21 / 38
おまけ もう一つのプロローグ
しおりを挟む
「どうしてこんなことに、なってしまったのかしら」
冷たい石畳に座って石の壁にもたれてエルノーラは呟いた。
視界に入るのは鉄格子、粗末なベッド、一応トイレもある。エルノーラの気にいるものなど、ここには一つもない。唯一ましなのは、エルノーラの身長より少し高い位置にある、小さな窓くらいか。
その窓にも鉄格子がついているが、それには目をつぶる。何故ならあの窓だけがエルノーラを慰めてくれるから、そんな小さなことで文句を言って、あの窓までもエルノーラは失いたくないから。
エルノーラは虚な目で窓の外に見える月を見上げる、その態度は酷く怠惰に見えた。
「こんなはずじゃぁ。幸せになるはずだったのに……どこで間違えたのかしら」
エルノーラの美しかったハニーブロンドの髪がエルノーラの頬に触れる。今はぱさぱさだ。長がった髪も肩より上に切られてしまった。
その短い髪が子供の頃を思い出させる。
今は失われた魔法。エルノーラはその魔法を少しだけ使えた。眉唾かも知れないが、魔女の家系だと母はエルノーラに言った。そんな母から魅了の魔法を教えてもらう。内緒よ。絶対に内緒。知れたら命がないわ。魔力が少なすぎて魅了の魔法を使えなかった母がエルノーラに最後に言った言葉。
それからは簡単だった、街で出会った男爵の養女になった。
貴族のことなど何一つ知らなかったから、男爵が一番階級が低いのを知ったとき、エルノーラはちょっと後悔したけど、大した問題ではなかった。
学園で王太子に出会って籠絡するのも簡単だったし、側近達だって簡単だった。まるで遊戯をしているみたいに、エルノーラの一人勝ち。いつも常勝で負けなし。そんなの当たり前。婚約者を返してって、エルノーラが気まぐれに粉をかけた男の婚約者から言われたけど、知ったことではない。取られる方が悪い。
学園も卒業が近付いてきて、誰かを選ばないといけなかったから一番お金を持っていて、一番地位のある王太子を選んだ。もしかしたらエルノーラの破滅はここからだったのかも知れない。
でも王太子と結婚するのには大きな障害があった。婚約者のステイシー・モルガン公爵令嬢。
エルノーラのお願いは何でも聞いてくれる王太子。
『ドレスが欲しいの』
『宝石が欲しいわ』
『旅行に行きたいわ。貴方と甘い夜を過ごしたいの、ねっ』
なのに、婚約解消だけは頷いてくれなかった。
『ステイシーとの婚姻は国が決めたものだ。私の一存で婚約を解消にはできないんだよ』
エルノーラに夢中で溺れているのに、婚約者に冷たくして、も口をきかないで、も、頬を膨らませ口を尖らせれば『分かった』と困った顔でお願いを聞いてくれるのに、婚約の解消だけは聞いてくれない。
エルノーラは髪を掻きむしり、爪を噛む。爪の手入れをするようになってから、噛まないようにしてたのに。
ステイシー・モルガン。淑女の鏡と言われる人。美しく気品があって、常に周りに人がいる。エルノーラとは真逆の評価を与えられてる人。悔しい、憎い。エルノーラだって公爵家に生まれてれば、もっといい評価をもらえた。庶民で生まれたからから蔑まれるのよ。初めてエルノーラは嫉妬という感情を抱いた。
どうしても王太子の婚約者という座が欲しい。
それまでエルノーラは、男にドレスや装飾品を貢がせるのが楽しかった。だから簡単に欲しいと言葉にした、言った、囁いた。エルノーラには遊戯と同じ。ただの勝利品でしかない。貰ったらその瞬間に終了する遊戯。
初めて抱いた欲にエルノーラはその愛らしいと言われる赤い口からぺろりと赤い舌をだす。そのさまは肉食獣さながらだった。
小動物のようなだなんて、エルノーラを見ての勝手な想像で幻影なのに。ふふっとエルノーラは笑う。
「それから、うまく、やったわよ私」
卒業パーティーのときは高揚した。あの高揚感は今でも忘れられない。エルノーラよりも高貴な女ステイシーが、エルノーラの男たちに蔑視されているのは、エルノーラの自尊心を酷く満たした。人生最高の瞬間だった。まさか本当にこのときが最高の瞬間になるとはこのときは思いもしなかったけど。
残念だったのが、ステイシーが始終冷ややかな顔で澄ましていた事。
エルノーラはステイシーの取り乱し泣き叫び、王太子に縋る姿が見たかったのに。
国外追放をステイシーに王太子は言い渡したけど、エルノーラにはステイシーは邪魔な存在だった。
――国外へ出る前に始末しなくては
追っ手を差し向けたが、逃げられてしまった。まぁいい。ステイシーはもうこの国にはいないのだから。
ステイシーから勝ち取った王太子の婚約者の椅子は座り心地が良かった。だけど王太子妃教育とやらには、全くついていけずに三日でやめた。
すでに国王も籠絡させたので、どこからも文句はでなかった。
欲しいものを手に入れ、毎日の夜会、好きな者達と戯れて過ごす最高の日々。
