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魔法対戦で勝ちましょう
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マディアはゆっくりと微笑んだ。
「なぜ、そんなに楽しそうなんだ?」
隣りにいたカントルが不思議そうに聞く。
「だって、嬉しいんです。真実の愛探しに一生をかける生徒たちを見ていると」
「……??」
カントルは首をかしげた。
マディアは分からないでしょうね、と告げる。
「生徒たちに、運命の人を見つけたら最高の人生をあげる、しかし、間違えたら……退散と煽りましたの」
「……──」
次の瞬間、カントルは、はぁぁぁ?と言う。
「何をした!?退散?って、それ……死のことだろ!?」
「死なんて言葉たやすく使わないほうがよろしくて?」
「そういう問題じゃない。魔法使いは退散すると……力をなくすから、死ぬことになるんだぞ!?」
「相変わらず頭の固いお方。副である貴方は口をつむんだほうがいいですよ」
マディアは楽しそうに微笑んだ。
カントルは、悔しさ紛れに口を閉ざす。
確かに自分は副校長なのだから。
(ルミナに知らせないと)
ルミナは魔法があるが、まだ目覚めていない。
そのままで、抵抗せず退散されると死に値する。
カントルはルミナに知らせるために、校長室を飛び出した。
♱⋰ ⋱✮⋰ ⋱♱⋰ ⋱✮⋰ ⋱♱⋰ ⋱✮⋰ ⋱♱⋰⋱
ルミナを推薦したのは理由があった。
彼女は自分が魔法使いと気付いていなく、普通の中学生として生活していた。
笑顔溢れて、友だちに囲まれていた彼女を転校させるのには気が引けたが、魔法高校に転校させたのだ。
初めて、ルミナを見たときに、魔法石の気配がしたのだ。
魔法使いは、体内に魔法石を持っている。
そして、それが命の核でもある。
今まで見てきた魔法石の気配より大きな気配がした。
それを見込んで、魔法高校に入学さてたのだ。
そして、7年後──今は、大学4年生。
まだ、魔法に目覚めていないから、魔法がないやつとよくからかわれたことだろう。
でも、カントルには、彼女が魔法に目覚めてほしかった。
だから、今でも彼女の後ろで補佐をしている──。
♱⋰ ⋱✮⋰ ⋱♱⋰ ⋱✮⋰ ⋱♱⋰ ⋱✮⋰ ⋱♱⋰⋱
ユルミの挑戦はまだまだ続く。
そして、いつもイーザンばかり目で追っていた。
体育の魔法授業では、イーザンは大いに活躍していた。
魔法を軽く使った対抗戦。
グループは、イーザンとユルミ、カントル、もう一人、ハルセイという魔法使いの4人グループだった。
相手も4人。
ミナ、ルーカス、リーナ、ドントという4人の魔法使いだ。
「はじめ‼」
相手を全滅させれば勝ち。
まず、始めにハルセイが、敵にかかっていく。
「行くぞ‼……!?」
いきなり、木に頭をぶつけ、転がった。
「何やってんだよ」
イーザンが呆れ顔で言う。
「じゃあ、私が!」
今回こそ、いいところを見せてやる!という感じでユルミが突撃したが。
いきなり、目の前に敵のミナがいた。
「ミナ!?」
ドゴーン!
次の瞬間、ドントから岩を打ち込まれ、ユルミの体が吹き飛ぶ。
「っつ!」
痛みに気絶しようとしたが、なんとか立ち上がる。
「攻撃が上手いな……あっちは」
ハルセイとユルミが戦闘不可。
残るはルミナとイーザン。
しかし、ルミナは魔法が使えない。
「……はあ」
ため息をつき、イーザンは少し遠くにいるドントめがけて走ろうとしたが。
「まって‼」
ルミナの声でイーザンは振り返る。
「‼」
進もうとしていたところに岩が飛んできた。
前にいるドントは力を発動した気配がない。
どういうことだ?
