4 / 27
4.部屋は自分の居場所だから……
しおりを挟む
「おお、すみません。シャノン様。どうやら手違いで部屋の掃除が出来ていなかったようです。ここより少し手狭ですが、別の部屋が空いております。ご案内しましょう」
ルーダさんがそう言って、部屋から出るように促そうとする。
でも、私は別にそんなに酷い部屋だとは思わなかった。
確かに、埃も積もってるし、ところどころ汚れてもいる。
でも、だったら、
「掃除すればいいだけでは?」
私は何の躊躇もなく、そう言った。
「「は?」」
なぜか、ルーダさんとアンの声がはもったのだった。
唖然とするアンに、私は私は更に伝える。
「それに見てみて、アン。この椅子やベッドなんて、本当に素晴らしい調度品だわ。確かに汚れているけれども、しっかりと掃除すればちゃんと使えるわよ」
私はなんのてらいもなく言う。でも、
「た、確かにそうかもしれません。で、でも、こんな汚れた部屋あんまりじゃないですか。何よりお嬢様はお身体がそれほど強くありません。だから奇麗な部屋を用意してもらった方が!」
アンが私を案じてくれる。
そう私は体がそれほど丈夫ではない。その意味ではアンの言う通りにすべきかもしれない。
でも私は首を横に振り、
「いいのよ」
と微笑んだ。
「え?」
「この公爵家に嫁いで来て用意してくれた部屋なのだし。私、何かをしてもらったことは初めてなの。だから、別になんとも思わないわ。むしろ、ね」
私はもう一度微笑んで、
「とても嬉しいのよ」
「お嬢様。なんて健気な……」
「全然そんなじゃないのよ。勘違いしないで」
本当に、単純に、嬉しかっただけなのだから。どんなものであろうと、公爵家が私に居場所を用意してくれたことには変わりないのだ。
それは、伯爵家で居場所がなかった私には、とても嬉しいことなのよ。
「それに、ルーダさんもおっしゃってたでしょう? 単なる手違いなのだから何の問題もありません。ね、だから早く掃除をしましょう? 公爵様とのお顔合わせに間に合わなくなってしまうわよ? その方が大変だわ」
私はルーダさんを見ると、
「公爵様とのお顔合わせはいつ頃になりますか?」
「あと4時間ほど後になる予定です」
「ふふ、それなら大丈夫そうね」
私が再び微笑む。
すると、なぜかアンが思案顔になった。
「どうしたのかしら?」
私は疑問に思って首を傾げた。すると、
「よ、4時間でこの部屋を一人で奇麗にするのは無理かもしれません。他に人手もありませんし……」
「まあ、アンったら、うふふ?」
「へっ?」
突然笑い出した私に、アンは怪訝な顔をする。
本当に表情がコロコロ変わって可愛い子ね。
「私が掃除するのよ。私が頂いた部屋なんだもの。でも、そうね、申し訳ないけど、私だけでは間に合わないかもしれないのも確かね。だから、手伝ってくれるかしら、アン?」
そうお願いした。
すると、
「お嬢様が掃除を!? いえ、何をおっしゃってるんですか!? それはメイドの仕事ですし、そもそもお嬢様はさっきも言った通りお身体がっ……!」
「お願い、アン。頂いた部屋を。自分の居場所をちゃんと自分で奇麗にしたいの」
「お、お嬢様……。そこまで言われたら、アンはシャノンお嬢様のそのお心に従います」
「ありがとう、アン。体調には気を付けるわ」
「本当にそうなさってください、ぐす」
「……なんで泣いてるの?」
「あまりにお嬢様が健気だから……ぐす」
「大げさねえ、うふふ」
涙ぐんでいるアンの微笑みを浮かべてから、私はルーダさんに言った。
