公爵令嬢の選択

つきほ。

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第2章 試練と成長

第23話 見えざる刃

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 夜の帳が降りた騎士団の廊下は、不気味なほど静まり返っていた。  

 マリアンヌはシリウスの言葉を反芻しながら、歩みを止めた。  

 「影の組織……。」  

 彼女の胸には、不安と決意が絡み合う。  



 そのとき、遠くから微かな物音が響いた。  

 「誰?」  

 マリアンヌは警戒を強め、廊下の角へと足を進めた。  

 そこにいたのは――ロイだった。  

 「ロイ?」  

 「お前こそ、こんな時間に何をしている?」  

 ロイは剣を抜いたまま辺りを見渡していた。  

 「いやな予感がするんだ。」  

 マリアンヌも剣を握り直した。  

 「何かあったの?」  

 「倉庫の鍵がまたなくなった。しかも、誰も持ち出した記録がない。」  



 二人は倉庫へ急いだ。  

 扉の前には鍵がかかっていたが、ロイはすぐに異変を察知した。  

 「鍵穴が壊されている……。」  

 マリアンヌは剣を抜いたまま、静かに扉を押し開けた。  

 中は散乱していた。  

 「誰かがここを荒らした?」  

 ロイが慎重に中を進むと、床に落ちていたものを拾い上げた。  

 「これ……血?」  

 布に染み付いた赤い跡が、冷たい光を受けて鈍く光った。  

  

 そのとき、倉庫の奥から何かが動いた。  

 「誰だ!」  

 ロイが声を上げた瞬間、暗闇から刃が飛び出した。  

 マリアンヌは咄嗟に剣を振り上げ、刃を弾く。  

 「逃がさない!」  

 犯人は素早く身を翻したが、ロイが入口を塞いだ。  

 「逃げ場はないぞ!」  

 マリアンヌが光を向けると、犯人は黒装束に身を包んでいた。  

 「影の組織……?」  

 犯人は言葉を発することなく、さらに刃を繰り出してきた。  

 

 マリアンヌは相手の動きを読み、隙を突いて剣を弾き飛ばした。  

 「降伏しなさい!」  

 だが、犯人は隠し持っていた短剣を自らの首に突き立てようとした。  

 「やめて!」  

 間一髪、ロイが短剣を叩き落とした。  

 犯人は気を失い、床に崩れ落ちた。  

 

 マリアンヌは倒れた犯人を見下ろしながら、剣を収めた。  

 (この者は何者なの?影の組織は本当に動いているの?)  

 答えの見えない疑問が胸を締めつける中、背後からひそやかな足音が近づいてきた――。  

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