13 / 38
奇妙な夜会
しおりを挟む
卒業パーティーの三日前の今、ドゥリー伯爵家の夜会は伯爵家の一番大きいバンケットホールで行われている。
散財の甲斐がありましたね(にっこり)と嫌味の一つでも言いたくなるほど、エルノーラの装いは豪華絢爛だった。
父よ、老後は大丈夫なのだろうか。アンバー、心配になる。
エルノーラは元々が美少女で元傾国の美女だ。父の知り合いが連れてきた令息達の中心で、ちやほやされている姿は光り輝くように美しかった。
これにはアンバー逆立ちしても敵わない。あっさり白旗挙げて降参するしかない。
今日エルノーラをエスコートしているのは、オブリンだ。
パーティーの三日前にオブリンにエスコートを断られたアンバーだった。婚約者なのに。たぶん。
そして何故かアンバーはデイブにエスコートされている。親戚でもないデイブがエスコートっていいのだろうか?とも考えたが、この夜会の趣旨からしてよく分からないものだから、なんでも有りと決め込んだ。
しかしこの夜会の趣旨はなんなのかしら?
『祝!父の養女記念』とか『祝!父と娘になった記念』まさか『祝!父と養女という名の愛人になりました記念』ではないよね?とアンバーは首を傾げる。
シャロームとミミルに魅了の力の話をし、二人が魅了に侵されないのは、二人の故郷で取れる石にあるのではないかと最終的に結論をだした。アンバーはすっかり忘れてたけど、この二人は夫婦で仕事柄指輪は付けれないからと、お揃いの石の付いたネックレスをしてるらしく、それ以外は共通で日常的に身につけているものはなかった。それに二人の故郷がモルガン公爵領にあるのも石に着目した点でもある。代々の公爵は一年に一度、二人の故郷を訪れているとか。
それでも、えっそんなもので?アンバーこんなに苦労してるのに?、と半信半疑だったが、何もしないよりはとアンバーは急いでその石を取り寄せた。時間がないから加工はしていない。石のまま。
試しに父のポケットに石をこっそり入れてみたら確かに効果を感じた。
魅了の影響が完全には抜けてはいないが、以前よりはややマシな状態になった。 少なくとも三回に一回は意思疎通ができるくらいには。そのうち二回はエルノーラの言いなりだけど。
エルノーラに会いたいと言ったジエネッタとソコロもこの会場にいる。
ソコロなど、正式に王太子との婚約解消と同時に王太子の廃太子の発表がされ、世間の注目の的なのにどこ吹く風だ。
その堂々っぷりに公爵令嬢の底力をアンバーは見る。
公爵令嬢とはそういうもの。たぶん。
一応エルノーラの魅了の力を警戒して、三人には石を渡してある。見た目ただの石だけど。
しかしこの石、本当に石である。いや道端に落ちている石よりは随分と綺麗だが、とても装飾品としては使えない。流通していないのに納得だ。だけどミミルの故郷では魔除けとして、聖なる石として大切に扱われているのだとか。
うん。この石でアンバーもネックレスを作ろう。アンバー、ちょっと楽しみになる。
「アレがエルノーラ?傾国の美女……個人的にはソコロ様のが好みだわ」
ソコロ至上主義のジエネッタらしいお言葉。
「ジョイ嬢と雰囲気が似てますわ、一見儚げなところとか」
実は儚げとは対極にいるのにね。アンバーうっかりソコロの『一見』に反応する。
デイブの反応も気になったが、エルノーラにはいささかも興味がなさそうで、ウェルカムドリンクを手に立っている。
「お姉さまぁ~」
エルノーラは大声でアンバーを呼ぶと、小走りに駆け寄りアンバーの腕に絡み付いた。
エルノーラよ。以前は王太子妃だったのですよね?会場では大声ださないとか、走らないとか言われませんでしたか?アンバー、五歳のときの注意を思い出す。
ソコロもジエネッタもエルノーラの態度に眉を顰める。デイブは興味がなさそうだ。
不穏な空気なのに、エルノーラは気に留める様子もなく、ソコロ、ジエネッタ、デイブを見ると、アンバーに向き直る。
「お姉さまのお友達の方?エルは体が弱くて学園には通えないから羨ましいわ。紹介してくれますよね」
うるっとしたエルノーラの瞳がアンバーから離れデイブに向く。
