公爵令嬢の選択

つきほ。

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第3章 陰謀と裏切り

第26話 深まる陰謀

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夜が明けても、騎士団の空気は冷たく張り詰めたままだった。

囚人から聞き出した「信念」という言葉が、マリアンヌの胸に刺さったまま抜けない。

(この国の腐敗……それが影の組織の動機だと言うの?)

頭を整理しようと訓練場に足を運んだマリアンヌだったが、そこには見慣れない光景が広がっていた。




ロイとカインが剣を交えている。

訓練とは思えないほど鋭い打ち合いに、周囲の騎士たちは距離を取っていた。

「もうやめろ!」

マリアンヌが声を上げると、ロイが息を切らしながら振り返った。

「こいつがまだ疑われてるのが許せないんだ!」

「だからって本気でやり合うことじゃないわ!」

カインは剣を納め、冷静を装うように言った。

「俺はただ、強くなりたいだけだ。」

その言葉に、マリアンヌは眉をひそめた。




そのとき、リナが慌てた様子で駆け込んできた。

「マリアンヌさん、ちょっと来てください!」

「どうしたの?」

リナは小声で言った。

「記録室で、団長が密封印の資料を調べていました。その中で、興味深いものを見つけたんです。」

マリアンヌはリナに導かれ、記録室へと向かった。




記録室では、団長エリックが机の上に古い地図を広げていた。

「団長、これは?」

「密封印に関連する取引場所の記録だ。かつて影の組織が使っていたとされる場所の一部が、この地図に記されている。」

地図にはいくつかの場所が赤い印で示されていた。

「この中の一箇所を調べることができれば、何か手掛かりが掴めるかもしれない。」

エリックの言葉に、マリアンヌは地図をじっと見つめた。

「ですが……この場所に行くのは危険では?」

「危険だ。しかし、この状況では動かなければならない。」

マリアンヌは決意を込めて頷いた。




 地図を持って部屋を出ようとしたとき、シリウスが現れた。

「何か面白いものでも見つけたか?」

「あなたには関係ないわ。」

マリアンヌが冷たく返すと、シリウスは軽く笑った。

「そう言うな。どうせ俺も巻き込まれるんだろう?」

「巻き込むつもりはない。」

「なら、忠告だけしておこう。この地図の場所には、単なる隠れ家以上のものがあるかもしれない。」

シリウスの目が鋭く光った。

「敵を追い詰めたいなら、覚悟を決めることだ。」




マリアンヌは地図を握りしめた。

(隠れ家以上のもの……それが何であれ、私は進むしかない。)

 彼女の背中に冷たい風が吹き抜ける中、遠くからシリウスの笑い声が聞こえた。


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