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そもそもの話の章
(5)
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無人の廊下は、静まり返っていた。階下から、屋内トレーニングをする生徒達の声が、かすかに聞こえてくるのみである。廊下の奥まで、ずっと並んだ扉はすべて閉まり、人の出てくる様子もなかった。
そっと、一つの扉に近づいて、中の様子を伺う。そこには、話をしたいと願う相手が、仲間と談笑する気配がした。
――話がしたいだけなんだ。たったそれだけなんだ。
そんなことが何より難しい、自分の不器用さが恨めしかった。”彼女”の激昂した様子を思い出すたび、自分という存在を諦めたくなる。
それでも、心のどこかで「わかってくれる」と信じている自分がいる。だからこそ、苦しかった。
悄然と肩を落とし、誰にも気づかれないように、そこを離れた。
――抜き足差し足、盗人のように恐々と歩く背中を、踊り場に身を潜めていた人物が、密かに見送っていた。
***
ハンドルを目いっぱい捻ると、蛇口からドドドと水が噴出した。
光は、両手でそれを受けると、顔面にバシャバシャと激しく叩きつける。
「ぶはぁっ」
水の冷たさに噎せながら、何度か同じ動きを繰り返すと、気分がスッキリしてきた。顔を上げると、鏡の中には顎から雫をたらしたまま、こちらを真っすぐ見る自分の顔があった。
「はっ、タオル!」
ミニタオルは、さっき陽に渡してしまっていた。運悪く、今日に限ってハンカチも持っていない。光は、ここにいない陽の顔を思い浮かべ、むらむらと怒りが再燃した。
(くそっ! 親切に貸してやらなきゃよかった!)
光は、ぷりぷりしながらポケットに入っていた、ポケットティッシュで顔を拭った。それから、女子トイレのドアを押し開けて廊下に出る。すぐに、運動部のトレーニングする威勢のいい掛け声が聞こえてき、余計に気分が盛り下がる。
こんな気分では、美術室には戻れない。すぐそばの壁に凭れて、スマホを取り出した。すいすいと慣れた手つきで操作し、アルバムの中の、たった一枚だけ画像が入ったフォルダを開いた。
その画像とは、一枚の”絵”である。
もう二年近く前に、海辺のスーパーマーケットに展示されていたものだ。
当時、光の私生活は最悪だった。生来の楽天的な性質をもってしても、このときは流石に人間不信に陥りそうなほど、参っていた。
「光、気分転換にどこか出かけませんか?」
そんなとき、光の精神状態を心配した星が、連れ出してくれたのだ。
学校をサボって平日に、星の兄である暁に車を出してもらい、海へドライブへ行った。車内では、暁の恋人の趣味だという、流行のラブソングが繰り返し流れていた。海が近づいてきて、窓を開けると、潮の匂いが絡んだ秋風が、どっと車の中に流れ込んできた。
だが、海水浴のシーズンが終わった砂浜を見ると、寂しかった。しばらく三人で砂浜を歩いていたが、光は「喉が渇いた」と言って、仲の良い兄妹から小走りに離れた。
二人が、自分の為にとても慎重に接してくれていると気付いていた。その分、すぐに元気になれないことが、情けなかったのだ。
海辺から少し離れたところに、寂れたスーパーマーケットがあった。眠そうな顔をした店員に勘定をすませ、品物を片手に店内をうろついていると、店の隅にある学芸コーナーに気がついた。
(なんだろう?)
ふらりと近づいて、それが高校の美術部の生徒の作品であると知れた。絵画から、工作のようなものまで、様々に飾られているようだった。部活、と考えて胸が重くなる。みるともなしに、展示のパーテーションの中を歩いていたが、一枚の絵に目が引き寄せられた。
それは、決して上手ではなかった。他の絵が油絵具で描かれているのに対し、アクリル水彩で描かれていたのも、子供っぽい感じがした。その上、塗り重ねすぎたのか、ところどころ画用紙がけばだってしまっている。ハッキリ言って、ポツンと隅に飾られているのが、納得の腕前であった。しかし、
(すごい一生懸命……ってかんじ)
――絵の中では、一人のピエロが、ステージの上で玉に乗っていた。しかし、客席に、観客はたったの一人もいない。それなのに、ピエロはまるで百万人の喝采を浴びているかのように、誇らしく胸を張っているのだ。スポットライトさえない真っ暗のステージの上で、ピエロの纏う極彩色の衣装が、星のように明るい。
描いてやる、という意思がひしひしと伝わってくる。技巧ではなく、おそらく、作者のもつ情熱というものに、光は圧倒された。光には、絵のよしあしがわからない。でも、この絵はとても好きだと思った。見ていると、何か胸の中がうずうずとするような、いてもたってもいられないような、そんな気分になる。それは、ここ最近の不運がおこってから、しばらく感じていない、感情の高ぶりだった。
(作者は――森住、北斗さん)
結局光は、探しに来た星に声をかけられるまで、絵を見つめていた。それでも、どうにも離れがたく、光は絵の前でスマホを構えて、「森住北斗」の情熱をひとかけら、持って帰ったのだ。
***
光は、スマホを大切に掲げもって、絵をつくづく眺めた。ほうと感嘆のため息をつく。
(やっぱり好きだなあ)
