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私、前世の記憶を思い出す
まさかの攻略キャラが2人も同じクラスでした。
しおりを挟む「美咲。」
「何でしょうか?」
「もう友達が出来たのか?」
「えぇ。有栖川千捺さんというんです。」
何?千捺が気になるの?
まぁ、可愛いもんね。わかるよ。
私が男の子だったら付き合いたいタイプだよ。
「そうか。俺は美咲があんなに興奮しているところを見ることが久しぶりだった。」
「そうですか?」
「...なぁ。俺といるのは楽しくないか?」
えぇ、なんですか。その問は。
イケメンが隣にいてとても目の保養になってますが?
そんな事ないと言おうとして、要の方を向くと、要は顔を歪ませて今にも泣きそうな顔をしていた。
なんでそんな顔をしてるの?
「ま、まさか。そんな事ないですわ。私は好きで要といるのですから。」
要が泣きそうな顔をしているから少し言葉が詰まってしまった。
言葉が詰まったのを誤魔化すために握ったままだった手に少し力を入れて微笑んだ。
「そうか。」
凄く短い返事だったけど、私にはとても嬉しそうに感じた。
...まぁ実際顔は緩みきっていたし私が力を入れた手を要も握り返してきたのでそう言われて嬉しかったのだろう。
なんでそんなに要が不安になっているんだろう。婚約破棄されるのは私なのに。
でもこうやって不安がって、嫌いじゃないと私に言われて喜んでいる要を見て舞い上がっている私もきっと満更じゃない。
「...そういえば私はなん組なんでしょう?」
なんとかこの微妙な場の空気を変えるべく話題を振った。
「美咲のクラスは俺と同じだよ。」
「え?そうなんですか?」
「あぁ。まぁ婚約者だから当然だろう。」
えぇ、要さっきから「婚約者だからな。」
という台詞が多くない?私の気の所為?
「そうなんですね。」
「...不本意だが、隼人も同じクラスだぞ。」
「え?隼人様も?」
北東隼人。彼は幼馴染でもあり、この乙女ゲームの攻略キャラでもある。
まさかの攻略キャラが2人も同じクラスなんて。
しかも、よりによってこの2人である。
要ルートだと出会い頭にぶつかるところからストーリーが進むので、要ルートに入ったのは間違いない。
要のルートに入ると好感度の高さによっては最後の方で、幼馴染の北東隼人と要に取りあいされるイベントがある。
そう。取り合いされるイベントがあるのだ。
勿論当て馬役の私も出てくる。
幼馴染を2人ともヒロインにとられて躍起になって嫌がらせが悪化させるのだ。
そこで北条美咲がやってきた悪事が攻略キャラにバレて北条美咲は婚約破棄されるのだ。
まぁ、私は2人が取られた(?)からといって躍起を起こしたりしないし、嫌がらせを鼻からする気なんかないが、補正がかかって私がやってないことなども私のせいにされかねないのだ。
だから、そのイベントが起こりやすくなったこのクラス。
私は用心してこの1年間を過ごさなくてはならない。
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