……分かりやすい、分かりやすいぞエルノーラ。今、標準をデイブに定めましたね?ソコロもジエネッタも気付いているようですよ。アンバーは注意深くエルノーラを見守る。
「デイブ様と仰るのね。アンバーお姉さまの妹のエルノーラです」
するっとアンバーの腕から手を離すと、エルノーラはデイブの腕に絡みついた。
エルノーラよ、いきなりデイブ様呼びはどうかと。それにいきなり絡みつくのもどうなの?現にデイブ、目を白黒させて驚いている。エスコート役のオブリンはと会場を見渡せば、離れた所でエルノーラを見てイライラしてる。オブリンよ、お願いだからエルノーラを引き取ってくれたまえ。悲壮感漂う顔でアンバーはオブリンを見たが、オブリンはエルノーラが、更にデイブへベタベタするのを見て嫉妬に燃えアンバーには気付かない。
ソコロもジエネッタも、エルノーラの貴族令嬢らしからぬ、おかしな距離の行動に不快感を隠さず、場の雰囲気はどんどんと悪化していく。
「まぁ侯爵令息ですのね」
エルノーラは瞳を輝かせてデイブを見つめる。デイブの腕には胸がぐいぐいだ。
「まあ爵位は侯爵ですね」
冷めた目と冷めた声でエルノーラにそうデイブは答えると、スマートにエルノーラの腕を自分から離す。デイブのそのスマートさがエルノーラを拒否しているかのようで、アンバーはちょっと怖かった。
エルノーラは何故?と不思議そうな顔をしてデイブを見るが、デイブはもうエルノーラを気にする様子もなくドリンクに口をつけている。
ソコロとジエネッタは目が笑ってる。デイブの行動を拍手喝采していますと、目が物語っている。
こっこの空間、怖い。アンバー、一歩後退する。
その後もエルノーラはデイブに絡もうとしたが、スマートにデイブは拒否していて、ちょっと実物だった。
エルノーラは最後まで場の空気を読むことなく、この場を後にして父と合流。
父の挨拶が始まるようだ。父は何と言うのかアンバーは気になるところ。
「今日はお忙しい中、新しく娘になりましたエルノーラの為にお越しくださりありがとうございます」
父が一礼する。エルノーラもカーテシーを披露するが……あまり綺麗ではない。
「これから一緒に暮らしていきます娘でございますので、皆さまよろしくお願いいたします」
父からの挨拶は終わり、拍手が起きると、オブリンがエルノーラの隣に立った。
ちらっとオブリンの家族へ目を向けると、パーカー子爵の顔は固まっていた。
――ですよねー、エルノーラが幽霊ではなかったとしても……
アンバーはちょっと子爵に同情する。
オブリンとエルノーラは目と目を合わせて語り合うと、前を向いた。
「アンバー・ドゥリー伯爵令嬢、今日をもって婚約を破棄し、改めてエルノーラ・ドゥリー伯爵令嬢と婚約する。また結婚と同時にこのオブリン・パーカーがドゥリー伯爵を継ぐことをここに宣言する!」
突然、オブリンはそう叫び、宣言した。
ドヤ顔で。
エルノーラはオブリンに腰を抱かれ、勝ち誇った顔でアンバーを見ている。
会場はざわざわと大騒ぎだ。
当の本人のアンバーは、はて?この人達何言ってるのかしらと首を傾げる。
その口元は微笑みを浮かべていたが、アンバーのその目は冷酷なまでに冷え切っていて、まったく笑っていなかったのだった。
散財の甲斐がありましたね(にっこり)と嫌味の一つでも言いたくなるほど、エルノーラの装いは豪華絢爛だった。
父よ、老後は大丈夫なのだろうか。アンバー、心配になる。
エルノーラは元々が美少女で元傾国の美女だ。父の知り合いが連れてきた令息達の中心で、ちやほやされている姿は光り輝くように美しかった。
これにはアンバー逆立ちしても敵わない。あっさり白旗挙げて降参するしかない。
今日エルノーラをエスコートしているのは、オブリンだ。
パーティーの三日前にオブリンにエスコートを断られたアンバーだった。婚約者なのに。たぶん。
そして何故かアンバーはデイブにエスコートされている。親戚でもないデイブがエスコートっていいのだろうか?とも考えたが、この夜会の趣旨からしてよく分からないものだから、なんでも有りと決め込んだ。
しかしこの夜会の趣旨はなんなのかしら?
