公爵令嬢の選択

つきほ。

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第2章 試練と成長

第22話 影の組織

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夜の帳が降りるころ、マリアンヌは静かな廊下を歩いていた。

ロイとカインは別行動で警備の配置を確認している。

彼女はひとりで考えを整理するために記録室へと向かっていた。

(秘密組織――本当にそんなものが存在しているの?)

シリウスの言葉が何度も頭をよぎる。




記録室に足を踏み入れると、そこには先客がいた。

「団長?」

エリック団長が古文書を広げ、難しい表情を浮かべていた。

「マリアンヌか。」

「ここで何を……?」

エリックは本を閉じ、深く息を吐いた。

「密封印について調べていた。」

「やはり団長も関係があると?」

エリックは厳しい表情で頷いた。

「この印は過去に王宮内で使われていたことは確かだ。そして――」

団長は声を潜める。

「この印を復活させた者がいるとしたら、王宮の内側にも協力者がいる可能性が高い。」




そのとき、記録室の外から足音が聞こえた。

「誰か来ます。」

マリアンヌは素早く棚の影に身を隠した。

扉が静かに開き、そこに姿を現したのは――シリウスだった。

「おや、団長もご一緒だったとは。」

「お前か。」

エリックは低く言ったが、シリウスは怯む様子もなく部屋に入る。

「密封印について調べているようだな。案外、話が早い。」

「何が目的だ?」

シリウスは微笑を浮かべながら言った。

「俺の目的は単純さ。真実を暴くこと。」

その言葉に、マリアンヌは剣の柄に手を添えた。

「本当にそれだけ?」

シリウスは軽く肩をすくめた。

「信じるかどうかはお前次第だ。」




シリウスは部屋を見渡した後、古文書に目を落とした。

「この密封印はかつて『影の組織』と呼ばれる集団が使っていた。」

「影の組織……。」

マリアンヌは息を呑む。

「彼らは表には姿を現さず、密輸や裏取引を操っていた。そして今も、彼らの一部はこの国の中で動いている。」

「証拠は?」

エリックが厳しい声で問いただすが、シリウスは静かに答える。

「証拠はお前たちがこれから掴むことになるさ。」

「……どういう意味?」

「これ以上は話せない。だが、俺が味方であるうちに動くことだな。」




シリウスは背を向けて歩き出した。

その姿を見送るマリアンヌの胸には、不安と疑念が深く根付いていくのを感じた。

(影の組織……本当にそんなものが動いているとしたら、誰が味方で誰が敵なの?)

問いに答えが出ないまま、マリアンヌは剣を握りしめた。




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