それなのにエルノーラはちっとも満たされなかった。
ステイシーから王太子の婚約者の座を、勝ち取ったときの満足感や喜びには程遠い。
だからどんどんと欲が加速する、あれもこれもと、止まることなく次々と。あのステイシーを追いやったときに感じた充足感を求めて。
「そしたらこのザマよ」
エルノーラを追い落としたのが、モルガン公爵というのもエルノーラには笑えない話だ。
「娘の敵討ちのつもりだったのかしらね」
くすっとエルノーラは笑った。
四日前にこの牢獄の前まで王太子が来た。
『私は北の塔に生涯幽閉されることに決まった』
別にエルノーラはどうとも思わなかった。ああそう。お気の毒に。
『五日後には君は断頭台に上る』
これも、ああそう。エルノーラはそれだけしか感じなかった。
『私は何故君と会ってしまったのかな。どうしてあんなにも愛しいと思ってしまったのだろう。本当に愛していたのはステイシーだったのに』
ずっと俯いていたエルノーラは、王太子の言葉に頭を上げて王太子を見た。
王太子はエルノーラを一瞥すると踵を返して振り返ることなくその場をさった。
「明日が五日目」
エルノーラは歌うように言った。
――もしも私が本当に魔女だったら、肉体は滅びても魂はこの地に残るはず
不意にエルノーラはステイシーに会いたいと思った。
今の今までステイシーのことなど、これっぽっちも思い出さなかったのに。
――今考えると、私はステイシーに恋をしていたのかもね
エルノーラは愉快そうに微笑む。
愛されるばかりで、人を愛したことのないエルノーラには、恋するとか愛するとかの気持ちはよく分からない。
――でも……
あれは恋する気持だったのかもと、エルノーラは思う。
明日には命が消えるのに、会いたいと思うのがステイシーだなんてね。余りにおかしくて大笑いしてしまいそうだわ。エルノーラは口角を上げた。
ぼろぼろの容姿にぼろぼろの服、なのにその姿は堪らなく妖艶だった。
ステイシーにはせめて夢でもみて欲しいわね。
夢の内容なんてなくてもいい。ただ夢をみて欲しいわ。なんてね。
エルノーラはこの部屋で、唯一ましな小さな窓から覗く月を見上げたのだった。
冷たい石畳に座って石の壁にもたれてエルノーラは呟いた。
視界に入るのは鉄格子、粗末なベッド、一応トイレもある。エルノーラの気にいるものなど、ここには一つもない。唯一ましなのは、エルノーラの身長より少し高い位置にある、小さな窓くらいか。
その窓にも鉄格子がついているが、それには目をつぶる。何故ならあの窓だけがエルノーラを慰めてくれるから、そんな小さなことで文句を言って、あの窓までもエルノーラは失いたくないから。
エルノーラは虚な目で窓の外に見える月を見上げる、その態度は酷く怠惰に見えた。
「こんなはずじゃぁ。幸せになるはずだったのに……どこで間違えたのかしら」
エルノーラの美しかったハニーブロンドの髪がエルノーラの頬に触れる。今はぱさぱさだ。長がった髪も肩より上に切られてしまった。
その短い髪が子供の頃を思い出させる。
今は失われた魔法。エルノーラはその魔法を少しだけ使えた。眉唾かも知れないが、魔女の家系だと母はエルノーラに言った。そんな母から魅了の魔法を教えてもらう。内緒よ。絶対に内緒。知れたら命がないわ。魔力が少なすぎて魅了の魔法を使えなかった母がエルノーラに最後に言った言葉。
それからは簡単だった、街で出会った男爵の養女になった。
貴族のことなど何一つ知らなかったから、男爵が一番階級が低いのを知ったとき、エルノーラはちょっと後悔したけど、大した問題ではなかった。
学園で王太子に出会って籠絡するのも簡単だったし、側近達だって簡単だった。まるで遊戯をしているみたいに、エルノーラの一人勝ち。いつも常勝で負けなし。そんなの当たり前。婚約者を返してって、エルノーラが気まぐれに粉をかけた男の婚約者から言われたけど、知ったことではない。取られる方が悪い。
学園も卒業が近付いてきて、誰かを選ばないといけなかったから一番お金を持っていて、一番地位のある王太子を選んだ。もしかしたらエルノーラの破滅はここからだったのかも知れない。
でも王太子と結婚するのには大きな障害があった。婚約者のステイシー・モルガン公爵令嬢。
エルノーラのお願いは何でも聞いてくれる王太子。
『ドレスが欲しいの』
『宝石が欲しいわ』
『旅行に行きたいわ。貴方と甘い夜を過ごしたいの、ねっ』
なのに、婚約解消だけは頷いてくれなかった。
『ステイシーとの婚姻は国が決めたものだ。私の一存で婚約を解消にはできないんだよ』
エルノーラに夢中で溺れているのに、婚約者に冷たくして、も口をきかないで、も、頬を膨らませ口を尖らせれば『分かった』と困った顔でお願いを聞いてくれるのに、婚約の解消だけは聞いてくれない。
