不自由と快楽の狭間で

Anthony-Blue

文字の大きさ
128 / 231

128.新たな出会い

しおりを挟む
 突然、舞い込んできたDMにボクは困惑していた。当然、障害者の女性であっても性の興味はもちろんあるし、性欲だって健常者と同等にあっても何ら不思議ではない。むしろ、同じ立場のボクから見ると、男性以上にセックスのパートナーを見つけるのは難しいと想像はつく。しかし、はいわかりましたとは即答はしかねる。その夜、咲恵と萌にこのDMの事を相談してみた。

「お母さんと一緒に3Pがしたいってことではないよね?」

 まず、萌がそこを突っ込んできた。

「萌、それを言うんだ」

「まあ、彼女の障害の程度が重度で、一人では無理だからお母さんが介助に付いてくるってことでしょうね」

 咲恵のコメントに、ボク達は納得の声を上げる。

「瑞樹が彼女に実際に会ってみて、リサーチして見るべきじゃない。わたしは、潔いそのDMに興味があるわ」

「わたしも、瑞樹さんが会って話を聞いてみるべきだと思うわ。本人の意思もだけど、母親はどう思ってるのかも重要だと思うし」

「そうだよなぁ。ボクから見ても、デリケートな問題がたくさんあると思うし」

「この案件は、わたしたちとの約束から除外してもいいわよね。萌ちゃん」

「そうだね、会ってすぐエッチしましょうとはならないだろうし。彼女の切実な願いも伝わって来るしね」

「わたしも、そう思うわ」

「じゃあ、そういう風に話を進めてみる」

 ボクは、ある意味、咲恵と萌の達観した感覚に感謝しつつ、DMをくれた彼女に返信メールを送った。

「プロフに書いてあるし、それをわかってボクにDMをくれたんだと思います。お互いの状態もわからないので、一度お会いしてお話をしてからと言うことでいかがでしょうか」

「わかったわ。わたしは、なかなか簡単に外出出来る状態ではないから、自宅でお話しさせてもらってもいいかしら。○○駅まで来ていただけると、お母さんに車で迎えに行ってもらうから」

「わかりました。では、そういうことで」

 ボク達は、日にちと時間を調整して、会う約束を交わした。

 数日たった約束した日の午後、ボクは指定された駅に来ていた。駅前で待っていると、中年の女性が声をかけてきた。

「あの、失礼ですが瑞樹さんですか?」

「あっ、はい。そうです」

「このたびは、娘が無理なお願いをして申し訳ありません。駐車場に車がありますから」

 母親であろう上品そうな女性に案内されて、駅前の駐車場に行く。

「これです」

 大型のワンボックスカーのバックドアを開けて、車椅子ごと乗れるリフト付きの車に乗せられた。母親自身が運転して、彼女の家に向かった。

「あのぉ、娘さんはどんな方なのでしょうか?」

「すみません。娘から、ファースト・インプレッションは大事だからと言われてまして。詳しいお話は、娘から聞いてください」

 沈黙の時を乗せた車は、住宅街にある家の前で止まった。豪邸ではないけれど、それなりの立派な家だった。屋根付きの車庫で車から降ろされて、スロープで繋がった玄関に通される。

「そのまま、お上がりください。娘を呼んでまいりますから」

 ソファーのある応接間に通されて、居心地の悪さを感じながら芝生の緑が輝く庭を眺めていた。ドアの開く音がして、母親に車椅子を押された女性が現れた。白いワンピースにストレートロングの黒髪が印象的だった。上品なワンピースから覗く足が、不自然に少し膝が開いているところから麻痺があることがわかる。

「おまたせしました。お会い出来るのを楽しみにしてました。わたし、上杉律子といいます」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

お父さんのお嫁さんに私はなる

色部耀
恋愛
お父さんのお嫁さんになるという約束……。私は今夜それを叶える――。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

処理中です...