不自由と快楽の狭間で

Anthony-Blue

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172.わたしにも

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「今度は、いつ会えるのかしら」

「また相談してから、連絡します」

「次を早くしないと、穴が塞がっちゃいますからね」

「ピアスの穴じゃないんですから」

 風呂から上がり、軽い食事をご馳走になり、帰り際に律子はボクに軽口を叩いて玄関まで見送りに出てきた。

「今日は、ありがとう。貴重な経験をさせてもらったわ」

「そう言ってもらえるなら、良かったです」

 律子は握手を求めて、それからボクを引き寄せてハグをした」

「是非、近いうち会いたいわ」

 耳元で小さく囁くと、カラダをほどいた。

「帰りは、瑞樹さんのお家まで送ってあげてよね。お母さん」

「いえ、駅まででいいですよ」

 ボクは、丁重にお断りを述べたつもりだった。

「瑞樹さん、大丈夫ですよ。お家までちゃんと、送り届けますから。律子さん、ちょっと時間がかかるけど一人でも大丈夫よね」

 節子は、もうそのつもりで律子と話していたのだろう。

「ええ、おかあさん。大丈夫よ、気をつけていってらっしゃい」

「すみません」

 ボクが恐縮していると律子は笑顔で言った。

「これからのこともありますからね」

 ボクを乗せてクルマが家を離れると、律子は手を振って見送ってくれた。節子はボクの家の住所を聞き、ナビに記憶させてクルマを走らせた。

「律子さん、大丈夫ですかね」

「大丈夫よ、そんなに心配しなくても。食事もさっき食べたばかりだし、トイレも紙おむつをしてきたから。あっ、これは内緒ね。律子は、あれでプライドが高いところがあるから、瑞樹さんには知られたくないだろうし」

「ボクは、そういうところはわかってるつもりですから」

「そう、安心したわ。何かあれば、すぐに駆けつけてくれるヘルパーさんもいるし。たまにはひとりになることも大切だわ。今日は色々あったし、わたしも息抜きになるしね」

「そうですか」

 クルマは、ボクの家に向かって走り続けた。この間のように、脇道にそれてしまわないかと、頭の片隅に浮かんだけれど、ナビの道案内通りに家の前に着いた。

「この建物でいいのよね」

「はい」

「駐車場はあるの」

「来客用の駐車場がそこにあります」

 節子は駐車場にクルマを入れて、ボクを降ろした。

「ありがとうございました」

「お家は、見せてくれないの」

「ああ、すみません。お茶を入れますから、どうぞ」

 そうか、せっかく送ってもらったのに門前払いは失礼だったなと反省しながら、家の鍵を開けて節子を招き入れた。

「節子さんのお家みたいに、立派ではないですがどうぞ」

「ありがとう」

 節子は、家の中を眺めながら、リビングのテーブルに着いた。

「男の一人暮らしで、散らかってるけどごめんなさい」

「いえ、もっと殺伐としてるのかと思ったけれど、片付いてるので驚いてるわ」

「家自体はボロいけれど、割と広いのでそこは気に入ってます」

 スティックコーヒーとお湯をマグカップに入れて差し出す。

「ありがとう」

「紅茶がなくて、すみません」

「急に、上がり込んだわたしが悪いんだから気にしないで」

 コーヒーに口をつけて、ベランダに干してある洗濯物を見て節子が言った。

「あれ、もう取り込んでもいいんでしょ。わたしがやってあげるわ」

 ボクの答えも聞かずに立ち上がって、洗濯物を取り込んでソファーに座りたたみ始めた。

「これは、どこに持って行くの」

「ああ、寝室にチェストがあるので、そこに」

「寝室はどこに。教えて」

「あっちですけど」

 畳んだ洗濯物を離しそうにないので、寝室に連れて行く。

「あそこです」

 チェストの場所を教えると、洗濯物を置いた。

「入れていいのなら、中に入れますよ」

「大丈夫です」

 節子は、寝室を見渡しベッドに浅く腰掛けた。

「ここで寝てるんだ」

「はい」

「二人で寝ると、ちょっと狭いわね」

 そう言うと、急に立ち上がりボクの脇に腕を入れて抱えあげて、車椅子からベッドに移動させた。

「ねえ、どうせ着替えるんでしょ」

 節子は、ボクをベッドに押し倒してジーンズに手をかけた。

「何をするんですか」

「わたし、今日一日、あなたたちのセックスを見せられたのよ。このままじゃ収まらないのよ」

 ボクのジーンズを腰から抜き、下までずらして下着の上からペニスに触れた。足からジーンズを抜き去り、節子自身も着ていたワンピースをたくし上げて下着姿になった。

「瑞樹さんは、まだ若いからしたいでしょ。律子とするより気持ちよくしてあげるから」

「ダメですよ。お母さん」

「わたしは、あなたのお母さんじゃないのよ。ほら、ただの女なんだから」

 ボクに覆い被さり、口づけをした。ねっとりした節子の舌がボクの理性を絡め取る。ブラジャーを外して、ボクの口に茶褐色の乳首を押し込んでくる。

「ねっ、舐めていいのよ。ちょっとだけなら噛んでもいいし。ほら、おっぱい揉んでね」

 ボクの手を取り、自分の乳房に押しつけた。

「なによ、律子にはあんなに色々してあげてたくせに。わたしみたいなおばちゃんじゃいやなの」

 節子は、何もしないボクにイラついて、ボクのパンツを引きずり下ろして下半身を丸出しにした。ボクの露わになったペニスを持ち上げて、両手で扱きまだやわらかいままのモノを口に含んで舌で弄んだ。

「あなたは冷静を装っているけれど、こっちのあなたはいつまで冷静でいられるんでしょうね」
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