虹の欠片【声劇台本】【二人用】

ふわり

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虹の欠片【声劇台本】【二人用】

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『虹の 欠片かけら

声劇(ラジオドラマ)用台本です。
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【 キャラクター設定 】



葉山亮(はやまりょう)

いじめられていたクラスメートを助け、加害者達を殴る。そのことで周りからは恐れられていた。

不器用、ぶっきらぼう。

自分からは一切喧嘩を売りに行かない。だけど何故か絡まれる。



咲(さき)

※普通の女の子(ショートカット、155センチ、普通に友達がいた。成績も普通。料理好き)



- - - - - - - - - - - - -- - - - - - - - - - - -



ー登校のガヤー



女「…またか…」



女M 学校に行ったら、上履きがなくなっていた。

ここ数日、毎日だ…

昨日は別のクラスのゴミ箱に入っていた。その前は廊下のゴミ箱に。

今日はどこに…

もう、探すのもめんどうで、カバンにスリッパを入れてきた。

どうせ、誰も何も言わない。



ー教室(ドア、ガヤSE)ー



女M 机は相変わらず落書きされていた。

消す気力もないので、黙って椅子に座る。

誰も見向きもしない。

私は、いない存在として扱われている。

いつものことだ…



いつからだろう。

学校に居場所がなくなったのは。

以前は普通だったのに…



普通…?

普通って、なんだろう?



ーチャイムSEー



女M 昼休みは教室にはいたくない。

みんな、机をくっつけて、楽しそうにおしゃべりしながらお弁当を食べる。

私には…誰もいない。

それを実感したくなくて、最近は屋上で食べるようになった。

どうせ1人。どこで食べても一緒だ。



ー階段を上るSEー



女「今日のお弁当はまぁまぁかな。

うわ…卵焼きしょっぱい!」



男「ふ~ん。ま、ちょっとしょっぱいけど、俺にはちょうどいい」



女「え?!ちょ、ちょっと…!なんで?!」



男「いや、うまそうだったから」



女「あなた誰?なんでここにいるの?」



男「なんだよ、別に良いだろ?立入禁止とか書いてないし」



女「いや、そうだけど…」



男「アンタだって、なんでこんなとこで弁当食ってんの?」



女「べ、別にいいでしょ!空が見たかっただけよ」



男「ふ~ん…空、ねぇ…」



女「な、何よ…」



男「今日は曇ってて、なんも見えねぇけどな~」



女「別にいいでしょ!」



男「決めた!俺、毎日ここで弁当食うわ!明日から俺の分も作ってこいよ」



女「はぁ?!なんで私が!」



男「いいじゃん?自分の作るついでに俺のも作ってよ」



女「勝手に決めないで!だいたい、誰よあなた」



男「仕方ねぇなぁ。葉山亮。じゃあまた明日な」



女「ちょっ…待っ!」



女「誰よあの人…葉山…亮?…」




ー翌日、チャイムー



男「よぉ!待ってたか?弁当は?」



女「まさかほんとに来るなんて…」



男「なんだよ?用意してねぇの?ちゃんと俺の分も作ってこいって言っただろ?」



女「そんなの、本気にするわけないでしょ?初対面なのに」



男「ま!仕方ねぇな。これで許してやるよ」



女「あ…!」



男「うん。うまい!今日は甘いのな」



女「気分によって味変えてるのよ」



男「甘い卵焼きも好きだぜ。うまい」



女「それは良かったわね」



男「アンタ、素直じゃねーな」



女「何が?!」



男「今ほんとはちょっと、嬉しかっただろ?」



女「べ、別に…そんなこと思ってないわよ」



男「素直じゃないなぁ~」



女「うるさいわね。てか、なんで私にかまうの?」



男「別に。たまたま屋上に来たら、アンタがいた。それだけ」



女「こんなとこでお弁当食べてる女によく話しかけたわね」



男「まぁ、なんでこんなとこにいるのかなとは思ったけどな」



女「それは…」



男「だいたい察しはつくけどな」



女「え……」



男「俺は別にアンタがいじめられてようが何してようが気にしない」



女「別に…!いじめられてなんか…」



男「違うの?」



女「それは…」



男「気にすんなよ。まぁ、そんなことしてるやつらはサイテーだけど。俺が仲良くしてやるよ」



女「あなたが…?だってあなた…」



男「ん?俺の正体わかったの?怖くなった?」



女「別に…怖くはないけど…」



男「なーんもしてねぇんだけどなー」



女「何があったか知らないけど…」



男「良いじゃん、何も知らなくて。今この瞬間、俺とアンタはただの友達」



女「友達…?」



男「そうだろ?それで良いじゃん」



女「強引ね…」



男「男は強引なくらいがちょうど良いんだよ」



ー数日後ー



男「よっ!」



女「良かった!さっき雨降ってたから、今日は来ないかもって」



男「毎日、弁当食うって約束したろ?」



女「それだけのために?」



男「良い天気になって良かったな~。あ…あれ見てみろよ」



女「え…?あ…!虹!」



男「虹なんて久しぶりに見たな~」



女「子供の頃、虹を渡りたくて走って追いかけてたことあったな」



男「おまえも?俺も!どこまで行っても追いつかないのな」



女「そうそう!もう少しって思うのに、近づいても近づいても届かないの。虹のカケラでも良いから、欲しいって思ってた」



男「虹のカケラか…希望…みたいな…」



女「子供の頃は、夢がいっぱいあったよね」



男「俺達って、似てるのかもな…」



女「え…?」



男「俺さ、いじめとか嫌いなんだよ。だから、アイツを助けたの。いじめられてるアイツを」



女「うん…」



男「でも、先生も周りも、俺がそいつらに暴力奮った、おまえが悪いって、相手にしてくれなかった」



女「うん…」



男「それからは俺は厄介もんで、単位はやるから学校には来ないでくれってな」



女「ひどい…亮は悪くないのに…」



男「ま!勉強しなくて良いんだから楽だけどな!」



女「亮は悪くないよ!そいつらが悪いんじゃん」



男「咲だけだよ、そんなふうに言ってくれるの」



女「私には亮だけだもん。あの日、亮と出会ってなかったら…」



男「…なぁ。キス、していいか?」



女「ばか…そういうのは黙ってするもんよ」



ー数日後ー



男「よっ!今日の弁当は?」



女「今日はからあげ。好きでしょ?」



男「お~いいね!よく覚えてたな」



女「そりゃ、毎日一緒にいたらね…」



男「なぁ?覚えてる?初めて会った日のこと」



女「うん…」



男「咲、くらーい顔で弁当食ってたよな」



女「そんなこと…」



男「今はどうよ?」



女「亮がいてくれて救われた。私ほんとは…死にたいって思ってた」



男「ばかだな…」



女「そうね。でもやっぱりつらかったし…以前ね、いじめられてる子がいたの。毎日嫌がらせされたり、無視されたり…

でも、その子が何かしたわけじゃないし、私はその子に話しかけてたのよね。

でも、その子、転校しちゃったんだ…」



男「それから咲が…?」



女「うん…朝、教室に入ったら誰も挨拶してくれなくて、机には落書き…あぁ、今度は私が標的なんだって悟ったわ」



男「咲は何もしてないだろ?つらかったな…でも、俺がいるよ」



女「うん。亮に出会って、最初は何なの?この人って思ったけど、いつも私のお弁当おいしいって食べてくれて、他愛ない話をしてくれて…亮がいるから学校に行こうって思った」



男「良かった。咲が笑顔になれて」



女「うん。ありがとう。亮のおかげ」



男「俺達、似た者同士だな」



女「そうかもね…あ…あれ!」



男「ん…?あ、虹…!」



女「あの日と一緒だね」



男「なんだよ、照れるじゃん」



女「ふふ。今度は私から…ねぇ、キスしていい?」



男「ばーか。そういうのは黙ってするもんだろ?」



女M あの日見上げた空と同じ、虹が輝いていた。

2人を繋いだ、奇跡の瞬間。



ー完ー

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