アトランティス

たみえ

文字の大きさ
6 / 31
序章 理想と創造

大陸創造

しおりを挟む

 自由な生命の息吹を創造して名付けた最初の大陸『リベリア』を創造出来たことで僅かな安堵を得たアトラは、次なる大陸を創造することにした。『リベリア』は人族の大陸。ならば次はファンタジーにつきものの種族、獣人族の大陸を創造しよう、とアトラは計画する。
 犬、猫、狼、牛、馬、兎などなど、多種多様な獣人の住む大陸である。獣人族は人族より基礎的な身体能力は高く設定しておく。それが定番というものだからである。

 それと大陸の名は……そうだ、『ドルデア』なんてどうだろうか。由来は木の精霊「ドリアード」、月の精霊「ルナティア」、死の精霊「デスアビス」、命の精霊「アヴィダ」にして、精霊として創造しよう。

 「ドリアード」は地脈を管理し、「ルナティア」は獣人族に加える予定の種族特性の象徴としての君臨、そしてその監視、管理に当て、「デスアビス」は死の循環を管理させようか。そして「アヴィダ」にはそのサポートをお願いしておけば、ほら、完璧! これで『ドルデア』大陸はいっちょあがりである。

 問題は『リベリア』にいわゆる管理する精霊という存在が無いことになるわけだが、代わりに魔力や気という不可思議を扱える器官を人族に与えることで相殺にしよう。獣人族には不思議器官は与えられないが、代わりに「ルナティア」の加護的なアレが与えられるし、これでお相子ではなかろうか。

 よし、これで二つの大陸は問題なし! 後は問題があれば四大精霊として創造した彼らが随時申告してくれることだろう。そう、プログラムされている。
 ……残念ながら、今のところ精霊に自己は無い。少し期待したものの当てが外れてアトラは暫し落ち込んだ。しかし、くよくよしても始まらない。稼働前のため、何の反応も無い精霊は放っておき、とりあえず他の大陸を創造せねばならない。


 次はファンタジー特有の種族から創造していこう。まずは敵キャラになりやすい魔族からである。正直、アトラとしては生前の魔族という種族の扱いに思うところがあったのだ。だからせめて己の世界ではただのひとつの種族として存在して欲しい。
 だが、万が一ということもある。人族や獣人族の大陸からは近くて遠い微妙な位置に配置しておこうとアトラは考えた。さらに『リベリア』や『ドルデア』側からは魔族の大陸に到達しても険しい山脈を配置することにした。大気圏を超えてまで魔族に会いに来るバカなどいないだろうという予想である。

 さらに山脈には最後の仕上げで強力無比な魔物という生物を配置予定なので、超えようとする手前で死ぬはずである。人類の敵! だなんてことになったらせっかくの理想郷の計画がおじゃんになるので、なんとしてもそんな展開は阻止したい。ファンタジーあるある許すまじ。
 そんなこんなで象られた魔族大陸には『サルゴン』とアトラは名付けた。由来は「去れ」と「厳し」の融合という単純明快なものであった。通じるかはともかく。

 魔族は特殊な種族として、魔力の塊で出来た種族としてアトラは創造する予定だった。つまり、魔力がある限り寿命は長いのである。ファンタジーの定番はアトラもしっかりと抑えていた。
 種族も悪魔から獣人に近い種族まで多種多様である。ちなみに獣人族と獣人族に近い魔族の違いは明確で、見た目である。魔族は兎なら本当に兎の頭になるが、獣人族は耳と尻尾だけで後は人族と一緒というご都合主義予定である。やはりこうでなくてはとアトラは創造の前段階の計画で満足する。

 魔族の食事は様々で、人族と同じ食事でも良いがそれぞれの種固有の食事方法もある。代表として挙げるなら吸血鬼やサキュバスなどが分かりやすい。そういう予定である。アトラはファンタジーの再現に余念が無いのであった。
 人族や獣人族と敵対しないように地形的にも閉ざされてはいるが初めての創造の為に何が起こるかはアトラにも分からない。全てが創造出来たら出来るだけ監視、もとい注意して見守ることとしようとアトラは決意した。

 そして少々の懸念を残しつつも、いよいよファンタジー定番であるエルフの大陸をアトラは創造開始するのである。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる

しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。 いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに…… しかしそこに現れたのは幼馴染で……?

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する 

namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。  転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。  しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。  凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。  詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。  それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。  「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」  前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。  痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。  そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。 これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...