エルノーラは髪を掻きむしり、爪を噛む。爪の手入れをするようになってから、噛まないようにしてたのに。
ステイシー・モルガン。淑女の鏡と言われる人。美しく気品があって、常に周りに人がいる。エルノーラとは真逆の評価を与えられてる人。悔しい、憎い。エルノーラだって公爵家に生まれてれば、もっといい評価をもらえた。庶民で生まれたからから蔑まれるのよ。初めてエルノーラは嫉妬という感情を抱いた。
どうしても王太子の婚約者という座が欲しい。
それまでエルノーラは、男にドレスや装飾品を貢がせるのが楽しかった。だから簡単に欲しいと言葉にした、言った、囁いた。エルノーラには遊戯と同じ。ただの勝利品でしかない。貰ったらその瞬間に終了する遊戯。
初めて抱いた欲にエルノーラはその愛らしいと言われる赤い口からぺろりと赤い舌をだす。そのさまは肉食獣さながらだった。
小動物のようなだなんて、エルノーラを見ての勝手な想像で幻影なのに。ふふっとエルノーラは笑う。
「それから、うまく、やったわよ私」
卒業パーティーのときは高揚した。あの高揚感は今でも忘れられない。エルノーラよりも高貴な女ステイシーが、エルノーラの男たちに蔑視されているのは、エルノーラの自尊心を酷く満たした。人生最高の瞬間だった。まさか本当にこのときが最高の瞬間になるとはこのときは思いもしなかったけど。
残念だったのが、ステイシーが始終冷ややかな顔で澄ましていた事。
エルノーラはステイシーの取り乱し泣き叫び、王太子に縋る姿が見たかったのに。
国外追放をステイシーに王太子は言い渡したけど、エルノーラにはステイシーは邪魔な存在だった。
――国外へ出る前に始末しなくては
追っ手を差し向けたが、逃げられてしまった。まぁいい。ステイシーはもうこの国にはいないのだから。
ステイシーから勝ち取った王太子の婚約者の椅子は座り心地が良かった。だけど王太子妃教育とやらには、全くついていけずに三日でやめた。
すでに国王も籠絡させたので、どこからも文句はでなかった。
欲しいものを手に入れ、毎日の夜会、好きな者達と戯れて過ごす最高の日々。
それなのにエルノーラはちっとも満たされなかった。
ステイシーから王太子の婚約者の座を、勝ち取ったときの満足感や喜びには程遠い。
だからどんどんと欲が加速する、あれもこれもと、止まることなく次々と。あのステイシーを追いやったときに感じた充足感を求めて。
「そしたらこのザマよ」
エルノーラを追い落としたのが、モルガン公爵というのもエルノーラには笑えない話だ。
「娘の敵討ちのつもりだったのかしらね」
くすっとエルノーラは笑った。
四日前にこの牢獄の前まで王太子が来た。
『私は北の塔に生涯幽閉されることに決まった』
別にエルノーラはどうとも思わなかった。ああそう。お気の毒に。
『五日後には君は断頭台に上る』
これも、ああそう。エルノーラはそれだけしか感じなかった。
『私は何故君と会ってしまったのかな。どうしてあんなにも愛しいと思ってしまったのだろう。本当に愛していたのはステイシーだったのに』
ずっと俯いていたエルノーラは、王太子の言葉に頭を上げて王太子を見た。
王太子はエルノーラを一瞥すると踵を返して振り返ることなくその場をさった。
「明日が五日目」
エルノーラは歌うように言った。
――もしも私が本当に魔女だったら、肉体は滅びても魂はこの地に残るはず
不意にエルノーラはステイシーに会いたいと思った。
今の今までステイシーのことなど、これっぽっちも思い出さなかったのに。
――今考えると、私はステイシーに恋をしていたのかもね
エルノーラは愉快そうに微笑む。
愛されるばかりで、人を愛したことのないエルノーラには、恋するとか愛するとかの気持ちはよく分からない。
――でも……
あれは恋する気持だったのかもと、エルノーラは思う。
明日には命が消えるのに、会いたいと思うのがステイシーだなんてね。余りにおかしくて大笑いしてしまいそうだわ。エルノーラは口角を上げた。
ぼろぼろの容姿にぼろぼろの服、なのにその姿は堪らなく妖艶だった。
ステイシーにはせめて夢でもみて欲しいわね。
夢の内容なんてなくてもいい。ただ夢をみて欲しいわ。なんてね。
エルノーラはこの部屋で、唯一ましな小さな窓から覗く月を見上げたのだった。
2
あなたにおすすめの小説
わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。
織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。
父であるアーヴェント大公に疎まれている――
噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。
「お前を愛することはない」と言われたお飾りの妻ですが、何か?
