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13歳と白百合の…
不快
しおりを挟む――不快。非常に不快!
マリアンヌは今世で二回目のドン引きをした。ちなみに一回目はこの世界の美醜感覚について理解した日である。ちなみに理解しただけで未だにその趣向を全て受け入れられたわけではないが。
「……何を勘違いしているか分かりませんが。フレデリック前公爵、状況が分かっていますか」
「ええ! ええ! もちろんですとも! 過去のことをマリアンヌ様が悔いており、長年わしに恋焦がれたゆえにとうとう兵を使ってまで連れてきたのでしょう! ええ! 分かっておりますとも!」
「何も分かっていないことが分かりました」
「なんと! かようにわしの事を想っていらっしゃったとは……! とんだ野暮なことを……わしから出向くべきでしたな!」
――だめだ、話が通じない。
何をどう都合よく解釈し、勘違いしたのか理解できないが、どうやら前公爵のなかではマリアンヌが過去の事件を悔いており、実はずっとこの醜い塊に恋焦がれていた設定になっているようだった。……ということはあれだろうか。過去の拘束事件はマリアンヌの照れ隠しだったとでも解釈されてしまっているのだろうか。
もしや前公爵の脳内では「きゃは☆ 公爵だいちゅき! でも恥ずかしいから思わず捕まえちゃった☆」ともじもじするマリアンヌが住み着いているのだろうか? でなければ思考の帰結があまりにお花畑過ぎる。……マリアンヌはそう考えたら怖気で震えが止まらなかった。よし、処刑しよう。
「――そろそろいいかね」
女王の補佐の一人として罪状を読み上げる役目であったアンドレお父様が、眉間の皺を解しながら一歩前へと進み出た。前公爵にに色々な意味でドン引きし、二の句が告げれなくなっていたマリアンヌを見兼ねて出てきてくれたのであろう。
……ご苦労をおかけいたします。と、マリアンヌは大義名分得たりとばかりに全力で大股三歩下がって場をアンドレお父様へと譲った。
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