ほんわりと胸の内に火がともるような、熱い感動が満ちてゆく。初めて見た時から変わらず、起こる感覚であった。どれだけめちゃくちゃな気分のときにでも、この絵を見れば、なぜだか「大丈夫」になってしまう。今もそうで、苛立ちや焦燥感は、すでに遠くに行ってしまっていた。
(星ちゃんには、「まるで、ライナスの安心毛布みたいですね」って言われたっけ)
光は、画面を拡大すると、絵の中のピエロの背に、感謝を込めて指先で触れた。
そのとき、スマホが一瞬振動する。通知バナーがおりてきて、メッセージを受信したことが知らされた。
『星:わかりました。すぐに行きます』
『星:後で詳しい話を聞かせてくださいね』
開いてみれば、星からの頼もしい返事である。光は、星の速いレスポンスに驚きつつも、嬉しかった。生真面目な星は、平素なら生徒会の最中にメッセージに返信してくることはない。それなのに、こうして送ってきてくれたのは、陽と揉めたことを、余程心配してくれたのだろう。
光は、ありがたくて、星への友情で胸がいっぱいになった。
『光:ありがとう! あとでね!』
素早く返信を打つと、スマホを胸に抱いて、しばらくにこにことしていた。へこたれていられない、そんな気分である。
「よしっ!」
光は、完全に調子を取り戻して、ぐっと拳を握りしめると、力強い足取りで歩き出した。ずんずんとリノリウムの床を蹴り、並ぶ教室の扉をびゅんびゅん置き去りにしていく。アッという間に、美術室の扉の前に戻った光は、ガラリと勢いよく取っ手を引いた。
「やってやら~~ぃ!」
道場破りよろしく威勢よく叫んで、笑顔全開で室内に足を踏み入れた光は、そのままぴしりと固まった。
先客がいた。
もちろん、不法侵入ではない。青年は、この美術部に所属する三年である。美術部員らしく、光の置いていった瓶と椅子の前に座り、スケッチブックを開いて――ありえない勢いで美術室に飛び込んできた光に、目を丸くしていた。
「……藤間さん、こんにちは。戸の開閉は静かにな」
光より、一足早く我を取り戻したらしい青年が、少し困ったような顔で、挨拶をした。
「こ、こんにちは。すみません、気を付けます――森住先輩」
光は、固まった笑顔のまま、頭をばっと下げた。あんまり素直な光の様子に、森住がほんの少し笑った気配がした。
光は、十秒前の自分を気絶させることが出来るなら、神でも殺すと思った。
そっと、一つの扉に近づいて、中の様子を伺う。そこには、話をしたいと願う相手が、仲間と談笑する気配がした。
――話がしたいだけなんだ。たったそれだけなんだ。
そんなことが何より難しい、自分の不器用さが恨めしかった。”彼女”の激昂した様子を思い出すたび、自分という存在を諦めたくなる。
それでも、心のどこかで「わかってくれる」と信じている自分がいる。だからこそ、苦しかった。
悄然と肩を落とし、誰にも気づかれないように、そこを離れた。
――抜き足差し足、盗人のように恐々と歩く背中を、踊り場に身を潜めていた人物が、密かに見送っていた。
***
ハンドルを目いっぱい捻ると、蛇口からドドドと水が噴出した。
光は、両手でそれを受けると、顔面にバシャバシャと激しく叩きつける。
「ぶはぁっ」
水の冷たさに噎せながら、何度か同じ動きを繰り返すと、気分がスッキリしてきた。顔を上げると、鏡の中には顎から雫をたらしたまま、こちらを真っすぐ見る自分の顔があった。
「はっ、タオル!」
ミニタオルは、さっき陽に渡してしまっていた。運悪く、今日に限ってハンカチも持っていない。光は、ここにいない陽の顔を思い浮かべ、むらむらと怒りが再燃した。
(くそっ! 親切に貸してやらなきゃよかった!)
光は、ぷりぷりしながらポケットに入っていた、ポケットティッシュで顔を拭った。それから、女子トイレのドアを押し開けて廊下に出る。すぐに、運動部のトレーニングする威勢のいい掛け声が聞こえてき、余計に気分が盛り下がる。
こんな気分では、美術室には戻れない。すぐそばの壁に凭れて、スマホを取り出した。すいすいと慣れた手つきで操作し、アルバムの中の、たった一枚だけ画像が入ったフォルダを開いた。
その画像とは、一枚の”絵”である。
もう二年近く前に、海辺のスーパーマーケットに展示されていたものだ。
当時、光の私生活は最悪だった。生来の楽天的な性質をもってしても、このときは流石に人間不信に陥りそうなほど、参っていた。
「光、気分転換にどこか出かけませんか?」
そんなとき、光の精神状態を心配した星が、連れ出してくれたのだ。
学校をサボって平日に、星の兄である暁に車を出してもらい、海へドライブへ行った。車内では、暁の恋人の趣味だという、流行のラブソングが繰り返し流れていた。海が近づいてきて、窓を開けると、潮の匂いが絡んだ秋風が、どっと車の中に流れ込んできた。
だが、海水浴のシーズンが終わった砂浜を見ると、寂しかった。しばらく三人で砂浜を歩いていたが、光は「喉が渇いた」と言って、仲の良い兄妹から小走りに離れた。
二人が、自分の為にとても慎重に接してくれていると気付いていた。その分、すぐに元気になれないことが、情けなかったのだ。
海辺から少し離れたところに、寂れたスーパーマーケットがあった。眠そうな顔をした店員に勘定をすませ、品物を片手に店内をうろついていると、店の隅にある学芸コーナーに気がついた。
(なんだろう?)
