GAMEのはじまり〜運命の人選びの赤い糸をかけた争い〜

キハ

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GAME

好きな人にアタックしましょう

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「っつ‼ムカつくわ……あいつ‼」

 ルミナが去った後ユルミはギリギリと歯ぎしりをした。

「魔法が無いくせに、ウザくね?」
「だねー」
 

 ユルミの隣りにいたミナが同調する。

「カントル様が推薦した方だから、いじめも行われていないみたい。魔法なしだったら即退学の上に、いじめの対処だよ」
「ほんっと。なんで、あんな奴が推薦されたんだか」

 ユルミは悔しそうにつぶやく。
 彼女もルミナを叩きのめしたい。
 けれど、後ろに副校長カントルがいるので手出しができないのだ。

「……でも」

 絶対、叩きのめしてやる‼と心の中に引っ込めてユルミは授業の準備をし始めた。


♱⋰ ⋱✮⋰ ⋱♱⋰ ⋱✮⋰ ⋱♱⋰ ⋱✮⋰ ⋱♱⋰⋱


 ユルミは運命の人の選択を誰にしようか、思案するためにクラスメイトを見回した。

 目立っていて、優しい。
 下僕にする甲斐がある人。

「……あ」

 ユルミは目立つ男子グループの中の一人に焦点を定めた。

「意外といいかもね」

 イーザン・ルー・カリュ
 彼に焦点を定めたのだった。


 早速アタック開始。
 幸いなことに、イーザンと隣だった。
 だが、イーザンの後ろにルミナがいるが。

 ユルミは、イーザンの机に手をのばす。
「何を悩んでるの?」
 明らかにイーザンは教科書で悩んでいた。
 まずはそこから。

「……意味がわからない」
「ヒール??」

 ユルミは絶句した。
 ユルミも分からなかったが、口に出さなかった部分である。

「た、たぶん、」
「回復魔法のこと」

 サラッと後ろから声が聞こえた。

「もう、大学生でしょ。初心者的な用語なのに」
 
 呆れたようなルミナの声がする。

「……そ、そうだった。ど忘れして~」

 ユルミは愛想笑いをする。
 しかし、心のなかでは、焦っていた。
 ルミナに取られた。アタックのチャンスを‼

「基礎知識を忘れてた」

 イーザンは気にしていない様子で、納得とつぶやく。

「じゃあ、これは」
「これは?」

 次からはルミナに聞くようになったイーザン。

 ユルミは歯ぎしりをする。

(私の出番を‼許せないっ!魔法が使えないくせにっ!)

 ユルミの怒りはごもっともだった。
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