろう。
「これだ。ほら」
差し出された端末を覗くと、そこには確かに隣町にある大きな建物の写真が掲載されている。
「珍しい生物の展覧だけじゃなくて、エサやりやちょっとしたショーもするみたいだな」
「すっごーい! 楽しそう!」
文章を読み進めれば進むほど、ホーリーの瞳の中にある星がはじけ、輝きを周囲に飛ばす。好奇心を胸いっぱいに膨らませた彼女は勢いのままに書かれている全てを読み、顔を上げる。
「ここにする!」
「そうか。助けになれたようで良かった」
「ありがとう! シオンちゃん!」
ホーリーはシオンの胸へ飛び込む。
気づけば自分よりも背が高くなっていたホーリーをしっかり受け止め、シオンは満足げに喉で笑う。
「書かれている感じならエミリオも楽しめるだろう」
「うん! 見てるだけだったら嫌がったかもしれないけど、エサやりとか好きそうだもんね!」
座学よりも体を動かすことの方が好きな彼だ。迫力のあるショーや普段見慣れぬ生物へのエサやりにきっと興味を示し、我先にと最前列に陣取るに違いない。
その風景があまりにも簡単に想像できてしまい、ホーリーはくすくすと笑う。
「明日、エミリオ君誘ってみるね」
「何だ。メールでも立体通話でもすればいいじゃないか」
密着していた状態から離れ、ホーリーは恥ずかしそうに視線をそらす。
「やっぱり、こういうのは直接言いたいなーって。
映像越しじゃわからないことがきっとあると思うの」
「そういうものか」
「そういうもの!」
シオンにはわからない感覚だ。
ホーリーと友人になって一年と少し。こういったことは多くある。彼女にとって、この世界は自分が見ているものよりも、もっと複雑で色鮮やかなのだろう。そう思わなければ理解できぬ部分がたくさんあった。
個性という言葉に収めてしまうには、ホーリーの感性は突出しすぎている。様々なアイディア。ものや人を見た際の受け取り方。全てがシオン達とは違っていた。
違いがあるからといって、彼女を排す気にはなれないが、全てを理解し、受け止めてやることもできないのだろう。
それが少し寂しくて、だからこそ、手や目の届く範囲内は理解してやりたい。
「きっと上手くいく。
断られたら私にすぐに言うんだぞ」
「エミリオ君を引っ叩いてくれるから?」
「拳骨だ」
顔のあたりで拳を硬く握り締めてやれば、ホーリーは嬉しそうに目を細める。
「ありがとう。絶対言うね」
「任せておけ」
二人はハイタッチを交わし、それぞれの家路につく。
夕日はもうずいぶんと沈みこみ、周囲は夜に包まれつつあった。
手を繋いで帰る。ふとした瞬間に肩と肩が触れ合う距離にいる。時々、二人で出かける。
変わったことといえばその程度。日々の殆どは今まで通り、シオンやマリユスと遊び、学んで過ぎていく。四人で試験勉強に明け暮れた時など、ホーリーは己の彼氏とはいえど手加減抜きで勉強を教えていた。
「……デートに行きたい」
「どうした急に」
「あまり行ってないな、と思って」
四人はそれぞれ違うクラスになってしまったため、当番や行事の前準備担当などにあたり、揃って下校できない日もできるようになっていた。
この日はエミリオとマリユスがクラスに居残りをさせられており、シオンとホーリーは二人きりで帰路についていた。夕日が見える中、雑談をしつつ歩いている最中の言葉に、シオンは怪訝そうな顔をする。
恋人がいるのだ。デートくらい好きなだけ行けばいい。こんなところで、小さく零すような言葉ではないだろう。
「私は夜に出歩いたりできないから、お休みの日とかにいろんなとこに行きたいの」
中学二年にもなれば、ちらほらとカップルが出来上がり始める。
下校後にデートへ行く者も少なくはなく、夜景によってお金を使わずとも雰囲気を作ることのできる川沿いや公園などは中高生に人気のデートスポットだ。少し小遣いに余裕があれば、ライトアップされた遊園地まで赴くカップルも見ることができた。
だが、ホーリーがそこに参加することは難しい。
彼女にとって、夜間は寝る時間。それ以前は予習復習、それがなくとも、寝るための準備をしなければならない。日が暮れてから外へ出るなどできるはずもなく、平日の昼は学校で過ごしている。
デートに行くことができるのは放課後のわずかな時間と休日の昼間くらいのもの。
自身の体質上、致しかたのないことであるとはいえ、周囲を羨む気持ちがないといえば、大嘘になってしまう。
せめて、一日でも多くエミリオと出かけたい、と思うホーリーの淡い願いを誰が責めたてることができようか。
「どこかいい場所知らない?」
「彼氏いない暦と年齢がイコールで繋がる私に聞くとはいい度胸だ」
「シオンちゃんの場合、できない、じゃなくて、作らない、でしょ」
切れ長の目。静かな黒色の瞳。風に流れる艶やかな黒髪とすらりとした細身。少々小柄であるが、そこがまた良い。同校に通っている男子生徒達が惹かれない理由などなく、彼女は学校全体で一、二を争うモテっぷりだ。
常に冷静沈着であると見せかけ、時々とぼけた失敗をしてしまうギャップも人気の秘訣だろう。
しかしながら、彼女のお眼鏡に適う相手は今のところ存在しておらず、彼氏という栄誉を手に入れた者はいない。
「だとしても、だ。
デートなんてしたことがないんだ。良い場所なんて知っているはずがないだろ?」
「うーん。それもそう、かも」
行動時間に制限があるホーリーは、娯楽施設というものに詳しくない。学校に通い始め、友人達と様々な場所に行くようになり、ずいぶんとマシにはなったのだが、恋人といくに相応しい場所など検討もつかなかった。
情報を収集するにも、雑誌に載っているような場所はロマンチックさを求めてなのか、日中は学校があることを考慮しているのか、夜をメインに据えられたものばかり。ホーリーの需要には合わないものばかりであった。
「無難なのは遊園地やカラオケ、映画か?」
「その辺りは四人でも行くからあまり恋人って感じがしないんだよねぇ」
「あぁ、この間も皆でカラオケに行ったところだしな」
デートとは言っても、所詮は中学生。高級なレストランやバーに行けるはずもなく、友人達と遊びに行く場所と被ることも多い。一度行ったら飽きてしまうような場所ではないものの、恋人という特別な存在と行くのであれば、少しくらいは新しい刺激が欲しいものだ。
うーん、と小さくうなりながらホーリーは小石を蹴り上げた。
一人で悩むより二人で悩もうと考え、シオンに相談を持ちかけたのだが、なかなか良い案は浮かんでこない。
思い出すのは文化祭の日、二人で見た人工の星空。
作り出された空を見る施設も、望遠鏡を用いて実際の星を見るためのスポットもあるが、エミリオがそれらの場所に行って楽しめるかどうかは微妙なところだ。
あの日のきらきらした思い出をそのままにしておくためにも、星に関する施設や場所は避けたほうが無難だろう。
「――あ」
二人が別れる十字路の手前。シオンがポツリと零す。
「水族館」
「え?」
シオンの黒い瞳がホーリーへと向く。
水族館といえば、海洋生物の研究、育成のための施設であり、一般に公開されているような場ではない。コネの一つでもあれば、特別に見学させてくれることもあるだろうけれど、ホーリーもエミリオも、当然シオンもそのような人脈を持ち合わせてはいなかった。
きょとり、とホーリーは目を丸くし、シオンの言葉を待つ。
「来週の日曜から二週間、隣町の海沿いにある水族館が一般公開されるらしいんだ」
「へー! そうなんだ!」
初耳となる情報にホーリーは感嘆の声を上げる。
隣町の水族館といえば、去年の夏に四人で遊びに行った海の近くにある施設だ。あの辺りで最も大きな建物であり、行き帰りの際に数秒ほど目にしただけだというのに印象に残っていた。
「街角ニュースに載っていてな。
ちょっと待ってくれ……」
シオンは鞄から端末を取り出し、操作する。
日々のことに精一杯になりがちなホーリーと違い、余裕を持って生きている彼女は町の小さなニュースを暇つぶしに漁るのが趣味なのだ。
水族館の情報も、その中で手に入れたものなのだろう。
「これだ。ほら」
差し出された端末を覗くと、そこには確かに隣町にある大きな建物の写真が掲載されている。
「珍しい生物の展覧だけじゃなくて、エサやりやちょっとしたショーもするみたいだな」
「すっごーい! 楽しそう!」
文章を読み進めれば進むほど、ホーリーの瞳の中にある星がはじけ、輝きを周囲に飛ばす。好奇心を胸いっぱいに膨らませた彼女は勢いのままに書かれている全てを読み、顔を上げる。
「ここにする!」
「そうか。助けになれたようで良かった」
「ありがとう! シオンちゃん!」
ホーリーはシオンの胸へ飛び込む。
気づけば自分よりも背が高くなっていたホーリーをしっかり受け止め、シオンは満足げに喉で笑う。
「書かれている感じならエミリオも楽しめるだろう」
「うん! 見てるだけだったら嫌がったかもしれないけど、エサやりとか好きそうだもんね!」
座学よりも体を動かすことの方が好きな彼だ。迫力のあるショーや普段見慣れぬ生物へのエサやりにきっと興味を示し、我先にと最前列に陣取るに違いない。
その風景があまりにも簡単に想像できてしまい、ホーリーはくすくすと笑う。
「明日、エミリオ君誘ってみるね」
「何だ。メールでも立体通話でもすればいいじゃないか」
密着していた状態から離れ、ホーリーは恥ずかしそうに視線をそらす。
「やっぱり、こういうのは直接言いたいなーって。
映像越しじゃわからないことがきっとあると思うの」
「そういうものか」
「そういうもの!」
シオンにはわからない感覚だ。
ホーリーと友人になって一年と少し。こういったことは多くある。彼女にとって、この世界は自分が見ているものよりも、もっと複雑で色鮮やかなのだろう。そう思わなければ理解できぬ部分がたくさんあった。
個性という言葉に収めてしまうには、ホーリーの感性は突出しすぎている。様々なアイディア。ものや人を見た際の受け取り方。全てがシオン達とは違っていた。
違いがあるからといって、彼女を排す気にはなれないが、全てを理解し、受け止めてやることもできないのだろう。
それが少し寂しくて、だからこそ、手や目の届く範囲内は理解してやりたい。
「きっと上手くいく。
断られたら私にすぐに言うんだぞ」
「エミリオ君を引っ叩いてくれるから?」
「拳骨だ」
顔のあたりで拳を硬く握り締めてやれば、ホーリーは嬉しそうに目を細める。
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