冷酷組長の狂愛

36 （悠生side）

「悠生、後の処理は任せる。
葵の方は煌良に任せてあるからこっちだけでいい」
「分かった。
、、、、、、兄貴、、、兄貴は瑞稀をどうするつもりなんだ？」


俺が聞くと、兄貴は冷たい目線をこちらに向け、

「お前には関係ない。」


その一言に、自分の兄なのに、一瞬ゾワッと背筋が凍った

「葵さんの処分は？」
「あいつは俺が直接する」
「兄貴が？」
「他の奴らはあいつに敵わないだろうからな」
「たしかに、、、、
、、、、殺さないよな？」
「そこまではしない。あいつを失うと損失の方がでかいからな」
「制裁を軽くしてくれって言ったら？」
「あいつに加担するのか？」
「ちがう、、、、、
これ以上瑞稀に傷ついて欲しくないんだよ、、、、」
「、、、、、、考えておく、、、、」



兄貴はそう言って、瑞稀が乗せられた車に向かう


中がどうなっているかはフルスモークで見えないが、今から瑞稀がどうなるかを思うだけで同情してしまう


あの日何があったかは瑞稀の反応で大体想像がついた
その出来事が原因で逃亡したとなると全ての辻褄があう



瑞稀は男同士で行為することに偏見はないだろうが自分がするとなると話は別だっただろう、、、
特に、無理矢理だったらトラウマになってそうだな、、、、


葵さんの件に関しては恐らくではあるが、処分は軽くなるだろう
葵さんは組への貢献具合から見ても、せいぜい骨折ぐらいで済むと予測できる

その後のことに関しては兄貴の采配次第だが、、、


それにしても、兄貴の瑞稀への執着が凄すぎて驚きだ
まさか、敵陣である関西まで乗り込むとは思わなかった


兄貴は付き人に瑞稀を指名したがそれは多分葵さんや瑞稀が思うような性欲処理の役割ではなく、真紘や煌良さんのような関係を望んでいるんだろう

しかし、2人には伝わっておらず、葵さんからは警戒され瑞稀には怖がられている


はぁ、、、、、
悪循環だな、、、、、
表情にも態度にも感情が出にくいせいか誤解されている気がする、、


早く、兄貴の気持ちが2人にも伝わってくれればいいけど、、、、


とりあえず、ここの処理をするか、、


俺は葵さんの店の処理と部下への指示を行いながら今後の段取りを考える