最速レベルアップはダンジョン飯バフで!~ハズレスキル《料理強化》が実は経験値取得量増加のバフが可能な最強スキルでした!~

ある中管理職

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15話 噛み合う

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「ぐああぁぉあぁぁっ!」
「当たっ、た?」
「違うわ! こいつ、かなりたちが悪い……」
「ははっ! 流石にバレるか。それにしてもいい攻撃だ! 手がじんじんするってことは防御貫通効果のあるスキルってとこだろ? いいなぁ、その効果があるスキルって結構レアなんだよ」  

 決まったと思った一撃は、良く見れば荒井さんの服の端を突き破っただけ。
 しかもその角はがっしりとその脇に挟まれてミークは身動きがとれなくなってしまった。

 悲鳴なんか出して、今の連携でからかう余裕すらあるのかよ。

「つっよ……」
「当たり前だろ。これでもあの強者だけが所属できる、探索者協会ダンジョン見回り課課長だぞ、私は。最近はテレビに出ることも多くなって……さっきの女の子みたいとはいかなくても、こうして戦ってやってることを光栄に思えよ、新人」
「誰があなたなんか!」
「……。ずっと気になってたけど亜人とお前はどういう関係だ?召喚者と従者でも、ただのお友だちって感じでもないだろ」
「テイムした。まぁこんなに手も足も出ないんだ、それについての情報……それだけでもマウントはとらせてもらう」
「おや、案外負けず嫌いな性格か。でもそういう奴ほどからかうと面白いんだよな。ほら、攻撃しておいで。もう実力は分かったし、気晴らしを手伝ってやる。ドーンとこい、ドーンと。ってその体じゃ難しかったか?」

 ミークの角を掴んでいる方とは別の腕を伸ばして、無抵抗をアピールする荒井さん。

 俺は荒井さんを拘束している、と言うよりもたれ掛けさせてもらっている身体をなんとか自立させて距離をとった。

 そしてふらふらになりながらも容赦なくボディブロー、と見せかけてのリバーブロー。

 肝臓を狙い呼吸困難を引き起こす危険な一撃。
 それもどうせ無駄なんだろうな、と思いはしたけど、可能性がある限り試さずにはいられなかった。

「……」
「これでも効いてないのか」

 全身全霊の攻撃をぶつけても荒井さんの表情は案の定崩れることはなく、むしろ俺の拳の皮と肉が裂け出血。

 バフのお陰でこの程度で済んだけど、そもそもミークみたいな攻撃スキルがないとこっちが大ダメージってわけか――

「はぁ……はぁぁ」

 荒井さんの口から漏れた呼吸音。
 それは明らかに普通のそれじゃない。

「これもしかして……」
「――その手、その赤っ!凄い、力が漲る!今なら……その腕を退かしなさい、人間っ!」

 俺の怪我を見たのが原因か、急にテンションを上げたミークは頭を思い切り振り、その拘束から抜け出し――

「って、え?」
「くっ! まさか私が、こんな新人たちになんて……」

 荒井さんは腕を振り払われただけじゃなく、そのまま身体を宙に放られると円の外に足をついた。

「真空波の威力からしてここまで……私にダメージを負わせるほどの攻撃力なんてあるはずないのに……。急所だったのがいけなかったのか?いや、これは何か別のスキルか?」

 スキル……。攻撃力をあげるような……。
 あっ、もしかするとぼこぼこに殴られたことで逆上がいい感じに作用して……なんとなくとった火事場の馬鹿力も発動されていたのかもしれない。

 でも全てが噛み合ってようやくこれだけ、か……。

「ともあれまさか円の外に出されるなんて思っても見なかった。やるね、あんたたち。約束通り報酬は渡すけど……そこまでやれるならこの機会にもっと強くなりたいって思うのが普通だろ? 特別の特別に2人には3階層侵入にもっときつい条件をかけて特訓してやるよ! まずはそのTHE素人みたいな戦い方から変えてやるから覚悟しておけよ! いやぁ次の【波】は即戦力が2人もいるのかあ!楽しみだなあ!」
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