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12歳と薔薇色の…
プロローグ
しおりを挟む――祝福するかの如く流星群は流れ続け、寄り添うようにオーロラが暗い空を彩り、月はその輝きを増すばかり、全ての国民が荘厳で神聖な光景に呆気に取られた。
そんな中、ついにウテナ神女帝国にある女帝寝室にて、珠のように美しい姫の産声が上がった。
「――なんと美しい姫でしょう」
産婆の声を皮切りに、姫の赤子ながらの美しさに周囲の女官が感嘆の息を漏らす。
「――妾にも早う見せぬか」
「しっ、失礼いたしました!」
何時間もの陣痛を経て、出産の瞬間には暫し意識が飛んでしまっていた女帝が、見惚れて動かない女官たちを咎めるように身を起そうとする。
その麗しい顔には汗で張り付くように髪が張り付き、気だるげな色気がぷんぷんと漂っていた。
近くにいた女官はあてられたのか、顔を真っ赤にして女帝のお世話を再開させた。
「美しい姫でございます、アルテミア様」
「――ほう、ほんに美しく愛らしい我が娘じゃ」
産婆は女帝アルテミアへと姫を慎重に抱かせると、女帝の慈しみに満ちた視線が産まれたばかりの姫へと優しく注がれるのを見守った。
腹を痛めて産んだ、念願であった初めての我が子を手に優しく抱きながら、アルテミアはかねてより考えていたその名を紡いだ。
「――マリアンヌ。そなたはマリアンヌじゃ」
母の胸に抱かれて安心したのか、ぷすぷすと可愛い寝息をたてている娘を愛しげに見つめてアルテミアは幸せが零れんばかりの笑みを浮かべた――。
――それから十二年。
美しく成長した姫は元服という節目を迎えようとしていた。
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