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することはない!」「そんな事を言うために女性の寝室に押し入ったのですか? もう寝るつもりで化粧を落として髪をほどいて寝着に着替えてるのに! 最っ低!」
仕事大好き女が「お飾りの妻最高!」と恋愛感情無しで結婚したらこうなるよね、というお話。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
私の人生に、おかえりなさい。――都合のいい「お姉ちゃん」は、もうどこにもいません
しょくぱん
恋愛
「お姉ちゃんなんだから」
――それは私を縛る呪いの言葉だった。
家族の醜い穢れを一身に吸い込み、妹の美しさの「身代わり」として生きてきた私。
痛みで感覚を失った手も、鏡に映らない存在も、全ては家族のためだと信じていた。
そんな私、私じゃない!!
―― 私は、もう逃げない。 失われた人生を取り戻した今、偽りの愛に縋る彼らに、私は告げるだろう。
「私の人生に、おかえりなさい。」
学園では婚約者に冷遇されていますが、有能なので全く気になりません。〜学園でお山の大将されてても、王宮では私の方が有能ですから〜
織り子
恋愛
王都カラディナにある国立魔術学園では、満十六歳の生徒たちの社交界デビューを兼ねた盛大なパーティーが開かれていた。
侯爵令嬢タレイア・オルトランは、婚約者である第二王子アスラン・オグセリアの迎えを待つも、結局ひとりで会場へ向かうことになる。
学園では身分の差がないとはいえ、アスランが公然とタレイアを侮辱し続けてきたことで、彼女は生徒たちから冷笑と蔑視の的となっていた。しかしタレイアは、王城で政務を担ってきた聡明さと矜持を失わず、毅然と振る舞う。
騎士団長を追放した平和ボケ王国は、七日で滅びました
藤原遊
ファンタジー
長らく戦のなかった王国で、
騎士団長の父を病で失った令嬢は、その座を引き継いだ。
だが王城に呼び出された彼女に告げられたのは、
騎士団の解体と婚約破棄。
理由はただ一つ――
「武力を持つ者は危険だから」。
平和ボケした王子は、
非力で可愛い令嬢を侍らせ、
彼女を“国の火種”として国外追放する。
しかし王国が攻められなかった本当の理由は、
騎士団長家が持つ“戦況を覆す力”への恐れだった。
追放された令嬢は、即座に隣国帝国へ迎えられ、
軍人として正当に評価され、安泰な地位を得る。
――そして一週間後。
守りを捨てた王国は、あっけなく陥落した。
これは、
「守る力」を理解しなかった国の末路と、
追放された騎士団長令嬢のその後の物語。
婚約破棄して泥を投げつけた元婚約者が「無能」と笑う中、光り輝く幼なじみの王子に掠め取られました。
ムラサメ
恋愛
「お前のような無能、我が家には不要だ。今すぐ消えろ!」
婚約者・エドワードのために身を粉にして尽くしてきたフィオナは、卒業パーティーの夜、雨の中に放り出される。
泥にまみれ、絶望に沈む彼女の前に現れたのは、かつての幼なじみであり、今や国中から愛される「黄金の王子」シリルだった。
「やっと見つけた。……ねえ、フィオナ。あんなゴミに君を傷つけさせるなんて、僕の落ち度だね」
汚れを厭わずフィオナを抱き上げたシリルは、彼女を自分の屋敷へと連れ帰る。
「自分には価値がない」と思い込むフィオナを、シリルは異常なまでの執着と甘い言葉で、とろけるように溺愛し始めて――。
一方で、フィオナを捨てたエドワードは気づいていなかった。
自分の手柄だと思っていた仕事も、領地の繁栄も、すべてはフィオナの才能によるものだったということに。
ボロボロになっていく元婚約者。美しく着飾られ、シリルの腕の中で幸せに微笑むフィオナ。
「僕の星を捨てた報い、たっぷりと受けてもらうよ?」
圧倒的な光を放つ幼なじみによる、最高に華やかな逆転劇がいま始まる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる