実録!自サバ女(元親友)の華麗なマウントについにブチギレた結果、無事に絶縁という運びになりました。

栗尾音色

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独身の頃からすでに始まっていたマウント

第4話

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マウントと一言にいっても、いろんな種類があるそうだ。
年収マウント、学歴マウント、恋愛マウント…などなど。
その一つが、結婚マウントだ。
結婚マウントといえば、Web上でもよく見かけるエッセイや記事などでもリアルなエピソードがたくさんある。
でも、そのどれもが『既婚者(もしくは結婚が決まった女性)から独身女性へのマウント』というものばかりなのだ。
自分の結婚が決まったからというだけで、途端に独身の友人を見下すような発言をし始める人が一部にいるらしい。
『結婚はいいよー、〇〇ちゃんも早く結婚しなよ!女は30超えると貰い手なくなるよ!』というような無神経な言葉を、彼氏が出来なくて悩んでいる友人に平気で言える人がいるみたいだ。

──しかし、私の場合はそれとはまったく正反対だったのだ。
わりとレアなケースなのかもしれない。

結婚と妊娠の報告をした後すぐ、私はカフェで真奈美と久しぶりに会った。
会うやいなや、私の姿を見た真奈美が口にした第一声は「うわ、太ったね!」だった。
太ったと言っても激太りしたわけでもなく、下半身が少しふっくらした程度だった。
そして、真奈美はさらに付け加えるのだ。
「〇〇ちゃんもサエと同じぐらいの妊娠週数だけど、まだそんなにお腹出てないよ?今から体重管理しとかないとやばくない?」
うるせえ、余計なお世話だよ。
…と、ついイラッとした私だったが、とっくに慣れていただけに聞き流すのは簡単だった。
しかし、これこそ壮絶なマウント&嫌味攻撃のほんの序章に過ぎなかったのだ。

まずは夫の敦について、だ。
歳下でまだ21歳という若さなだけに、収入や精神面などで心配されることは想定内だった。
しかし、真奈美からの言葉はどれもという理由で出てきたものだとは思えないのだ。

「ねぇ、旦那さんって仕事とかちゃんと出来るの?」
「え?うん、高収入ってわけじゃないけど毎日頑張ってるよ。」
「ふぅん。歳下だからつい心配になっちゃってさぁ…乗ってる車もヤン車みたいだし。前にみんなでご飯行った時にサエの彼氏が迎えに来たでしょ?あの時、ヤン車じゃんってみんなで話してたのよねぇ(笑)」

頼りなさそうだから心配してくれてるんだ?
じゃあ、なんでそんなに目を細めてニヤニヤ笑ってるの?
しかも車は関係なくね?
それに『みんなで話してた』って何?
それをいちいち言う意味は何?

「旦那さんの職場で一番長く働いてる人で、給料いくらぐらいなの?」

そんなこと聞いて一体なんの意味があるの?
まぁいいか、別に。

「確か旦那の話によれば、一番長く働いてる役員の人で45万ぐらいって言ってたかな?」

バカ正直に答えた私がバカだったのだ。

「えーーっ?!やっすーーーい!!」

まるで鬼の首を取ったように声を上げる真奈美。
まさかそう返ってくるとは思わなかった私はしばらく呆然とした。

「そうなんだぁ…じゃ、旦那さんの昇給にもあんまり期待できないね…」

こんなことを言われっ放しではさすがにいい気分ではなかったので、弁解しつつもいろいろ言い返していたふうに思う。
しかし、言い返すたびにその上からねじ伏せるような返しばかりが返ってくるのだ。
そして真奈美からのマウント攻撃は頂点へと達した。

※以下、真奈美の発言を忠実に一つにまとめます。

「でもほんとにデキ婚なんかでよかったの?何をどうすれば妊娠するかなんて、ちゃんとわかってたんだよね?私には無理だなぁー。私なら、相手からどうしても結婚して欲しいってお願いされたら考えるかもしれないけど!だからほんとサエってすごいと思っちゃった!(笑)私もね、実はアメリカに旅に出た元カレの〇〇くんからメールが来てさ、『もし俺がそっちに帰った時に彼氏がいなければその時はよろしく』って言われたの!これってさ、『結婚して欲しい』って意味だと思ってちょっと悩んでるんだよね!サエは別に彼氏から正式にプロポーズされて結婚したわけじゃないんだよね?(笑)あ、妊娠する前から結婚の話は出てたんだ?なるほどね、彼氏にとってはみたいな感じだったんだろうね!だって歳下だし?(笑)歳下なんて遊びでいいのにってずっと思ってたのよね。え、500円貯金なんかしてるの?!でもさ、それって毎回使えるお金がマイナス500円になってるってことだよね?お金に余裕がないサエにとってはマイナス500円は痛いだろうし、500円貯金なんかしたって意味ないと思うけど。あ、万が一の流産が怖くて仕事辞めたんだ?私なら妊娠しても仕事は続けるかな!だって、妊婦だからって甘えてるみたいで嫌じゃない?(笑)大変だね、お金に余裕がないなんて。私の友達もね、お金に余裕がないせいで夫婦仲も悪くなっちゃって結局離婚しちゃったからね。だからね……」
「お金に余裕がなかったら心にも余裕がなくなって、幸せにはなれないと思うの。」

──不思議と怒りの感情は沸かなかった。

なぜなら、これから結婚を控えている妊娠中の“友達”にここまで言える真奈美の精神状態が、どう見ても普通じゃないと思ったからだ。
私は真奈美に一つ質問した。

「真奈美…最近、何か辛いことでもあった?」
「え、別にないけど…なんで?」

その答えが真奈美の本心なのかはわからないけど、もしかしたら本当は、自分の恋愛があまりうまくいってなかったのかもしれない。
それでもやっぱり、私の中ではもう真奈美は…
“友達”ではなくなっていた。
向けられているものが悪意なのだから、私から真奈美に返せるものなど何もないのだ。
そして…

「ねぇ、夫婦仲がうまくいってる友達に秘訣とかいろいろ聞いといてあげようか?先輩の話ってためになると思うよ!私…サエのことがだからさ!とにかく、頑張ってね?」

そんな余計すぎるお節介を、私はやんわりと断るのだった──。
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