『祝!父の養女記念』とか『祝!父と娘になった記念』まさか『祝!父と養女という名の愛人になりました記念』ではないよね?とアンバーは首を傾げる。
シャロームとミミルに魅了の力の話をし、二人が魅了に侵されないのは、二人の故郷で取れる石にあるのではないかと最終的に結論をだした。アンバーはすっかり忘れてたけど、この二人は夫婦で仕事柄指輪は付けれないからと、お揃いの石の付いたネックレスをしてるらしく、それ以外は共通で日常的に身につけているものはなかった。それに二人の故郷がモルガン公爵領にあるのも石に着目した点でもある。代々の公爵は一年に一度、二人の故郷を訪れているとか。
それでも、えっそんなもので?アンバーこんなに苦労してるのに?、と半信半疑だったが、何もしないよりはとアンバーは急いでその石を取り寄せた。時間がないから加工はしていない。石のまま。
試しに父のポケットに石をこっそり入れてみたら確かに効果を感じた。
魅了の影響が完全には抜けてはいないが、以前よりはややマシな状態になった。 少なくとも三回に一回は意思疎通ができるくらいには。そのうち二回はエルノーラの言いなりだけど。
エルノーラに会いたいと言ったジエネッタとソコロもこの会場にいる。
ソコロなど、正式に王太子との婚約解消と同時に王太子の廃太子の発表がされ、世間の注目の的なのにどこ吹く風だ。
その堂々っぷりに公爵令嬢の底力をアンバーは見る。
公爵令嬢とはそういうもの。たぶん。
一応エルノーラの魅了の力を警戒して、三人には石を渡してある。見た目ただの石だけど。
しかしこの石、本当に石である。いや道端に落ちている石よりは随分と綺麗だが、とても装飾品としては使えない。流通していないのに納得だ。だけどミミルの故郷では魔除けとして、聖なる石として大切に扱われているのだとか。
うん。この石でアンバーもネックレスを作ろう。アンバー、ちょっと楽しみになる。
「アレがエルノーラ?傾国の美女……個人的にはソコロ様のが好みだわ」
ソコロ至上主義のジエネッタらしいお言葉。
「ジョイ嬢と雰囲気が似てますわ、一見儚げなところとか」
実は儚げとは対極にいるのにね。アンバーうっかりソコロの『一見』に反応する。
デイブの反応も気になったが、エルノーラにはいささかも興味がなさそうで、ウェルカムドリンクを手に立っている。
「お姉さまぁ~」
エルノーラは大声でアンバーを呼ぶと、小走りに駆け寄りアンバーの腕に絡み付いた。
エルノーラよ。以前は王太子妃だったのですよね?会場では大声ださないとか、走らないとか言われませんでしたか?アンバー、五歳のときの注意を思い出す。
ソコロもジエネッタもエルノーラの態度に眉を顰める。デイブは興味がなさそうだ。
不穏な空気なのに、エルノーラは気に留める様子もなく、ソコロ、ジエネッタ、デイブを見ると、アンバーに向き直る。
「お姉さまのお友達の方?エルは体が弱くて学園には通えないから羨ましいわ。紹介してくれますよね」
うるっとしたエルノーラの瞳がアンバーから離れデイブに向く。
……分かりやすい、分かりやすいぞエルノーラ。今、標準をデイブに定めましたね?ソコロもジエネッタも気付いているようですよ。アンバーは注意深くエルノーラを見守る。
「デイブ様と仰るのね。アンバーお姉さまの妹のエルノーラです」
するっとアンバーの腕から手を離すと、エルノーラはデイブの腕に絡みついた。
