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トウガラシくん
トウガラシくん+ミントさん=フルーツのにおい
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「ふぁ、ぁ……」
ギルドの救護室なんかより、薬の匂いがする場所で俺は目覚めた。病院なのかな?
「ん……か、からい」
そんなに強いからさではないけど、この部屋はぜんぶからいにおいがして、ちょっとつらい。
吐いている俺に優しくしてくれた人のことを考える。目の前で倒れたんだから、ここに連れてきてくれたのもきっとその人なんじゃないか。でも、そんなことより、あの人……
「チョコくん、だったよね?……でも、思い返せば言葉遣いだけじゃなくて、髪型も服装も違う。……でも、チョコくんにすごくそっくりだった……」
……寂しすぎて、チョコくんの幻覚を見てしまっていた可能性が高い。
「からいにおいがしたし」
あまぁいチョコレートのにおいがするのがチョコくんなのだから。
-ぐぅ-
「ぁ、お腹すいた」
ずーっとお腹は空いていた。でも、気を失う前までの身体の怠さはなんでかなくなっている。とりあえずお医者さんか助けてくれた人に、お礼を言わないと……ベッドから立ち上がった。
周りを見渡せば、やっぱり病院のようで色々な道具やらが置かれていた。目の前のドアノブをまわして、扉を開けると、目の前に、藍色の髪のお兄さんが立っていて俺を見て目を瞬かせた。
「あ!起きたんだね!元気そうでよかった~!」
すぐに満面の笑みを浮かべて「まだ病人なんだからベッドに戻ってね~ほら早く!」と言いながら、ぐいぐい俺をおして、ベッドに戻した。
「あ、あの…「俺の名前はルナっていいます。君の名前は?」あかね、です」
綺麗で柔らかい雰囲気のお兄さんは、結構強引だ……。
「ルナさん、あの、倒れてからその後のことわからなくて……教えてもらえませんか?」
「アカネちゃん、よろしくね。……えーと、ここは診療所で君に声をかけた男、カーティスさんがここに運んできてくれました。ま、危ない場所じゃないから安心してね。貧血とか空腹で倒れて、ちょっと魔法で回復したから倒れる前よりは、気分は悪くないと思う。……色々俺たちも聞きたいこともあるし、アカネちゃんももっと聞きたいことはあると思うけど、まずはこれ食べてね!」
どーんっと目の前に置かれたのは、スープ。ほかほかと湯気を立てていて食欲をそそる。
「野菜とお肉をとろっとろっになるまで煮込んだ栄養たっぷり特製スープです!あんまりご飯食べてなかったでしょ?お腹は空いてると思うけど、胃がびっくりしちゃうから、今日はこれで我慢してね」
ルナさんは、近くにあった椅子に、長い足を組んで座って俺が食べるのをにこにこと待ってくれている。
こんなに良くしてもらっているのに、これはからくて食べられないかもしれない。でも、……こんな優しいスープならもしかしたら……。
スプーンを使って、少し口に含む。
「からいっっ!!」
「!!アカネちゃん」
舌に伝わるとんでもないからさに、たった少し口に入れたスープを吐き出してしまった。けほけほとむせるおれの背中を、焦って立ち上がったルナさんが優しくさすってくれた。
「大丈夫!?お水のめる?」
水を口に入れると少し落ち着いた。やっぱりだめだったんだな……。
「るなさん、ごめんなさい……うええ……おれっぐずっ、」
申し訳なくて情けなくて,涙が出てくる。そんなおれをルナさんは抱きしめてくれた。甘いにおいも辛いにおいもしないけど、ルナさんからはミントのようなにおいがしておちつく。
「ああ、ごめんねアカネちゃん……!食べなくていいから、気にしないでね……ご飯どうしよかっか、食べたいものはある?」
ルナさんのぽんぽんしてくれる手とか声とかが優しくて、お兄ちゃん、いや、お母さんみたいでつい甘えてしまう。少し、落ち着いてきた。
「……チョコくんのほっとちょこれーと」
「ん?俺は知らないな……カーティスさんなら知ってるかなぁ?……ちょっと待ってね、カーティスさん呼んでくるついでにこのスープ片しちゃうから」
「ごめんなさい……」
「気にしないで!ちょっと待っててね」
ギルドの救護室なんかより、薬の匂いがする場所で俺は目覚めた。病院なのかな?
