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第4話
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僕は急いで立ち上がり、りさの手を強く引いて出口を目指した。流石に力では敵わないのだろう。りさはズルズルと引きずられている。
もう少しで工場内から出られるという時、僕は盛大に何かを蹴飛ばしてしまった。
「もう!急いでるのに!」
そうぼやきながら、ぶつかった右足を押さえつつ、蹴飛ばした物を確認してみる。
別にそのまま放ったらかしにしても良かったんだけど、無断で工場内に入ってしまっている手前、散らかしたままにするのは良くない気がしたからだ。
どうやら、僕はダンボールにぶつかったらしい。あたり一面、細々したものが散らばっている。それらを確認して、僕は後悔した。先程見つけた小石サイズの物とは違い、あたりに転がっている物はひと目見て"それ"だと理解できたからだ。
もう、どうしていいかわからなかった僕は、泣きそうになりながら、辺りに散らばったそれらをダンボールの中に戻す事にした。さっさと片付けて家に帰ろう。そして今日の事は全て忘れよう。それが1番だ。
散らばったものを、急いでダンボールに戻していた時、
「ママ、こんな所にいたの?」
少し、声を震わせながらりさが呟いた。
「私、良い子だから……ちゃんとママとの約束守ったよ……」
どうやら、僕のかき集めたものに向かって言ってるらしかった。
「あの時……何があったかわからなかったけど……ママが助けてくれたんだよね……?」
彼女は話し続け続ける。
「ママ、見て。学校の授業で作ったの」
そう言い、りさは首から金メダルを外して差し出す。
「ママのために作った金メダルだよ……私のために、たくさん仕事を頑張ってくれてたよね。いつも、おいしいご飯を作ってくれてありがとう。一緒に遊んでくれてありがとう。」
僕は思わずりさの手を強く握った。彼女の手は冷たく、少し震えていた。
「ずっとずっと……約束通り、ママが帰ってくるのを待ってたんだよ?だけど、ひとりぼっちは寂しくて……」
「だけど、またママに会えたから……もうひとりぼっちじゃないね……」
その時僕らを強く、だけど少し暖かい風が包み込んだ。
ーありがとうー
優しい女性の声が聞こえた気がした。僕は頬が暖かくなるのを感じていた。
僕とりさは、工場の門の所にいた。中身は全てダンボールに戻しておいた。本当は、警察に話したりした方が良いのだろうけど、なにもりさの目の前で警察を呼ぶ必要はないかな、と考えたのだ。
まあ、この時間に出歩いている事がバレたら、面倒な事になるから、と言うのも理由の1つだが……
「どうしてお兄ちゃんが泣いてるの?」
僕の方を見て、りさは可笑しそうに、ふふっと笑う。
「え!?別に泣いてないよ!?さっき風が吹いたときに、目にゴミが入っただけだから!」
僕は苦し紛れの嘘をつくが、りさはまたしても笑うだけだった。
深夜2時過ぎ。あれだけの出来事があったのに、まだ1時間しか経っていないと言う事がとても不思議だ。家までの帰り道はとても静かなものだった。横を見ると、りさは大人しく、ただ歩いている。その時僕はある事に気付いた。
「あれ?金メダルは?」
「ちゃんとママに渡したよ!」
彼女はにこにこ笑顔で答えた。
「そう……ママ、ちゃんと喜んでくれ
た?」
そう尋ねる僕に、彼女はとても自慢げだった。
「なんたって、私の手作りだからね!」
彼女はふふっと笑う。釣られて僕も笑ってしまった。
「あ!流れ星!」
りさが空を指差す。見上げると、2つの流れ星が空の彼方に消えていくところだった。
「キレイだね。」
僕は小さく呟く。
「うん!私、初めて見た!」
りさは少し興奮気味だった。
あぁ、夜空ってこんなにキレイだったんだな。ぼんやりとそんな事を考えながら、満点の星空を眺ていた僕らは、家に帰ろうと歩き出した。
もう少しで工場内から出られるという時、僕は盛大に何かを蹴飛ばしてしまった。
「もう!急いでるのに!」
そうぼやきながら、ぶつかった右足を押さえつつ、蹴飛ばした物を確認してみる。
別にそのまま放ったらかしにしても良かったんだけど、無断で工場内に入ってしまっている手前、散らかしたままにするのは良くない気がしたからだ。
どうやら、僕はダンボールにぶつかったらしい。あたり一面、細々したものが散らばっている。それらを確認して、僕は後悔した。先程見つけた小石サイズの物とは違い、あたりに転がっている物はひと目見て"それ"だと理解できたからだ。
もう、どうしていいかわからなかった僕は、泣きそうになりながら、辺りに散らばったそれらをダンボールの中に戻す事にした。さっさと片付けて家に帰ろう。そして今日の事は全て忘れよう。それが1番だ。
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「ママ、こんな所にいたの?」
少し、声を震わせながらりさが呟いた。
「私、良い子だから……ちゃんとママとの約束守ったよ……」
どうやら、僕のかき集めたものに向かって言ってるらしかった。
「あの時……何があったかわからなかったけど……ママが助けてくれたんだよね……?」
彼女は話し続け続ける。
「ママ、見て。学校の授業で作ったの」
そう言い、りさは首から金メダルを外して差し出す。
「ママのために作った金メダルだよ……私のために、たくさん仕事を頑張ってくれてたよね。いつも、おいしいご飯を作ってくれてありがとう。一緒に遊んでくれてありがとう。」
僕は思わずりさの手を強く握った。彼女の手は冷たく、少し震えていた。
「ずっとずっと……約束通り、ママが帰ってくるのを待ってたんだよ?だけど、ひとりぼっちは寂しくて……」
「だけど、またママに会えたから……もうひとりぼっちじゃないね……」
その時僕らを強く、だけど少し暖かい風が包み込んだ。
ーありがとうー
優しい女性の声が聞こえた気がした。僕は頬が暖かくなるのを感じていた。
僕とりさは、工場の門の所にいた。中身は全てダンボールに戻しておいた。本当は、警察に話したりした方が良いのだろうけど、なにもりさの目の前で警察を呼ぶ必要はないかな、と考えたのだ。
まあ、この時間に出歩いている事がバレたら、面倒な事になるから、と言うのも理由の1つだが……
「どうしてお兄ちゃんが泣いてるの?」
僕の方を見て、りさは可笑しそうに、ふふっと笑う。
「え!?別に泣いてないよ!?さっき風が吹いたときに、目にゴミが入っただけだから!」
僕は苦し紛れの嘘をつくが、りさはまたしても笑うだけだった。
深夜2時過ぎ。あれだけの出来事があったのに、まだ1時間しか経っていないと言う事がとても不思議だ。家までの帰り道はとても静かなものだった。横を見ると、りさは大人しく、ただ歩いている。その時僕はある事に気付いた。
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「そう……ママ、ちゃんと喜んでくれ
た?」
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「なんたって、私の手作りだからね!」
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「あ!流れ星!」
りさが空を指差す。見上げると、2つの流れ星が空の彼方に消えていくところだった。
「キレイだね。」
僕は小さく呟く。
「うん!私、初めて見た!」
りさは少し興奮気味だった。
あぁ、夜空ってこんなにキレイだったんだな。ぼんやりとそんな事を考えながら、満点の星空を眺ていた僕らは、家に帰ろうと歩き出した。
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