「イーザン‼私の言うとおりに進んで‼」
魔法が使えないのに、ルミナは誘導してくる。
けれども、イーザンだって手出しがない。
ルミナに従うことにした。
「右‼左‼岩、来る!」
「次は、突入……あ、変わった、後ろに避けて‼」
「左に発射‼」
言われるままに、左に炎を放つと、悲鳴が聞こえた。
「!?」
とたんに、視界が変わる。
そこは、周りに敵がいた。
火傷で苦しんでいるのは幻を主流とするリーナ。
「わたしの幻が見破られた……?」
「ドントから攻撃きてる!」
ルミナの叫び声で、イーザンは、かかってくる敵をあしらいはじめた。
その間に、火傷をおっているリーナにルーカスが駆け寄る。
「今、治療するから」
とたんに、リーナの体が白色に包まれ、怪我が跡形もなく消えていた。
「白魔法に幻……苦戦したよ」
声。
リーナの近くにルミナがいた。
「ルーカスは、治療はできるけど、戦闘はできないの?グループ戦でしか使えない能力」
「そうだよ」
悔しみ紛れにルーカスが答える。
「それに、リーナは個人でも相手にできるけど、主流は大勢の人を相手にする。戦争なんか起きても、貴方一人だけの力で勝てるかもね」
淡々とルミナは力を分析していた。
「なんで、わたしたちの力の分析ができるの……?」
リーナは聞いてみたが、ルミナは無言。
「終了‼」
気づけば試合終了の合図がかかっていた。
後の二人をイーザン一人で倒したのだ。
イーザン、ルミナ、ハルセイ、ユルミのチームは勝ったことになる。
「なぜ、そんなに楽しそうなんだ?」
隣りにいたカントルが不思議そうに聞く。
「だって、嬉しいんです。真実の愛探しに一生をかける生徒たちを見ていると」
「……??」
カントルは首をかしげた。
マディアは分からないでしょうね、と告げる。
「生徒たちに、運命の人を見つけたら最高の人生をあげる、しかし、間違えたら……退散と煽りましたの」
「……──」
次の瞬間、カントルは、はぁぁぁ?と言う。
「何をした!?退散?って、それ……死のことだろ!?」
「死なんて言葉たやすく使わないほうがよろしくて?」
「そういう問題じゃない。魔法使いは退散すると……力をなくすから、死ぬことになるんだぞ!?」
「相変わらず頭の固いお方。副である貴方は口をつむんだほうがいいですよ」
マディアは楽しそうに微笑んだ。
カントルは、悔しさ紛れに口を閉ざす。
確かに自分は副校長なのだから。
(ルミナに知らせないと)
ルミナは魔法があるが、まだ目覚めていない。
そのままで、抵抗せず退散されると死に値する。
カントルはルミナに知らせるために、校長室を飛び出した。
♱⋰ ⋱✮⋰ ⋱♱⋰ ⋱✮⋰ ⋱♱⋰ ⋱✮⋰ ⋱♱⋰⋱
ルミナを推薦したのは理由があった。
彼女は自分が魔法使いと気付いていなく、普通の中学生として生活していた。
笑顔溢れて、友だちに囲まれていた彼女を転校させるのには気が引けたが、魔法高校に転校させたのだ。
初めて、ルミナを見たときに、魔法石の気配がしたのだ。
魔法使いは、体内に魔法石を持っている。
そして、それが命の核でもある。
今まで見てきた魔法石の気配より大きな気配がした。
それを見込んで、魔法高校に入学さてたのだ。
そして、7年後──今は、大学4年生。
まだ、魔法に目覚めていないから、魔法がないやつとよくからかわれたことだろう。
でも、カントルには、彼女が魔法に目覚めてほしかった。
だから、今でも彼女の後ろで補佐をしている──。
♱⋰ ⋱✮⋰ ⋱♱⋰ ⋱✮⋰ ⋱♱⋰ ⋱✮⋰ ⋱♱⋰⋱
ユルミの挑戦はまだまだ続く。
そして、いつもイーザンばかり目で追っていた。
体育の魔法授業では、イーザンは大いに活躍していた。
魔法を軽く使った対抗戦。
グループは、イーザンとユルミ、カントル、もう一人、ハルセイという魔法使いの4人グループだった。
相手も4人。
ミナ、ルーカス、リーナ、ドントという4人の魔法使いだ。
「はじめ‼」
相手を全滅させれば勝ち。
まず、始めにハルセイが、敵にかかっていく。
「行くぞ‼……!?」
いきなり、木に頭をぶつけ、転がった。
「何やってんだよ」
イーザンが呆れ顔で言う。
「じゃあ、私が!」
今回こそ、いいところを見せてやる!という感じでユルミが突撃したが。
いきなり、目の前に敵のミナがいた。
「ミナ!?」
ドゴーン!
次の瞬間、ドントから岩を打ち込まれ、ユルミの体が吹き飛ぶ。
「っつ!」
痛みに気絶しようとしたが、なんとか立ち上がる。
「攻撃が上手いな……あっちは」
ハルセイとユルミが戦闘不可。
残るはルミナとイーザン。
しかし、ルミナは魔法が使えない。
「……はあ」
ため息をつき、イーザンは少し遠くにいるドントめがけて走ろうとしたが。
「まって‼」
ルミナの声でイーザンは振り返る。
「‼」
進もうとしていたところに岩が飛んできた。
前にいるドントは力を発動した気配がない。
どういうことだ?
「イーザン‼私の言うとおりに進んで‼」
魔法が使えないのに、ルミナは誘導してくる。
けれども、イーザンだって手出しがない。
ルミナに従うことにした。
「右‼左‼岩、来る!」
「次は、突入……あ、変わった、後ろに避けて‼」
「左に発射‼」
言われるままに、左に炎を放つと、悲鳴が聞こえた。
「!?」
とたんに、視界が変わる。
そこは、周りに敵がいた。
火傷で苦しんでいるのは幻を主流とするリーナ。
「わたしの幻が見破られた……?」
「ドントから攻撃きてる!」
ルミナの叫び声で、イーザンは、かかってくる敵をあしらいはじめた。
その間に、火傷をおっているリーナにルーカスが駆け寄る。
「今、治療するから」
とたんに、リーナの体が白色に包まれ、怪我が跡形もなく消えていた。
「白魔法に幻……苦戦したよ」
声。
リーナの近くにルミナがいた。
「ルーカスは、治療はできるけど、戦闘はできないの?グループ戦でしか使えない能力」
「そうだよ」
悔しみ紛れにルーカスが答える。
「それに、リーナは個人でも相手にできるけど、主流は大勢の人を相手にする。戦争なんか起きても、貴方一人だけの力で勝てるかもね」
淡々とルミナは力を分析していた。
「なんで、わたしたちの力の分析ができるの……?」
リーナは聞いてみたが、ルミナは無言。
「終了‼」
気づけば試合終了の合図がかかっていた。
後の二人をイーザン一人で倒したのだ。
イーザン、ルミナ、ハルセイ、ユルミのチームは勝ったことになる。
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