不自由と快楽の狭間で

Anthony-Blue

文字の大きさ
175 / 231

175.嘘をつく

しおりを挟む
 狭いベッドの上に、二人のカラダが重なったまま、目覚まし時計の秒針が円を描いて流れていった。

「まだ、こんなに硬いのにごめんなさい。もう、帰らないといけないわ」

 少しの静寂を破って、節子は絶頂を迎えていないペニスを手で確かめて、目を閉じていたボクに声をかけた。

「そうですね。律子さんが、心配してるでしょうから。何をしてたのって聞かれたら、どう答えるんですか」

「帰りにスーパーに寄ろうと、回り道をしたら渋滞に巻き込まれたって言うわ」

「お母さんは、嘘が上手そうだから律子さんも疑いませんよね」

「女はね、みんな平然と嘘をつく動物なのよ。自分のしあわせを守るためにね」

 ベッドから起き上がり、下着を拾って身につけながら言った。

「怖いですね」

「生きてゆく術なのよ。それが」

 前屈みになり、節子はブラジャーを着けて、脇から肉を持って来て乳房の形を整えている。

「それも、うそつきですよね」

 先ほどボクの目の前で、だらしなく垂れ下がり揺れていた乳房は、綺麗な谷間も出来て形良く収まっていた。

「だまされる方が悪いのよ」

 吐き捨てるように言って、スルスルとワンピースを身に纏った。

「口ででも抜いてあげればいいんだろうけど、また今度気持ちよくさせてあげるわ」

「大丈夫ですよ。そのうち収まるでしょうから」

「ごめんなさい。連絡入れるから。またね」

 そう言うと、急ぎ足で部屋を出て行った。ドアの音がして、静かな空気が部屋を溢れて流れ出した。ベッドの上に、裸で置き去りにされたボクは吐き出すことを忘れたペニスに触れた。まだ節子の愛液は乾ききってはいない。手のひらで包むと、吸いつくようにくっついてくる。根元まで手を下げて、再び先端方向に手を動かす。クチャっと見超えるはずもない音が耳に響く。亀頭に手のひらが触れると、ペニスを伝って快感が頭まで届く。手の動作を繰り返し、ボクは目を閉じる。今日の出来事を思い出そうと、記憶をたぐっていると律子の処女を奪った場面が見える。正常位で腰を振っているボクが見下ろしているのは、咲恵の苦しそうな表情で歪んでいる顔だった。

「えっ」

 思わず目を開けた視界には、いつもの見慣れた天井が広がっていた。

「なんで咲恵が」

 このままでは終われない気がして、止めていた手を再び動かし始める。先ほどより、はっきりわかるほど硬度が落ちているペニスを立て直そうと扱いた。天井を見つめているはずの目は、瞬きをした瞬間に、萌が見下ろしている姿が瞳に映った気がした。

「何をやってるんだろう」

 宙に視線を泳がせて、ボクはもう萎え始めているペニスから手を離した。ボクは、起き上がり節子の愛液と罪悪感をシャワーで洗い流した。

 その晩、咲恵と萌に連絡を取り、今日の報告をした。

「無事に、律子さんの希望を叶えてあげられたんですね」

「どうだったの。処女の味は」

「萌ちゃん、言い方がいやらしい」

「咲恵ちゃんだって、気になるんでしょ」

「まあ、それはね。ところでどんな体位でやったんですか」

「咲恵ちゃんだって、興味津々じゃん」

 咲恵と萌は、あれこれと質問を繰り返した。そこには、節子の存在は忘れられていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。 カレンと晴人はその後、どうなる?

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

処理中です...