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高等部編
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朝起きると、普段とは違いふっかふかの布団に寝ていた
周りを見ると身に覚えのある景色に青褪める。
モノクロで統一された家具にミニマリストらしい物の少ないこの部屋は緋色様のプライベートルームだ。
キングサイズのベッドに緋色様は居らず、不安が込み上げる
まず主人はどこへ行ったのか。
そして俺は寝過ごしたのか。
考えれば考えるほど、やらかしてしまったのではないかと焦る
慌ててベッドから降り、隣の部屋へ向かう
そこには優雅にティーカップを口に運ぶ主人がいた。
「起きたか。」
俺のことを視界に入れるとカップを机の上に置き、手で俺を招く
慌てながら指示通りに机のある方へ向かう
朝食を食べていたのか、サンドウィッチやフルーツなど高級そうな食べ物が並んでいた
「あの、、、おれ、、、」
主人よりも遅く起きてしまったことや準備できなかったことなどの罪悪感から声が小さくなる
そんな俺の言いたいことがわかるのか、
「昨日は初めてだったからな。今日は特別だ。毎年初めて従者になるやつは次の日使い物にならなくなるからな。だが明日からは許されないぞ。」
緋色様から許しが出て、ひとまずホッとする
「はい、すみませんでした、、、」
俺の慌て様と反省の言葉から謝罪の気持ちが伝わったのかそれ以上何も言われることはなかった
緋色様にそのまま朝食をとるように指示されたので向かいの席に座り俺の分を食べる
その際に緋色様から今日の予定が伝えられる
「今日は昨日と同じく午前学院、午後からは特履だ。昨日の復習もするから気をつけろよ。担当は龍之介だ。細かい奴だから頑張れよ」
「はい、、頑張ります、、」
昨日と同じ様な時間割か、、、
アインス様は物腰柔らかそうだけど怒ると怖そうだ。
普段怒らない人が怒るとビビる、、、
でも細かいってどんな感じなんだろう?
昨日のフュンフ様も結構角度とか細かかったけど、、
朝食を素早く食べ終わり、学院へ行く準備をする
その際に大量の課題は忘れずにカバンに入れる
これを忘れた場合は補修となり、特履の時間を割かなければならないのだ
そんなことになった日には昨日のお仕置きなどとは比べ物にならない何かが待っている
想像するだけでも怖い。
二人で専用の車に乗り学院へ向かう
やはりこの時に誰かに会うことは全くない
降りた後は緋色様と分かれ、自分の教室へ行く
そこには既に光輝がいた。
「あ、瑠衣だ。おはよ~」
「おはよ、早いね?」
「朝は得意な方だから。それより昨日は大丈夫だったか?」
「あー、なんとか生きてる、、、」
「だよな~、、俺なんて瑠衣がお風呂から出て行った後も先輩達といじめられたよ、、、あそこにあるものはもはや凶器だ、、、」
2人で昨日の出来事をげっそりしながら話し合う
「そういえばノマの方達は?」
1年にもノマは3人いて同じクラスなのに誰も見当たらない
光輝の主人もこのクラスで一緒にきてるはずなのに、、
「響様は担任からの呼び出しで教務室に行ってる。他の皆様はおそらく仕事だと思う。」
そっか、ノマの人達って忙しいもんな、、
頭もいいから別に授業なんて受ける必要性も湧かないし
それから響こと、ズィーベン様は教室に帰ってくることなく授業が始まった
今日の内容も特別難しいところはなくスムーズに終わった
問題はこれからだ。
昨日あれだけキツかったんだ。今日のことを考えると憂鬱になってくる
緋色様と合流し、昨日と同じ場所に向かう
他の従者の先輩達も続々と集まり指定された位置に立って待機する
直立のままいると扉が開き、舜さんとアインス様がやってきた
舜さんも従者側に並び、全員揃った
「お疲れ様。今日は私が担当します。まずは昨日のおさらいからです。」
それから1時間ほどお辞儀やマナーなどの復習を行い、できていないところは修正された
でもこうして特履を受けることができてよかったと心から思う。
もちろん厳しいけど絶対将来役に立つのはわかるし、損なことはひとつもないのだ。
普段から姿勢も意識できたりととても勉強になる
そうして全員がアインス様からギリギリ合格をもらい、今日の内容に移る
「先にこれを渡しておきます。これを3日で完璧に覚えてください。」
そう言って手渡された紙束をパラパラとめくる
そこには名前や役職、個人情報などがズラリと記載されている
中には何度か会ったこともある人の名前もあった。
もちろん、兄様の名前も、、、
「そこに書いてあるのは、政財界や著名人の個人情報です。管理には十分気をつけえください。去年と人も入れ替わってるから1から覚え直してくださいね。覚え方は自由ですが、3日後にテストするので必ず覚えなさい。」
「「「はい」」」
まじか、、、
すごい枚数なんだけど、、、
一応、顔写真や特徴など細かく書いてあるのでわかりやすいのだが何しろ数が多い
「もし分からないところがあれば私や舜に聞いてください。さて、これはここまでです。次は今日の内容です。今日はノマへの対応を教えます。外部にいる時と内部にいる時での接し方も変わってくるので注意してください」
「「「はい、よろしくお願いします!」」」
なんだか軍隊にいるみたいだ、、、
いや、軍隊より厳しいかも、、、
周りを見ると身に覚えのある景色に青褪める。
モノクロで統一された家具にミニマリストらしい物の少ないこの部屋は緋色様のプライベートルームだ。
キングサイズのベッドに緋色様は居らず、不安が込み上げる
まず主人はどこへ行ったのか。
そして俺は寝過ごしたのか。
考えれば考えるほど、やらかしてしまったのではないかと焦る
慌ててベッドから降り、隣の部屋へ向かう
そこには優雅にティーカップを口に運ぶ主人がいた。
「起きたか。」
俺のことを視界に入れるとカップを机の上に置き、手で俺を招く
慌てながら指示通りに机のある方へ向かう
朝食を食べていたのか、サンドウィッチやフルーツなど高級そうな食べ物が並んでいた
「あの、、、おれ、、、」
主人よりも遅く起きてしまったことや準備できなかったことなどの罪悪感から声が小さくなる
そんな俺の言いたいことがわかるのか、
「昨日は初めてだったからな。今日は特別だ。毎年初めて従者になるやつは次の日使い物にならなくなるからな。だが明日からは許されないぞ。」
緋色様から許しが出て、ひとまずホッとする
「はい、すみませんでした、、、」
俺の慌て様と反省の言葉から謝罪の気持ちが伝わったのかそれ以上何も言われることはなかった
緋色様にそのまま朝食をとるように指示されたので向かいの席に座り俺の分を食べる
その際に緋色様から今日の予定が伝えられる
「今日は昨日と同じく午前学院、午後からは特履だ。昨日の復習もするから気をつけろよ。担当は龍之介だ。細かい奴だから頑張れよ」
「はい、、頑張ります、、」
昨日と同じ様な時間割か、、、
アインス様は物腰柔らかそうだけど怒ると怖そうだ。
普段怒らない人が怒るとビビる、、、
でも細かいってどんな感じなんだろう?
昨日のフュンフ様も結構角度とか細かかったけど、、
朝食を素早く食べ終わり、学院へ行く準備をする
その際に大量の課題は忘れずにカバンに入れる
これを忘れた場合は補修となり、特履の時間を割かなければならないのだ
そんなことになった日には昨日のお仕置きなどとは比べ物にならない何かが待っている
想像するだけでも怖い。
二人で専用の車に乗り学院へ向かう
やはりこの時に誰かに会うことは全くない
降りた後は緋色様と分かれ、自分の教室へ行く
そこには既に光輝がいた。
「あ、瑠衣だ。おはよ~」
「おはよ、早いね?」
「朝は得意な方だから。それより昨日は大丈夫だったか?」
「あー、なんとか生きてる、、、」
「だよな~、、俺なんて瑠衣がお風呂から出て行った後も先輩達といじめられたよ、、、あそこにあるものはもはや凶器だ、、、」
2人で昨日の出来事をげっそりしながら話し合う
「そういえばノマの方達は?」
1年にもノマは3人いて同じクラスなのに誰も見当たらない
光輝の主人もこのクラスで一緒にきてるはずなのに、、
「響様は担任からの呼び出しで教務室に行ってる。他の皆様はおそらく仕事だと思う。」
そっか、ノマの人達って忙しいもんな、、
頭もいいから別に授業なんて受ける必要性も湧かないし
それから響こと、ズィーベン様は教室に帰ってくることなく授業が始まった
今日の内容も特別難しいところはなくスムーズに終わった
問題はこれからだ。
昨日あれだけキツかったんだ。今日のことを考えると憂鬱になってくる
緋色様と合流し、昨日と同じ場所に向かう
他の従者の先輩達も続々と集まり指定された位置に立って待機する
直立のままいると扉が開き、舜さんとアインス様がやってきた
舜さんも従者側に並び、全員揃った
「お疲れ様。今日は私が担当します。まずは昨日のおさらいからです。」
それから1時間ほどお辞儀やマナーなどの復習を行い、できていないところは修正された
でもこうして特履を受けることができてよかったと心から思う。
もちろん厳しいけど絶対将来役に立つのはわかるし、損なことはひとつもないのだ。
普段から姿勢も意識できたりととても勉強になる
そうして全員がアインス様からギリギリ合格をもらい、今日の内容に移る
「先にこれを渡しておきます。これを3日で完璧に覚えてください。」
そう言って手渡された紙束をパラパラとめくる
そこには名前や役職、個人情報などがズラリと記載されている
中には何度か会ったこともある人の名前もあった。
もちろん、兄様の名前も、、、
「そこに書いてあるのは、政財界や著名人の個人情報です。管理には十分気をつけえください。去年と人も入れ替わってるから1から覚え直してくださいね。覚え方は自由ですが、3日後にテストするので必ず覚えなさい。」
「「「はい」」」
まじか、、、
すごい枚数なんだけど、、、
一応、顔写真や特徴など細かく書いてあるのでわかりやすいのだが何しろ数が多い
「もし分からないところがあれば私や舜に聞いてください。さて、これはここまでです。次は今日の内容です。今日はノマへの対応を教えます。外部にいる時と内部にいる時での接し方も変わってくるので注意してください」
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なんだか軍隊にいるみたいだ、、、
いや、軍隊より厳しいかも、、、
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