最速レベルアップはダンジョン飯バフで!~ハズレスキル《料理強化》が実は経験値取得量増加のバフが可能な最強スキルでした!~

ある中管理職

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24話 ダンジョン基礎パッシブスキル

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「ミークっ――」
「こいつの攻撃力は高くない! 仲間を気にするよりもお前は正面の攻撃に集中しろ!」
「でも……」
「実際【波】が起きた時、こんな状況は当たり前だ! いいから慣れろ! それに心配し過ぎるのはもう優しさじゃない! ただの見下しだ! 助けを求められるまでお前は自分のことだけ考えろ!」

 見下し、その言葉に胸が若干痛む。
 今までそんな風に考えたことはなかったし、良かれと思って俺も親父も母さんも葵に他の仕事を勧めていたけど……。
 冗談交じりに返してくれていた、『私じゃ駄目ですか?』とか『迷惑ですか?』とかああいった言葉はもっと重く受け止めてやらないといけなかったかもしれない。

「ぐああっ!!」
「おい! ぼうっとするな!」
「わ、分かってる!」

 俺はもうミークの心配をすることはせず、次々に襲ってくる足をさばいていくことだけに集中。

 すると、荒井さんの攻撃はどうあがいても受け流せなかったが、こいつ程度の攻撃なら何とか受け流せることができることに気づいた。
 足の先がほんの少し触れた瞬間、衝撃が襲うより前、攻撃の通過する方向と同じ角度で身体を翻し、そのまま軽く押し返す。

 足がぬめりを帯びていることで、それは余計にやりやすい。
このモンスター、特訓にはもってこい……というかそういうモンスターがいることを分かって荒井さんはこの階層を選んだ?

 というか、咄嗟の戦闘になったからそこに思考を割くことができなかったけど……こいつそういえば2階層の階層主だよな?

 じゃないといくらダメージを受けてる状態だからって俺たちのレベルでここまで苦戦を強いられるのはおかしい。
 それでもって階層主をこんな状態の新人探索者にぶつけてくる荒井さんはもっとおかしい。

「……。これはさっさと終わらせて文句言ってやらないと、なぁっ!!」
「そうだそうだ! そうやって受け流して進め! 相手の手数は多いが、スピードを意識して全てに対応しろ!」

 自ら腕を差し出して、それを餌に攻撃を受け流す。
 この作業がたまに間に合わなくなって後退させられるが、そうなればもっと早くその作業スピードを上げることを考える。

 本当は雑に攻撃を繰り出したいところだが、この足はすぐさま再生するから、多分本体を攻撃しないと倒すことはできないのだろう。

 となれば俺のように前進するか、再生が間に合わないくらい強力な一撃を放つ必要がある――

『ダンジョン基礎パッシブスキル:敏捷強化を取得しました。【基礎】の表記があるスキルはレベルの概念が存在します。また、これに関してはテイムモンスターと共有が可能です』

「身体が軽い……見えてる景色に身体が、追いつく!」
「そうだ! そうやって戦闘に一定の意識をもって取り組むとレベルアップしなくても『基礎パッシブ』が身につく! 私の教えてやった技術と速さ意識が今回は鍵になったってわけだ!」
「そんな情報出回ってないはず……。なんでこれを隠し……。いいや。今はそんなのどうでもいい。だってこれであっさり片がつけられそうだからな!……とった!」

 足をさばくのは既に容易。
 俺はあっという間にグラデビーパの懐に潜り込み、刃に変化した指を振り上げた。

 しかしその瞬間……。

『ダンジョン基礎パッシブスキル:溜めるを取得しました。これはテイムモンスターが取得したため共有されました――』
「貫通角(ブレイクホーン)!!!!!!」

 ずっと閉じ込められていたミークの声が高らかにダンジョン内に響き渡り、凄まじい勢いでグラデビーパの頭部にミークの角が刺さったのだった。
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