「すみませんが、雑巾と桶、それから箒などもお貸しいただきたいのですが可能でしょうか?」
その質問にルーダさんはなぜかまじめな表情で頷いて、
「ええ、ええ。もちろんですとも、奥様。この城のものは奥様のものでもあるのですから。すぐに手配をしましょう。その、奥様はお身体がそれほど強くないのでしたら、手伝いのメイドを寄越すことも出来ますが……?」
「いえいえ。まだ公爵様との顔合わせも済んでいない私がそんな厚かましいことをするつもりはありません。ですが道具はどうしても必要ですので、お借りさせていただけますとありがたいです」
「承知しました。奥様。……ご立派な方ですな」
? 最後何か言われた気がしたが、声が小さくて聞きそびれてしまった。
ルーダさんはその後すぐにリクエスト通りの掃除道具をしっかりと届けてくれる。
「さてやりましょう、アン」
「本当に、お嬢様も掃除をされるんですか?」
「心配かけてごめんなさい」
「いえ、お嬢様のお心はよく分かりました。そういうことでしたらこのアン、命をかけてお手伝いいたします」
「うふふ、ありがとう」
大げさなアンの態度を面白く思いながらも、私は冷たい水に手を付けて、雑巾をしぼって水を切ったのだった。
とりあえず調度品から磨いて、その後に掃き掃除。最後にもう一度拭き掃除かな、などと頭の中で段取りを決めながら。
「いやー、なんとか間に合うとは思いましたね」
「ふふふ。やれば出来るものよ」
「ですが、ああいうのはメイドの私の仕事です。今後は私がやりますので、よ・ろ・し・く・お・ね・が・い・し・ま・す・ね! お嬢様!」
「分かっているわ。今回だけのわがままだわ。心配かけてごめんなさい。こほ」
「ほら、お咳が。お身体が丈夫ではないのに、無理なさるから」
「だって、嬉しかったのですもの。ちゃんと自分でしたかったの。けほ」
「お嬢様、はい。分かっています。私のお嬢様」
そう言って、お風呂に入った私の髪を梳いてくれた。
その手付きは丁寧で労りに満ちている。
こんな不出来な私のどこがいいのか知らないが、アンはとても親切だ。
「お嬢様に幸運が訪れますように」
本当に私なんかにはもったいない子ね。
(私が捨てられる時でも、この子だけはちゃんと将来ここにとどまるか、違う仕事を紹介してもらえるようにしよう)
そう思うのだった。
さて、そろそろ準備を始める時間だ。
髪も梳いてもらったし、本格的に身だしなみを整える。
ドレスは部屋のクローゼットに豪華なものが沢山入っていたが、自分で持ってきたドレスを着用する。
青色の地味なもので、柄もシンプルなものだ。妹がピンク色の可愛らしいドレスを常に身にまとっていたことに比べると、正反対だ。
でも、妹にも「お姉様にはそれくらい地味なドレスがお似合いですよ」と実際に言われている。
だから、公爵家のクローゼットに用意されているような派手なドレスを身にまとう気にはなれない。
きっと私には似合わないだろう。
アンは「絶対似合いますから! このヴァイオレット色のドレスも! あっ、このフリルがふんだんにあしらわれたピンクもきっと似合いますよ!」と力説されたが、お世辞なのは自分でよくわかっている。
と、そうこう準備をしているうちに、約束の時間になった。
最後まで残念な表情をしていたアンも、既に専属メイド用に用意された部屋へ帰している。
ええっと、顔合わせの会場までの案内には、他の使用人の方か誰かが迎えに来てくれるのかしら?