ふらりと近づいて、それが高校の美術部の生徒の作品であると知れた。絵画から、工作のようなものまで、様々に飾られているようだった。部活、と考えて胸が重くなる。みるともなしに、展示のパーテーションの中を歩いていたが、一枚の絵に目が引き寄せられた。
それは、決して上手ではなかった。他の絵が油絵具で描かれているのに対し、アクリル水彩で描かれていたのも、子供っぽい感じがした。その上、塗り重ねすぎたのか、ところどころ画用紙がけばだってしまっている。ハッキリ言って、ポツンと隅に飾られているのが、納得の腕前であった。しかし、
(すごい一生懸命……ってかんじ)
――絵の中では、一人のピエロが、ステージの上で玉に乗っていた。しかし、客席に、観客はたったの一人もいない。それなのに、ピエロはまるで百万人の喝采を浴びているかのように、誇らしく胸を張っているのだ。スポットライトさえない真っ暗のステージの上で、ピエロの纏う極彩色の衣装が、星のように明るい。
描いてやる、という意思がひしひしと伝わってくる。技巧ではなく、おそらく、作者のもつ情熱というものに、光は圧倒された。光には、絵のよしあしがわからない。でも、この絵はとても好きだと思った。見ていると、何か胸の中がうずうずとするような、いてもたってもいられないような、そんな気分になる。それは、ここ最近の不運がおこってから、しばらく感じていない、感情の高ぶりだった。
(作者は――森住、北斗さん)
結局光は、探しに来た星に声をかけられるまで、絵を見つめていた。それでも、どうにも離れがたく、光は絵の前でスマホを構えて、「森住北斗」の情熱をひとかけら、持って帰ったのだ。
***
光は、スマホを大切に掲げもって、絵をつくづく眺めた。ほうと感嘆のため息をつく。
(やっぱり好きだなあ)
ほんわりと胸の内に火がともるような、熱い感動が満ちてゆく。初めて見た時から変わらず、起こる感覚であった。どれだけめちゃくちゃな気分のときにでも、この絵を見れば、なぜだか「大丈夫」になってしまう。今もそうで、苛立ちや焦燥感は、すでに遠くに行ってしまっていた。
(星ちゃんには、「まるで、ライナスの安心毛布みたいですね」って言われたっけ)
光は、画面を拡大すると、絵の中のピエロの背に、感謝を込めて指先で触れた。
そのとき、スマホが一瞬振動する。通知バナーがおりてきて、メッセージを受信したことが知らされた。
『星:わかりました。すぐに行きます』
『星:後で詳しい話を聞かせてくださいね』
開いてみれば、星からの頼もしい返事である。光は、星の速いレスポンスに驚きつつも、嬉しかった。生真面目な星は、平素なら生徒会の最中にメッセージに返信してくることはない。それなのに、こうして送ってきてくれたのは、陽と揉めたことを、余程心配してくれたのだろう。
光は、ありがたくて、星への友情で胸がいっぱいになった。
『光:ありがとう! あとでね!』
素早く返信を打つと、スマホを胸に抱いて、しばらくにこにことしていた。へこたれていられない、そんな気分である。
「よしっ!」
光は、完全に調子を取り戻して、ぐっと拳を握りしめると、力強い足取りで歩き出した。ずんずんとリノリウムの床を蹴り、並ぶ教室の扉をびゅんびゅん置き去りにしていく。アッという間に、美術室の扉の前に戻った光は、ガラリと勢いよく取っ手を引いた。
「やってやら~~ぃ!」
道場破りよろしく威勢よく叫んで、笑顔全開で室内に足を踏み入れた光は、そのままぴしりと固まった。
先客がいた。
もちろん、不法侵入ではない。青年は、この美術部に所属する三年である。美術部員らしく、光の置いていった瓶と椅子の前に座り、スケッチブックを開いて――ありえない勢いで美術室に飛び込んできた光に、目を丸くしていた。
「……藤間さん、こんにちは。戸の開閉は静かにな」
光より、一足早く我を取り戻したらしい青年が、少し困ったような顔で、挨拶をした。
「こ、こんにちは。すみません、気を付けます――森住先輩」
光は、固まった笑顔のまま、頭をばっと下げた。あんまり素直な光の様子に、森住がほんの少し笑った気配がした。
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