50 / 53
50話 初めての魔法
しおりを挟む
『武器生成:武器装飾品生成属性火。C-のモンスターの適用素材、必要数30、必要種類6……ホブゴブリンウォリアーの耳、ホブゴブリンウォリアーの牙、ホブゴブリンウォリアーの眼球、ホブゴブリンナイトの耳、ホブゴブリンナイトの牙、ホブゴブリンナイトの眼球。これを合計で30消費。自分の魔力を消費。装飾品から発生させる火属性魔法の元となる魔法を決定、最大拡張。……。拡張成功。ファイアボール【極】と同等の初級火属性魔法を装飾品に内包。これは武器種ごとに変化。威力をレベル100の魔法使用可能職業のステータス平均から算出。装備者のステータスは関与せず、武器登録に魔法威力補正がある場合は適用。……。……。……。……。……。武器装飾品生成完了。【初級火属性魔法結晶(極)】を装填させられる武器を用意してください』
朝比奈さんがスキルを発動させて数分。
ようやく完成した装飾品は赤く、ルビーのように煌めいていた。
これだけでもかなり高額で売却できるんじゃないかと思わせるようなその装飾品を持って朝比奈さんは自分の剣を抜く。
まずは自分の武器にそれを装填させようとしているようだ。
これでこの窮地から抜け出せる、そう思ったのだが、何か朝比奈さんの様子が……。
「陽一さん、私の武器は水属性に特化しているため、装填できないみたいで……陽一さん、一瞬失礼します!」
「え?」
朝比奈さんは俺の手ごと包丁の根本を掴んだ。
すると、俺たちの周りに赤い光が灯り、その光にホブゴブリンたちは一瞬たじろぐ。
そうして派手な装填が完了すると、包丁の刀身にスロットのようなものが3つ生まれ、その1つに作ったばかりの装飾品がはめ込まれていた。
武器からは若干の熱が。
今まで魔法とは無縁だった俺にもついに魔力の流れを感じ取った、ということなのだろうか?
「んっはぁはぁ……これで、完了です。早速、使ってみてください」
武器生成の時よりも遙かに体力を消耗するのか、朝比奈さんはもう立っていることもできないようで地面に座り込み、それでも武器の使用を促してきた。
もう口調は荒々しいものではないけど、その戦闘意欲は通常時でも欠くことはないようだ。
そんな朝比奈さんの思いを受け取り、武器のステータスを確認。
そこに追加されていた『初級火属性魔法(極み):【炎閃焼】』という魔法を発動するために包丁を地面に向かって振り下ろした。
すると……。
「地面が赤く光って……ミーク! 俺の後ろに! テイム効果があるからダメージは負わないだろうが、状態異常はあるかもしれない!」
「分かったわ!」
地面の上を光が走ると、まるで鉄板のように熱を帯び始めた。
そしてミークが俺の背後に移動を完了させるころには、その地面に立っていたホブゴブリンたちは熱さにもがき、しかし焼けた肉が脂を引いていないフライパンにくっついたときのように身動きが取れなくなっていた。
肉の焼ける匂いが辺りに立ち籠り、正面に見えるホブゴブリンたちのほとんどは料理強化の効果もあってあっという間に特殊料理に。
「この魔法と料理強化、併用すれば一瞬大宴会の準備も完了だな」
「これで残すはあと数匹。それと……あいつね」
「やれるか?」
「やるしかないでしょ」
咄嗟に危機を感じ、逃走を始めていたクイーンゴブリンと数匹のホブゴブリン。
ミークはそれを武器で指し示すと、表情を強張らせつつも全力で殺しに掛かる。
「き、ききゃっ!」
「ぎがああっ!」
「あ、あがうぁうあ!」
それに気づいたクイーンゴブリンはホブゴブリンを蹴り飛ばし、盾になるように促す。
そのホブゴブリンたちはまだ産んで左程時間の経っていない個体。
改めてクイーンゴブリンにとってこいつらは自分の子供ではなく駒である、ということを実感させられる光景。
「良かったわ。あなたがそうやって醜く、見てて気分を害するようなモンスターで。これなら少しだけど罪悪感は減るから」
「き、きゃ……」
ミークは右手に持つ槍でホブゴブリンたちの心臓を一突き。
その勢いを殺すことなく、躊躇する様子なく、そのままクイーンゴブリンまでも背中から突き殺すのだった。
朝比奈さんがスキルを発動させて数分。
ようやく完成した装飾品は赤く、ルビーのように煌めいていた。
これだけでもかなり高額で売却できるんじゃないかと思わせるようなその装飾品を持って朝比奈さんは自分の剣を抜く。
まずは自分の武器にそれを装填させようとしているようだ。
これでこの窮地から抜け出せる、そう思ったのだが、何か朝比奈さんの様子が……。
「陽一さん、私の武器は水属性に特化しているため、装填できないみたいで……陽一さん、一瞬失礼します!」
「え?」
朝比奈さんは俺の手ごと包丁の根本を掴んだ。
すると、俺たちの周りに赤い光が灯り、その光にホブゴブリンたちは一瞬たじろぐ。
そうして派手な装填が完了すると、包丁の刀身にスロットのようなものが3つ生まれ、その1つに作ったばかりの装飾品がはめ込まれていた。
武器からは若干の熱が。
今まで魔法とは無縁だった俺にもついに魔力の流れを感じ取った、ということなのだろうか?
