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第2章 試練と成長
第25話 揺れる忠誠
しおりを挟む囚人の低い声が地下室に響いた。
「お前は……誰だ……?」
シリウスは微笑を浮かべながら、ゆっくりと囚人に歩み寄った。
「俺のことは気にするな。ただ、お前がどれだけその組織に忠誠を誓っているのかを知りたいだけだ。」
囚人は震える手で拳を握り締めたが、再び口を閉ざした。
ロイが苛立った声で問い詰める。
「おい、これ以上黙っているなら、こちらにも手段があるぞ。」
「ロイ、落ち着いて。」
マリアンヌが冷静な声で制止する。
彼女は剣を腰に差したまま、囚人の前に立った。
「影の組織は何を狙っているの?」
囚人は目を閉じ、深い沈黙を保ったままだったが、やがて低い声で呟いた。
「我々は……信念のために動いている。」
「信念?」
マリアンヌは眉をひそめた。
囚人は絞り出すように言葉を続ける。
「腐敗した王国を正すこと……それが、俺たちの使命だ。」
ロイが嘲笑を浮かべる。
「腐敗だと?お前らがやってることは裏取引や密輸じゃないか。」
「それは……目的を果たすための手段に過ぎない。」
囚人の声には微かな震えが混じっていた。
「誰が指示しているの?」
マリアンヌの問いに、囚人は再び沈黙を貫いた。
そのとき、シリウスが口を開いた。
「奴らの目的は明確だ。ただ、それが正義だと思っているのが笑えるな。」
「どういう意味?」
マリアンヌが問い返すと、シリウスは肩をすくめた。
「影の組織は確かに王国の腐敗を口実に動いている。だが、実際に利益を得ているのは、影で操る別の者たちだ。」
囚人の目が大きく見開かれた。
「それは……嘘だ。」
「本当にそう思うか?お前はその全貌を見たことがあるのか?」
シリウスの冷静な問いに、囚人は言葉を失った。
エリック団長が地下室に現れた。
「ここまでだ。」
その一言で場の空気が締まる。
「囚人は監禁しておけ。情報を引き出す手段は後で考える。」
マリアンヌは団長に歩み寄り、小声で尋ねた。
「団長、このまま放置して大丈夫でしょうか?」
「彼を使えるうちに使う。だが、焦るな。こういう者たちは感情の揺れが弱点だ。」
囚人が連れ去られる様子を見送る中、マリアンヌの胸には不安が渦巻いていた。
(影の組織の全貌とは?誰がこの国を操っているの?)
沈黙の中で湧き上がる疑問の答えを探すため、彼女は剣を握り直した。
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