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12歳と薔薇色の…
薔薇色
しおりを挟むマリアンヌはその時、非常に冷静であった。
麗らかな日差しが注ぐ自室にて、起き抜けの違和感に気付いて侍女長を呼び、事態が知れた後も変わらず冷静であった。
周囲が阿鼻叫喚と静かに大騒ぎする様子も意に介さず、非常に冷静だったと、己と周囲を見比べ自己分析出来るほどには冷静であったのだ。
――なにせ、二回目なのだから。
「そう騒ぐことではないわ」
「しっ、しかし……!」
あたふたと何をするでもなくせかせかとマリアンヌの周囲をウロウロしていた侍女が声を上げる。マリアンヌが呼びつけたとはいえ、そろそろ鬱陶しい。
こういうときは上の立場の人間が何かしら役割を与えてそちらに気を逸らさせるのが一番だというが……なるほど。自分では冷静だと思っていたが、冷静というよりは呆然としていたのが正しかったらしい。
周囲でどうしましょう、どうしましょうと慌てふためく侍女長たちを横目に思考がより一層落ち着いていく。周りが当人以上に騒いでると当人は達観するというが、その通りだなとマリアンヌは納得して侍女に目線を合わせて命令してやる。
「まずはお母様にお伝えしないと。今すぐ報告を……」
「――ッ! た、ただいま……!」
うろうろするだけだった侍女長がハッと顔を上げた。やっと自らの仕事を思い出してくれたかと、マリアンヌはホッとした。
すぐに退出の礼をとると、侍女長はそのまま下がってしまった。
「ハァ……」
マリアンヌはこれからのことを思って、少し憂鬱になった。母の場合はかなり遅く、娘のマリアンヌも当分先のことだろうと誰も考えもしなかった事態だ。油断した。
まさかこんなに早く来るなんて――
「はぁあぁぁぁ……」
マリアンヌは上体を起こしたままの状態で、自らの腿下のシーツを眺めてもう一度深く溜め息を吐いた。
――お尻から足側のシーツ一部が真っ赤に染まっていた。
初潮――いわゆる生理――であった。
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