「んっはぁはぁ……これで、完了です。早速、使ってみてください」
武器生成の時よりも遙かに体力を消耗するのか、朝比奈さんはもう立っていることもできないようで地面に座り込み、それでも武器の使用を促してきた。
もう口調は荒々しいものではないけど、その戦闘意欲は通常時でも欠くことはないようだ。
そんな朝比奈さんの思いを受け取り、武器のステータスを確認。
そこに追加されていた『初級火属性魔法(極み):【炎閃焼】』という魔法を発動するために包丁を地面に向かって振り下ろした。
すると……。
「地面が赤く光って……ミーク! 俺の後ろに! テイム効果があるからダメージは負わないだろうが、状態異常はあるかもしれない!」
「分かったわ!」
地面の上を光が走ると、まるで鉄板のように熱を帯び始めた。
そしてミークが俺の背後に移動を完了させるころには、その地面に立っていたホブゴブリンたちは熱さにもがき、しかし焼けた肉が脂を引いていないフライパンにくっついたときのように身動きが取れなくなっていた。
肉の焼ける匂いが辺りに立ち籠り、正面に見えるホブゴブリンたちのほとんどは料理強化の効果もあってあっという間に特殊料理に。
「この魔法と料理強化、併用すれば一瞬大宴会の準備も完了だな」
「これで残すはあと数匹。それと……あいつね」
「やれるか?」
「やるしかないでしょ」
咄嗟に危機を感じ、逃走を始めていたクイーンゴブリンと数匹のホブゴブリン。
ミークはそれを武器で指し示すと、表情を強張らせつつも全力で殺しに掛かる。
「き、ききゃっ!」
「ぎがああっ!」
「あ、あがうぁうあ!」
それに気づいたクイーンゴブリンはホブゴブリンを蹴り飛ばし、盾になるように促す。
そのホブゴブリンたちはまだ産んで左程時間の経っていない個体。
改めてクイーンゴブリンにとってこいつらは自分の子供ではなく駒である、ということを実感させられる光景。
「良かったわ。あなたがそうやって醜く、見てて気分を害するようなモンスターで。これなら少しだけど罪悪感は減るから」
「き、きゃ……」
ミークは右手に持つ槍でホブゴブリンたちの心臓を一突き。
その勢いを殺すことなく、躊躇する様子なく、そのままクイーンゴブリンまでも背中から突き殺すのだった。
1
あなたにおすすめの小説
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
収奪の探索者(エクスプローラー)~魔物から奪ったスキルは優秀でした~
エルリア
ファンタジー
HOTランキング1位ありがとうございます!
2000年代初頭。
突如として出現したダンジョンと魔物によって人類は未曾有の危機へと陥った。
しかし、新たに獲得したスキルによって人類はその危機を乗り越え、なんならダンジョンや魔物を新たな素材、エネルギー資源として使うようになる。
人類とダンジョンが共存して数十年。
元ブラック企業勤務の主人公が一発逆転を賭け夢のタワマン生活を目指して挑んだ探索者研修。
なんとか手に入れたものの最初は外れスキルだと思われていた収奪スキルが実はものすごく優秀だと気付いたその瞬間から、彼の華々しくも生々しい日常が始まった。
これは魔物のスキルを駆使して夢と欲望を満たしつつ、そのついでに前人未到のダンジョンを攻略するある男の物語である。
実家にガチャが来たそしてダンジョンが出来た ~スキルを沢山獲得してこの世界で最強になるようです~
仮実谷 望
ファンタジー
とあるサイトを眺めていると隠しリンクを踏んでしまう。主人公はそのサイトでガチャを廻してしまうとサイトからガチャが家に来た。突然の不可思議現象に戸惑うがすぐに納得する。そしてガチャから引いたダンジョンの芽がダンジョンになりダンジョンに入ることになる。
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
この世界にダンジョンが現れたようです ~チートな武器とスキルと魔法と従魔と仲間達と共に世界最強となる~
仮実谷 望
ファンタジー
主人公の増宮拓朗(ましみやたくろう)は20歳のニートである。
祖父母の家に居候している中、毎日の日課の自宅の蔵の確認を行う過程で謎の黒い穴を見つける。
試にその黒い穴に入ると謎の空間に到達する。
拓朗はその空間がダンジョンだと確信して興奮した。
さっそく蔵にある武器と防具で装備を整えてダンジョンに入ることになるのだが……
暫くするとこの世界には異変が起きていた。
謎の怪物が現れて人を襲っているなどの目撃例が出ているようだ。
謎の黒い穴に入った若者が行方不明になったなどの事例も出ている。
そのころ拓朗は知ってか知らずか着実にレベルを上げて世界最強の探索者になっていた。
その後モンスターが街に現れるようになったら、狐の仮面を被りモンスターを退治しないといけないと奮起する。
その過程で他にもダンジョンで女子高生と出会いダンジョンの攻略を進め成長していく。
様々な登場人物が織りなす群像劇です。
主人公以外の視点も書くのでそこをご了承ください。
その後、七星家の七星ナナナと虹咲家の虹咲ナナカとの出会いが拓朗を成長させるきっかけになる。
ユキトとの出会いの中、拓朗は成長する。
タクロウは立派なヒーローとして覚醒する。
その後どんな敵が来ようとも敵を押しのける。倒す。そんな無敵のヒーロー稲荷仮面が活躍するヒーロー路線物も描いていきたいです。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-
すずめさん
ファンタジー
ある日、友達に誘われ始めたMMORPG…[アルバスクロニクルオンライン]
何の変哲も無くゲームを始めたつもりがしかし!?…
たった一つのスキルのせい?…で起きる波乱万丈な冒険物語。
※本作品はPCで編集・改行がされて居る為、スマホ・タブレットにおける
縦読みでの読書は読み難い点が出て来ると思います…それでも良いと言う方は……
ゆっくりしていってね!!!
※ 現在書き直し慣行中!!!
ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった
仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。
そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる