緑の体だからゴブリン?花が咲いてるからドライアド?いいえ、超ミドリムシです!異世界で光合成して家族が増殖しました!

もう我慢できない

文字の大きさ
86 / 178

86話 ミドリムシの羽根つき大会

しおりを挟む

 緑によるイタズラでしめられた幻のイルミネーションも終わりダンジョンに居る者達はそれぞれ酒を飲むもの、料理を楽しむもの,昔からの知り合いや初めて顔を合わすもの達で会話を楽しんでいた。

 そんな中、突然ライトアップがされる。冒険者達がなにかするのかと周りをうかがっている中、緑が話始める。

「皆さん、これから少し体をうごかしませんか?」

 緑の言葉に数人が興味を持ち緑の話に耳を傾ける。

「今からこれを使ってゲームをしたいと思います」

 緑の話に耳を傾けていた者達は緑が手にしている物にぎょっとする。緑がゲームをすために用意した道具が遠目で見てもミスリルでできており、さらに小さな羽をもった道具は2つ魔石を使って作られていたからであった。

「緑、お前ってやつは・・・・ 材料に金がかかりすぎているだろう・・・・」

 魔緑が呆れた様に声を漏らす。

 それはその全てをミスリルで作った羽子板であった。しかも打つ羽の頭は2色の魔石で作られていた。

 魔石は小さなものであれば駆け出しの冒険者でなければ手に入れる事も難しくない。しかし、モンスターと戦うもの、ダンジョンに潜るものなど冒険者は少なからず命を懸けて金を稼いでいる。

 その金の元を遊び道具に使うような冒険者は少ない。

 さらに緑が口を開く。

「今からこの道具を使いトーナメントでゲームをしていきます。これにを勝ち進み見事1位になった人にはこの道具、板を2枚羽を3つプレゼントします」

 その言葉を聞き特に冒険者達が緑に殺到する。

 冒険者達はこの道具を使ってゲームをする事よりミスリルが手に入ると言う事にくいついた。

「では今からこの道具を使ってどのように遊ぶか見せたいと思います。まーちゃん相手をお願いしてもいいかな?」

 魔緑は見本んを見せる事に自分が選ばれて驚いたがよく考えればこのおもちゃの使い方を知っているのは自分と緑だけだと気づく。

「ああ、俺じゃないと遊び方がわからないか・・・・ いいぞ」

 魔緑がそう言うと緑は羽子板を魔緑に渡す。

「よし! じゃあいくね」

 カン!

「よし!」

 カン!

 しばらく打ち合うと再び緑が口を開く。

「じゃあスピードアップするね!」

 カン!カン!カン!

 それまで打ち上げられ放物線を描いていた羽は、緑と魔緑が徐々にスピードを上げ始める事でほぼ地面に水平に打ち続けられる。この世界では知られていないが日本であればバトミントンに見えたと思われた。

「「おお!!」」

 今の時点では冒険者達も楽しんで見れていた。

「じゃあ魔法を使うよ~」

「ああ、大丈夫だ」

 2人はそう言うと魔力を込め始める。

「じゃあまーちゃんいくよ! それ!」

 緑がそう言って撃った羽は今まで以上に加速する。魔緑はすばやく回り込みそれを打ち返す。

 カカカカカカ!

 魔法を使いはじめ先ほどよりも羽が打たれる感覚が短くなる。

 周りで見ていた冒険者も真剣な目で羽の行方を追っている。そんな中、魔緑が打った羽が少し浮き上がる。それをチャンスと緑が羽を打ち下ろす。

「まーちゃん勝たしてもらうよ!」

「そうはいかねぇ! む!?」

 そこまで魔力を風の魔石に流し込みスピードを上げていた緑であったがとどめの一撃と土の魔石に魔力を流す。

 ガツ!

 今までなっていた音とは違い魔緑が羽を羽子板で受けるが羽子板が降りぬかれない。

 緑が土の魔石に魔力を流したことで羽は見た目とは違い異常な重さを持っていた。

「ぐうう!」

 魔緑の立っている場所が円形状に沈み込む。

「おら!」

 何とか打ち返す魔緑であったがそこには緑が待ちかまえていた。

 カン! ポト

 勝負が終わり緑が見ていた者達に勝敗を説明する。



「しかし緑、魔法で羽を早くできたり重くできるにしてもさっきのはおかしいだろう。どんなけ魔力を込めたんだ」

「ふふふ、企業秘密です。 実際に込めてもらうとわかります」

 先ほどの緑と魔緑の勝負にあきれ声をかけに来たアランに緑は嬉しそうに返事をする。



 しばらくの間ゲームに参加する者たち同士で遊び練習をする。皆思い思いに工夫や戦略を考え練習しているようで試合前にも関わらず白熱した練習がいたるところで行われる。

 これ以上は試合に差し支えると判断した緑が試合の始まりを告げる。

「そろそろ始めたいと思います! では皆さん楽しみましょう!」

 緑がそう言って羽根つき大会が始まる。

「おら!」「ふん負けないよ!」

「うわ! 重い!」「ふふん、魔力を使って重くしたんです~」

「これで終わりだ!」「まだおわらせねぇ!」

 白熱した試合が続き直ぐにトーナメントは進み決勝戦が始まる。

「ほう! レッドのところの嬢ちゃんか」
 
「嬢ちゃんなんて呼ぶな、シャークさんあんたにはまけねぇぜ」

 決勝には魔法も使いながら戦う2人に駒を進める。

「皆さん決勝戦はこの2人になりました! 2人に拍手を」

 シャークとはギルは試合を参加していた者達、見ていた者達全員から暖かい拍手を送られる。

 拍手がやむと緑が2人の前に出て開始の合図をするのであった。



「くっ! やるじゃねぇか嬢ちゃん!」

 カン!

「あんたもなシャークさん」

 カカン!

 1番初めの緑と魔緑の勝負とは違い試合はゆっくりとした展開で進む。2人とも残りの魔力が少ないためか魔力で力任せに撃たず、温存するために緩急をつけ相手を崩そうとしている。

 さらにここまでくる中で1番試合数もこなして2人は顔には出さなかったが体の疲れもピークに達しているその中で崩そうとする一打は2人の体力を容赦なく削っていく。

 試合の初めは見ている者達も応援などで声を出していたが今は誰も声を発さずその羽の行方を追っている。そんな中試合が動くこれ以上体力も魔力も持たないと考えたギルが最後の力を振り絞りシャークに向かって羽をうつ。

「これで終わりだー!」

 カン!

「それは甘いぜ!」

 ギルが込めた最後の力と魔力を込めた羽は徐々に重くなりながらシャークに向かう。

 その羽をシャークは羽子板をもちバレーボールのレシーブの様な体制で受ける。

 最後の体力も魔力も打ち切ったギルは動けず羽の行き先を見ている事しか液なかった。

 ガツ!

 緑と魔緑の時の様に羽と羽子板がぶつかった瞬間今までとは違う音がする。

「うおおおおおおりゃあ!!!!」

 そう叫ぶとシャークは羽子板を振りぬく。それはほぼ真上に高く上がるがギルの方に徐々に近づいていくく。バトミントンの様に対戦する者達の間にネットはなかったが各々の陣地はあった。

 羽はゆっくりと進むみ境界線上に近づいていきそ地面に近づいていく。

 ポト

 ほぼ境界線の上に落ちた羽は真直ぐに立っていた。

「「おお!!」」

 それを見た周りの者達は思わず声を上げる。

 バターン!

 その中ものが倒れた音がする。すると羽がぐらつく。

「「ああ!!」」

 周りの者達がまた声を上げる。ぐらついた羽が倒れたのはギルの陣地にむかってであった。

 それを見た緑が勝利者宣言をする。

「勝者シャークさん!」   

「「わあああああー!!」」

 ギルは倒れながら悔しそうに地面をたたいていた。

「シャークさんこちらに来てください!」

 緑は優勝者のシャークを呼ぶ。

「あれ?シャークさんは?」

 勝利者宣言をし自分の元に来るように言ったにもかかわらず、シャークが自分の元に来ない事に緑が不思議に思いシャークを探す。

 するとレシーブの体制から羽子板を振りぬきそのままの体制で後ろに倒れ泡を吹いて気絶しているシャークを発見する。まさに魔力も体力も限界まで使い切ったシャーク。

「シャークさん!」

 緑は慌ててシャークに駆け寄り魔力と体力の回復する実を食べさせるのであった。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。  だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。 かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。 だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。 「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。 国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。 そして、勇者は 死んだ。 ──はずだった。 十年後。 王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。 しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。 「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」 これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。 彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

