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トウガラシくん
辛いものは食べられない。
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大変だ。チョコくんがいなくても大丈夫なのかな。
「わかった!大丈夫だから、心配しないで。平気平気!さびしいけど、チョコくんのおかげでいろんなもの食べられるようになったし!」
「アカネ……でも、」
冒険者ギルドに行ったチョコくんは、顔を真っ青にして帰ってきた。どこか怪我をしたのか慌てた俺に、1週間かかる依頼を頼まれた、と言った。少し離れた村にとても強いモンスターが出現して、そいつの討伐依頼。ここら辺の冒険者の中で、討伐経験があるのがチョコ君しか今いないみたい。チョコくんすごくない?
「私は、アカネが心配なんだよ。正直言えば、断りたかった……」
絶望したような顔のチョコくんの頭を撫でる。
「チョコくんのこと心配だけど、断らないでくれてよかった……」
S級冒険者はこういった依頼を受けることは義務のようなもの、というのを聞いたことがあるよ。
チョコくんが努力して冒険者になって、誇りを持って仕事をしていたことは、聞かなくてもわかる。チョコくんは一生遊んで暮らせるくらいのお金を持っている(見せてくれて鍵をくれた)。おれみたいに、自分のお金や生活のために働いてるんじゃない。いろんな、顔も知らない人のために今まで頑張ってきたんだ。それを俺が止める理由になっちゃだめだ。
チョコくんに会うまでは異世界転移した後も、たくましくひとりで生きてきたんだから、1週間くらい、どうってことはない……はず!
*
「いってらっしゃいチョコくん。絶対帰ってきてね……怪我に気をつけてね」
今日はチョコくんが討伐に行く日。朝から悲しそうな雰囲気のチョコくんは、一生の別れのようにぎゅっと俺を抱きしめていた。心配性なチョコくんに、いつもよりたっぷり朝食を食べさせてもらったのでちょっとねむい。
「私が依頼を終えるまでは、栄養をいっぱいとってほしいから。しばらくはジャムはあげない、アカネ、ごめんね」と言われてチョコくんが討伐行くことになった日から、ホット・チョコレートは封印されている。だから、チョコくんのにおいはちょっと今のおれには毒だ……。
「アカネ、魚は食べなくていいから。果物とか野菜とかを食べてね。あと、心配だから私がいない間は冒険者ギルドには行かないように。お金が足りなくなったらこの前のとこから自由に使ってね」
「うん、わかった……チョコくんに心配かけるのいやだし……今回は出来るだけ家にいる」
なんだか少し涙目?なチョコくんは、危険なモンスターを相手にするっていうのに俺ばっかりを心配している。
あ、そうそう「私の専属の治癒師として付いてきて欲しい」って頼まれたけど、断った。チョコくんのお腹を治しただけで魔力切れを起こしてしまう俺では、一緒に行っても足を引っ張るだけ。
今回の依頼は、教会からすごい治癒師が派遣されるらしい。チョコくんについていけたらよかったけど、仕方ない。
「ああ……心配だ。1人にするなんて……」
「もう!チョコくんのことのほうが心配なんだよ…?すごく不安、俺…ん、むっ」
これは、ちゅー、だろうか……。わー!!初めてチョコくんからキスされた!!俺はほぼ毎日チョコくんにキスをしてだけど、チョコくんからは一回もなかった。
あまくておいしいけど、心もなんだあったかい。
突然のことだったから目は開いたままで、じっとチョコくんを見つめてしまう。かっこいいなぁ。
……ついいつもの癖で、舌でぺろぺろ唇を舐めてしまう。正しいキスじゃないのはわかってるけどおいしいんだもの。
「んっ……っは、ぇ?……っ」
いつも固く閉ざされていたチョコくんの唇が、今日は、突然ぱかりと開いてチョコくんの舌と俺の舌が絡まった。舌を吸われると無意識に身体は動いちゃうし、舌のザラザラが触れ合うとすっごく気持ちいい。
いつのまにかチョコくんの舌が俺の口の中に入ってきていて、あばれまわる。唇や舌の裏、歯の下らへんをぐるぐるされて、おれへんだ……。力が抜けちゃって、腰をチョコくんの鍛え上げられた腕に支えられている。
チョコくんと呼吸を交換してるみたい。すごくあついし、時々聞こえるぴちゃぴちゃした音がちょっと恥ずかしい。
「は、ぁ、ちょこくん……くるし……」
.
これ、ディープキスだ。初めてした……。なんとか声をチョコくんにかけると、ようやく離れてくれた。きら~って俺とチョコくんの唇を繋いでいる光ってる糸は、俺のかチョコくんのかわからない唾液だ。俺は気づいた、チョコくんの唇の甘さの正体はチョコくんの唾液だったんだ。砂糖、だ。おいし……!
「っ……アカネ、突然ごめんね」
「ううん。きもちよかった……」
バクバクしている心臓を落ち着かせようとしながら、いつもより顔が赤いチョコくんをみる、余裕がなさそうな目をしていた。おれもおとこだから、それくらいわかる。
「帰ってきたら、またこのキスをしていいかな?」
「うん……!いっぱい食べて、帰ってくる頃にはえっちできるくらいになってるから!」
「わかった!大丈夫だから、心配しないで。平気平気!さびしいけど、チョコくんのおかげでいろんなもの食べられるようになったし!」
「アカネ……でも、」
冒険者ギルドに行ったチョコくんは、顔を真っ青にして帰ってきた。どこか怪我をしたのか慌てた俺に、1週間かかる依頼を頼まれた、と言った。少し離れた村にとても強いモンスターが出現して、そいつの討伐依頼。ここら辺の冒険者の中で、討伐経験があるのがチョコ君しか今いないみたい。チョコくんすごくない?
「私は、アカネが心配なんだよ。正直言えば、断りたかった……」
絶望したような顔のチョコくんの頭を撫でる。
「チョコくんのこと心配だけど、断らないでくれてよかった……」
S級冒険者はこういった依頼を受けることは義務のようなもの、というのを聞いたことがあるよ。
チョコくんが努力して冒険者になって、誇りを持って仕事をしていたことは、聞かなくてもわかる。チョコくんは一生遊んで暮らせるくらいのお金を持っている(見せてくれて鍵をくれた)。おれみたいに、自分のお金や生活のために働いてるんじゃない。いろんな、顔も知らない人のために今まで頑張ってきたんだ。それを俺が止める理由になっちゃだめだ。
チョコくんに会うまでは異世界転移した後も、たくましくひとりで生きてきたんだから、1週間くらい、どうってことはない……はず!
*
「いってらっしゃいチョコくん。絶対帰ってきてね……怪我に気をつけてね」
今日はチョコくんが討伐に行く日。朝から悲しそうな雰囲気のチョコくんは、一生の別れのようにぎゅっと俺を抱きしめていた。心配性なチョコくんに、いつもよりたっぷり朝食を食べさせてもらったのでちょっとねむい。
「私が依頼を終えるまでは、栄養をいっぱいとってほしいから。しばらくはジャムはあげない、アカネ、ごめんね」と言われてチョコくんが討伐行くことになった日から、ホット・チョコレートは封印されている。だから、チョコくんのにおいはちょっと今のおれには毒だ……。
「アカネ、魚は食べなくていいから。果物とか野菜とかを食べてね。あと、心配だから私がいない間は冒険者ギルドには行かないように。お金が足りなくなったらこの前のとこから自由に使ってね」
「うん、わかった……チョコくんに心配かけるのいやだし……今回は出来るだけ家にいる」
なんだか少し涙目?なチョコくんは、危険なモンスターを相手にするっていうのに俺ばっかりを心配している。
あ、そうそう「私の専属の治癒師として付いてきて欲しい」って頼まれたけど、断った。チョコくんのお腹を治しただけで魔力切れを起こしてしまう俺では、一緒に行っても足を引っ張るだけ。
今回の依頼は、教会からすごい治癒師が派遣されるらしい。チョコくんについていけたらよかったけど、仕方ない。
「ああ……心配だ。1人にするなんて……」
「もう!チョコくんのことのほうが心配なんだよ…?すごく不安、俺…ん、むっ」
これは、ちゅー、だろうか……。わー!!初めてチョコくんからキスされた!!俺はほぼ毎日チョコくんにキスをしてだけど、チョコくんからは一回もなかった。
あまくておいしいけど、心もなんだあったかい。
突然のことだったから目は開いたままで、じっとチョコくんを見つめてしまう。かっこいいなぁ。
……ついいつもの癖で、舌でぺろぺろ唇を舐めてしまう。正しいキスじゃないのはわかってるけどおいしいんだもの。
「んっ……っは、ぇ?……っ」
いつも固く閉ざされていたチョコくんの唇が、今日は、突然ぱかりと開いてチョコくんの舌と俺の舌が絡まった。舌を吸われると無意識に身体は動いちゃうし、舌のザラザラが触れ合うとすっごく気持ちいい。
いつのまにかチョコくんの舌が俺の口の中に入ってきていて、あばれまわる。唇や舌の裏、歯の下らへんをぐるぐるされて、おれへんだ……。力が抜けちゃって、腰をチョコくんの鍛え上げられた腕に支えられている。
チョコくんと呼吸を交換してるみたい。すごくあついし、時々聞こえるぴちゃぴちゃした音がちょっと恥ずかしい。
「は、ぁ、ちょこくん……くるし……」
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これ、ディープキスだ。初めてした……。なんとか声をチョコくんにかけると、ようやく離れてくれた。きら~って俺とチョコくんの唇を繋いでいる光ってる糸は、俺のかチョコくんのかわからない唾液だ。俺は気づいた、チョコくんの唇の甘さの正体はチョコくんの唾液だったんだ。砂糖、だ。おいし……!
「っ……アカネ、突然ごめんね」
「ううん。きもちよかった……」
バクバクしている心臓を落ち着かせようとしながら、いつもより顔が赤いチョコくんをみる、余裕がなさそうな目をしていた。おれもおとこだから、それくらいわかる。
「帰ってきたら、またこのキスをしていいかな?」
「うん……!いっぱい食べて、帰ってくる頃にはえっちできるくらいになってるから!」
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