GAMEのはじまり〜運命の人選びの赤い糸をかけた争い〜

キハ

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GAME

あの人にドキドキさせましょう

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 悔しい。

 魔法対戦でいいところを、ルミナに持っていかれたから。

 自分が活躍するはずだったのに‼

 そう、思うユルミは次の手段に移る。

『ドキドキ大作戦‼』

 イーザンをドキドキさせて、自分に振り向かせるのだ。

 まずは、言葉から。

「あのさ、魔法対戦のときに、かっこよかったね。二人に対して、一人で片付けるなんて」

 ドキドキしてよ‼そう願う瞳で見つめたが──。

「炎だったら簡単にやつけられる」

 と一言。

「で、でも、すごくない?」
「いや、すごかったのはルミナだと思うよ。ルミナがいなかったら幻に惑わされていたから」

 と、ムカーとなる言葉が返ってきた。

「だって、ルミナ、魔法使えない役立たずじゃん?」
「……まあね。でも、役に立ってるとは思うけど」

 なんと、ルミナを応援する言葉が。

 ユルミは顔を真っ赤にさせて(怒りで)席を立っていった。

♱⋰ ⋱✮⋰ ⋱♱⋰ ⋱✮⋰ ⋱♱⋰ ⋱✮⋰ ⋱♱⋰⋱

 ユルミとイーザンの会話を聞いていたルミナ。

(役に立ってる……?)

 自分は魔法がないのに、カントルに推薦され、入学した。
 だから、みんなからの嫉妬、理不尽、全て集まった視線が送られる。
 喧嘩を売られてこともあった。

 けれど、無駄な争いはしたくないので、無視。

 退学しようとしても、カントルに止められてしまう。

 自分は何のためにいるのか。
 誰かに役立っているわけでもないから。

 ──だけど。

 イーザンは、ユルミに、「でも、役に立っているとは思うけど」と言っていた。

(っつ!ウソつけ‼成り上がらせるせるためなんだよ!きっと……)

 でも、久しぶりにドキドキ感を味わったルミナであった。

♱⋰ ⋱✮⋰ ⋱♱⋰ ⋱✮⋰ ⋱♱⋰ ⋱✮⋰ ⋱♱⋰⋱

(ルミナって、魔法使えないのに、よく幻を見破ったなー)

 イーザンは心の中でつぶやく。

(あのおかげで、勝てたんだし)
 
 感謝はしなければ、と思う。

 イーザンと、ルミナ──新たな物語がはじまる、(!?)
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