エルノーラよ、いきなりデイブ様呼びはどうかと。それにいきなり絡みつくのもどうなの?現にデイブ、目を白黒させて驚いている。エスコート役のオブリンはと会場を見渡せば、離れた所でエルノーラを見てイライラしてる。オブリンよ、お願いだからエルノーラを引き取ってくれたまえ。悲壮感漂う顔でアンバーはオブリンを見たが、オブリンはエルノーラが、更にデイブへベタベタするのを見て嫉妬に燃えアンバーには気付かない。
ソコロもジエネッタも、エルノーラの貴族令嬢らしからぬ、おかしな距離の行動に不快感を隠さず、場の雰囲気はどんどんと悪化していく。
「まぁ侯爵令息ですのね」
エルノーラは瞳を輝かせてデイブを見つめる。デイブの腕には胸がぐいぐいだ。
「まあ爵位は侯爵ですね」
冷めた目と冷めた声でエルノーラにそうデイブは答えると、スマートにエルノーラの腕を自分から離す。デイブのそのスマートさがエルノーラを拒否しているかのようで、アンバーはちょっと怖かった。
エルノーラは何故?と不思議そうな顔をしてデイブを見るが、デイブはもうエルノーラを気にする様子もなくドリンクに口をつけている。
ソコロとジエネッタは目が笑ってる。デイブの行動を拍手喝采していますと、目が物語っている。
こっこの空間、怖い。アンバー、一歩後退する。
その後もエルノーラはデイブに絡もうとしたが、スマートにデイブは拒否していて、ちょっと実物だった。
エルノーラは最後まで場の空気を読むことなく、この場を後にして父と合流。
父の挨拶が始まるようだ。父は何と言うのかアンバーは気になるところ。
「今日はお忙しい中、新しく娘になりましたエルノーラの為にお越しくださりありがとうございます」
父が一礼する。エルノーラもカーテシーを披露するが……あまり綺麗ではない。
「これから一緒に暮らしていきます娘でございますので、皆さまよろしくお願いいたします」
父からの挨拶は終わり、拍手が起きると、オブリンがエルノーラの隣に立った。
ちらっとオブリンの家族へ目を向けると、パーカー子爵の顔は固まっていた。
――ですよねー、エルノーラが幽霊ではなかったとしても……
アンバーはちょっと子爵に同情する。
オブリンとエルノーラは目と目を合わせて語り合うと、前を向いた。
「アンバー・ドゥリー伯爵令嬢、今日をもって婚約を破棄し、改めてエルノーラ・ドゥリー伯爵令嬢と婚約する。また結婚と同時にこのオブリン・パーカーがドゥリー伯爵を継ぐことをここに宣言する!」
突然、オブリンはそう叫び、宣言した。
ドヤ顔で。
エルノーラはオブリンに腰を抱かれ、勝ち誇った顔でアンバーを見ている。
会場はざわざわと大騒ぎだ。
当の本人のアンバーは、はて?この人達何言ってるのかしらと首を傾げる。
その口元は微笑みを浮かべていたが、アンバーのその目は冷酷なまでに冷え切っていて、まったく笑っていなかったのだった。
1
あなたにおすすめの小説
わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。
織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。
父であるアーヴェント大公に疎まれている――
噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。
「お前を愛することはない」と言われたお飾りの妻ですが、何か?