異世界翻訳者の想定外な日々 ~静かに読書生活を送る筈が何故か家がハーレム化し金持ちになったあげく黒覆面の最強怪傑となってしまった~

於田縫紀
ファンタジー
 図書館の奥である本に出合った時、俺は思い出す。『そうだ、俺はかつて日本人だった』と。  その本をつい翻訳してしまった事がきっかけで俺の人生設計は狂い始める。気がつけば美少女3人に囲まれつつ仕事に追われる毎日。そして時々俺は悩む。本当に俺はこんな暮らしをしてていいのだろうかと。ハーレム状態なのだろうか。単に便利に使われているだけなのだろうかと。

異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。

久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。 事故は、予想外に起こる。 そして、異世界転移? 転生も。 気がつけば、見たことのない森。 「おーい」 と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。 その時どう行動するのか。 また、その先は……。 初期は、サバイバル。 その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。 有名になって、王都へ。 日本人の常識で突き進む。 そんな感じで、進みます。 ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。 異世界側では、少し非常識かもしれない。 面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。

アワセワザ! ~異世界乳幼女と父は、二人で強く生きていく~

eggy
ファンタジー
 もと魔狩人《まかりびと》ライナルトは大雪の中、乳飲み子を抱いて村に入った。  村では魔獣や獣に被害を受けることが多く、村人たちが生活と育児に協力する代わりとして、害獣狩りを依頼される。  ライナルトは村人たちの威力の低い攻撃魔法と協力して大剣を振るうことで、害獣狩りに挑む。  しかし年々増加、凶暴化してくる害獣に、低威力の魔法では対処しきれなくなってくる。  まだ赤ん坊の娘イェッタは何処からか降りてくる『知識』に従い、魔法の威力増加、複数合わせた使用法を工夫して、父親を援助しようと考えた。  幼い娘と父親が力を合わせて害獣や強敵に挑む、冒険ファンタジー。 「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。

元構造解析研究者の異世界冒険譚

犬社護
ファンタジー
主人公は持水薫、女30歳、独身。趣味はあらゆる物質の立体構造を調べ眺めること、構造解析研究者であったが、地震で後輩を庇い命を落とす。魂となった彼女は女神と出会い、話をした結果、後輩を助けたこともあってスキル2つを持ってすぐに転生することになった。転生先は、地球からはるか遠く離れた惑星ガーランド、エルディア王国のある貴族の娘であった。前世の記憶を持ったまま、持水薫改めシャーロット・エルバランは誕生した。転生の際に選んだスキルは『構造解析』と『構造編集』。2つのスキルと持ち前の知能の高さを生かし、順調な異世界生活を送っていたが、とある女の子と出会った事で、人生が激変することになる。 果たして、シャーロットは新たな人生を生き抜くことが出来るのだろうか? ………………… 7歳序盤まではほのぼのとした話が続きますが、7歳中盤から未開の地へ転移されます。転移以降、物語はスローペースで進んでいきます。読者によっては、早くこの先を知りたいのに、話が進まないよと思う方もおられるかもしれません。のんびりした気持ちで読んで頂けると嬉しいです。 ………………… 主人公シャーロットは、チートスキルを持っていますが、最弱スタートです。

攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】

水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】 【一次選考通過作品】 ---  とある剣と魔法の世界で、  ある男女の間に赤ん坊が生まれた。  名をアスフィ・シーネット。  才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。  だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。  攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。 彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。  --------- もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります! #ヒラ俺 この度ついに完結しました。 1年以上書き続けた作品です。 途中迷走してました……。 今までありがとうございました! --- 追記:2025/09/20 再編、あるいは続編を書くか迷ってます。 もし気になる方は、 コメント頂けるとするかもしれないです。

処理中です...