「ん……か、からい」
そんなに強いからさではないけど、この部屋はぜんぶからいにおいがして、ちょっとつらい。
吐いている俺に優しくしてくれた人のことを考える。目の前で倒れたんだから、ここに連れてきてくれたのもきっとその人なんじゃないか。でも、そんなことより、あの人……
「チョコくん、だったよね?……でも、思い返せば言葉遣いだけじゃなくて、髪型も服装も違う。……でも、チョコくんにすごくそっくりだった……」
……寂しすぎて、チョコくんの幻覚を見てしまっていた可能性が高い。
「からいにおいがしたし」
あまぁいチョコレートのにおいがするのがチョコくんなのだから。
-ぐぅ-
「ぁ、お腹すいた」
ずーっとお腹は空いていた。でも、気を失う前までの身体の怠さはなんでかなくなっている。とりあえずお医者さんか助けてくれた人に、お礼を言わないと……ベッドから立ち上がった。
周りを見渡せば、やっぱり病院のようで色々な道具やらが置かれていた。目の前のドアノブをまわして、扉を開けると、目の前に、藍色の髪のお兄さんが立っていて俺を見て目を瞬かせた。
「あ!起きたんだね!元気そうでよかった~!」
すぐに満面の笑みを浮かべて「まだ病人なんだからベッドに戻ってね~ほら早く!」と言いながら、ぐいぐい俺をおして、ベッドに戻した。
「あ、あの…「俺の名前はルナっていいます。君の名前は?」あかね、です」
綺麗で柔らかい雰囲気のお兄さんは、結構強引だ……。
「ルナさん、あの、倒れてからその後のことわからなくて……教えてもらえませんか?」
「アカネちゃん、よろしくね。……えーと、ここは診療所で君に声をかけた男、カーティスさんがここに運んできてくれました。ま、危ない場所じゃないから安心してね。貧血とか空腹で倒れて、ちょっと魔法で回復したから倒れる前よりは、気分は悪くないと思う。……色々俺たちも聞きたいこともあるし、アカネちゃんももっと聞きたいことはあると思うけど、まずはこれ食べてね!」
どーんっと目の前に置かれたのは、スープ。ほかほかと湯気を立てていて食欲をそそる。
「野菜とお肉をとろっとろっになるまで煮込んだ栄養たっぷり特製スープです!あんまりご飯食べてなかったでしょ?お腹は空いてると思うけど、胃がびっくりしちゃうから、今日はこれで我慢してね」
ルナさんは、近くにあった椅子に、長い足を組んで座って俺が食べるのをにこにこと待ってくれている。
こんなに良くしてもらっているのに、これはからくて食べられないかもしれない。でも、……こんな優しいスープならもしかしたら……。
スプーンを使って、少し口に含む。
「からいっっ!!」
「!!アカネちゃん」
舌に伝わるとんでもないからさに、たった少し口に入れたスープを吐き出してしまった。けほけほとむせるおれの背中を、焦って立ち上がったルナさんが優しくさすってくれた。
「大丈夫!?お水のめる?」
水を口に入れると少し落ち着いた。やっぱりだめだったんだな……。
「るなさん、ごめんなさい……うええ……おれっぐずっ、」
申し訳なくて情けなくて,涙が出てくる。そんなおれをルナさんは抱きしめてくれた。甘いにおいも辛いにおいもしないけど、ルナさんからはミントのようなにおいがしておちつく。
「ああ、ごめんねアカネちゃん……!食べなくていいから、気にしないでね……ご飯どうしよかっか、食べたいものはある?」
ルナさんのぽんぽんしてくれる手とか声とかが優しくて、お兄ちゃん、いや、お母さんみたいでつい甘えてしまう。少し、落ち着いてきた。
「……チョコくんのほっとちょこれーと」
「ん?俺は知らないな……カーティスさんなら知ってるかなぁ?……ちょっと待ってね、カーティスさん呼んでくるついでにこのスープ片しちゃうから」
「ごめんなさい……」
「気にしないで!ちょっと待っててね」
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