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することはない!」「そんな事を言うために女性の寝室に押し入ったのですか? もう寝るつもりで化粧を落として髪をほどいて寝着に着替えてるのに! 最っ低!」
仕事大好き女が「お飾りの妻最高!」と恋愛感情無しで結婚したらこうなるよね、というお話。
私の人生に、おかえりなさい。――都合のいい「お姉ちゃん」は、もうどこにもいません
しょくぱん
恋愛
「お姉ちゃんなんだから」
――それは私を縛る呪いの言葉だった。
家族の醜い穢れを一身に吸い込み、妹の美しさの「身代わり」として生きてきた私。
痛みで感覚を失った手も、鏡に映らない存在も、全ては家族のためだと信じていた。
そんな私、私じゃない!!
―― 私は、もう逃げない。 失われた人生を取り戻した今、偽りの愛に縋る彼らに、私は告げるだろう。
「私の人生に、おかえりなさい。」
学園では婚約者に冷遇されていますが、有能なので全く気になりません。〜学園でお山の大将されてても、王宮では私の方が有能ですから〜
織り子
恋愛
王都カラディナにある国立魔術学園では、満十六歳の生徒たちの社交界デビューを兼ねた盛大なパーティーが開かれていた。
侯爵令嬢タレイア・オルトランは、婚約者である第二王子アスラン・オグセリアの迎えを待つも、結局ひとりで会場へ向かうことになる。
学園では身分の差がないとはいえ、アスランが公然とタレイアを侮辱し続けてきたことで、彼女は生徒たちから冷笑と蔑視の的となっていた。しかしタレイアは、王城で政務を担ってきた聡明さと矜持を失わず、毅然と振る舞う。
婚約破棄して泥を投げつけた元婚約者が「無能」と笑う中、光り輝く幼なじみの王子に掠め取られました。
ムラサメ
恋愛
「お前のような無能、我が家には不要だ。今すぐ消えろ!」
婚約者・エドワードのために身を粉にして尽くしてきたフィオナは、卒業パーティーの夜、雨の中に放り出される。
泥にまみれ、絶望に沈む彼女の前に現れたのは、かつての幼なじみであり、今や国中から愛される「黄金の王子」シリルだった。
「やっと見つけた。……ねえ、フィオナ。あんなゴミに君を傷つけさせるなんて、僕の落ち度だね」
汚れを厭わずフィオナを抱き上げたシリルは、彼女を自分の屋敷へと連れ帰る。
「自分には価値がない」と思い込むフィオナを、シリルは異常なまでの執着と甘い言葉で、とろけるように溺愛し始めて――。
一方で、フィオナを捨てたエドワードは気づいていなかった。
自分の手柄だと思っていた仕事も、領地の繁栄も、すべてはフィオナの才能によるものだったということに。
ボロボロになっていく元婚約者。美しく着飾られ、シリルの腕の中で幸せに微笑むフィオナ。
「僕の星を捨てた報い、たっぷりと受けてもらうよ?」
圧倒的な光を放つ幼なじみによる、最高に華やかな逆転劇がいま始まる!
騎士団長を追放した平和ボケ王国は、七日で滅びました
藤原遊
ファンタジー
長らく戦のなかった王国で、
騎士団長の父を病で失った令嬢は、その座を引き継いだ。
だが王城に呼び出された彼女に告げられたのは、
騎士団の解体と婚約破棄。
理由はただ一つ――
「武力を持つ者は危険だから」。
平和ボケした王子は、
非力で可愛い令嬢を侍らせ、
彼女を“国の火種”として国外追放する。
しかし王国が攻められなかった本当の理由は、
騎士団長家が持つ“戦況を覆す力”への恐れだった。
追放された令嬢は、即座に隣国帝国へ迎えられ、
軍人として正当に評価され、安泰な地位を得る。
――そして一週間後。
守りを捨てた王国は、あっけなく陥落した。
これは、
「守る力」を理解しなかった国の末路と、
追放された騎士団長令嬢のその後の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる