公爵令嬢の選択

つきほ。

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第2章 試練と成長

第24話 沈黙の囚人

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 拘束された犯人は、騎士団の地下室に連れてこられた。

 ロイとカインが左右から監視する中、マリアンヌは剣を腰に差したまま犯人の正面に立った。

 「あなたは何者?」

 黒装束に身を包んだ男は、口元を隠した布を外すこともなく、ただ視線を落としている。

 「聞こえなかったの?何者なのか答えなさい。」

 しかし、犯人は頑なに口を閉ざしたままだった。




 ロイがいら立った声を上げる。

 「黙ってる場合じゃないぞ。何の目的で倉庫を荒らしたんだ?」

 男はうっすらと目を開いたが、再び視線を逸らした。

 「時間の無駄かもしれない。」

 カインが肩をすくめる。

 マリアンヌは深く息を吸い込み、静かに問いかけた。

 「倉庫にあった血の付いた布。あれはあなたのもの?それとも誰か他の者の血?」

 その言葉に、犯人の肩が一瞬震えた。

 マリアンヌはその反応を見逃さなかった。

 (やはり何か知っている。)




 そのとき、扉が開き、シリウスが入ってきた。

 「これは騒々しいな。」

 ロイが剣に手をかけながら言う。

 「お前、ここに何の用だ?」

 シリウスは軽く笑いながら近づく。

 「ちょっと手助けが必要そうだったからな。」

 彼は囚人の顔をじっと見つめた。

 「お前、この組織にどれくらいの忠誠心がある?」

 その問いに、男は一瞬だけ目を動かしたが、再び沈黙を貫いた。




 シリウスは懐から小さな金属の印章を取り出した。

 「これを知ってるか?」

 男の目が一瞬大きく見開かれた。

 「やっぱりな。この印章を持っているのは、組織の中でも限られた者だけだ。」

 「どうしてそれを……?」

 マリアンヌが驚いた声を上げると、シリウスは静かに答えた。

 「こいつの反応を引き出すためだよ。」

 男は唇を噛みしめながら、ついに低い声を絞り出した。

 「お前は……誰だ……?」




 シリウスはにやりと笑った。

 「それを知りたいのはお前だけじゃないさ。」

 その言葉が響く中、マリアンヌの胸にはさらなる疑念と不安が渦巻いていた。


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