そう思っていると、案の定、ドアをノックする音がした。
コンコン、と。
「あ、はい、どうぞお入りになってください」
そう言って、呼びに来てくれた使用人を招き入れた。……つもりだった。
「お前が欲に目がくらんでのこのこやって来たシャノン=スフィア伯爵令嬢か」
「え?」
私は目を疑った。
顔合わせは、どこか別の部屋にやると思っていたのだ。
なのに、いきなり。
「何だ、今度の女はまともにしゃべることもできないのか? まぁいい。どうせ他の女どもと同様、すぐに出て行くことになるだろうからな」
彼は一方的にそう言うと、
「俺の名前はロベルタ=グランハイム。ま、どうせ短い付き合いになるだろうがな」
それは、この国で王家の次に最大の領土を持つ大公爵。
その若き当主、ロベルタ=グランハイム様が、一人で私の部屋へと押しかけて来たのだった。
ルーダさんがそう言って、部屋から出るように促そうとする。
でも、私は別にそんなに酷い部屋だとは思わなかった。
確かに、埃も積もってるし、ところどころ汚れてもいる。
でも、だったら、
「掃除すればいいだけでは?」
私は何の躊躇もなく、そう言った。
「「は?」」
なぜか、ルーダさんとアンの声がはもったのだった。
唖然とするアンに、私は私は更に伝える。
「それに見てみて、アン。この椅子やベッドなんて、本当に素晴らしい調度品だわ。確かに汚れているけれども、しっかりと掃除すればちゃんと使えるわよ」
私はなんのてらいもなく言う。でも、
「た、確かにそうかもしれません。で、でも、こんな汚れた部屋あんまりじゃないですか。何よりお嬢様はお身体がそれほど強くありません。だから奇麗な部屋を用意してもらった方が!」
アンが私を案じてくれる。
そう私は体がそれほど丈夫ではない。その意味ではアンの言う通りにすべきかもしれない。
でも私は首を横に振り、
「いいのよ」
と微笑んだ。
「え?」
「この公爵家に嫁いで来て用意してくれた部屋なのだし。私、何かをしてもらったことは初めてなの。だから、別になんとも思わないわ。むしろ、ね」
私はもう一度微笑んで、
「とても嬉しいのよ」
「お嬢様。なんて健気な……」
「全然そんなじゃないのよ。勘違いしないで」
本当に、単純に、嬉しかっただけなのだから。どんなものであろうと、公爵家が私に居場所を用意してくれたことには変わりないのだ。
それは、伯爵家で居場所がなかった私には、とても嬉しいことなのよ。
「それに、ルーダさんもおっしゃってたでしょう? 単なる手違いなのだから何の問題もありません。ね、だから早く掃除をしましょう? 公爵様とのお顔合わせに間に合わなくなってしまうわよ? その方が大変だわ」
私はルーダさんを見ると、
「公爵様とのお顔合わせはいつ頃になりますか?」
「あと4時間ほど後になる予定です」
「ふふ、それなら大丈夫そうね」
私が再び微笑む。
すると、なぜかアンが思案顔になった。
「どうしたのかしら?」
私は疑問に思って首を傾げた。すると、
「よ、4時間でこの部屋を一人で奇麗にするのは無理かもしれません。他に人手もありませんし……」
「まあ、アンったら、うふふ?」
「へっ?」
突然笑い出した私に、アンは怪訝な顔をする。
本当に表情がコロコロ変わって可愛い子ね。
「私が掃除するのよ。私が頂いた部屋なんだもの。でも、そうね、申し訳ないけど、私だけでは間に合わないかもしれないのも確かね。だから、手伝ってくれるかしら、アン?」
そうお願いした。
すると、
「お嬢様が掃除を!? いえ、何をおっしゃってるんですか!? それはメイドの仕事ですし、そもそもお嬢様はさっきも言った通りお身体がっ……!」
「お願い、アン。頂いた部屋を。自分の居場所をちゃんと自分で奇麗にしたいの」
「お、お嬢様……。そこまで言われたら、アンはシャノンお嬢様のそのお心に従います」
「ありがとう、アン。体調には気を付けるわ」
「本当にそうなさってください、ぐす」
「……なんで泣いてるの?」
「あまりにお嬢様が健気だから……ぐす」
「大げさねえ、うふふ」
涙ぐんでいるアンの微笑みを浮かべてから、私はルーダさんに言った。
「すみませんが、雑巾と桶、それから箒などもお貸しいただきたいのですが可能でしょうか?」
その質問にルーダさんはなぜかまじめな表情で頷いて、
「ええ、ええ。もちろんですとも、奥様。この城のものは奥様のものでもあるのですから。すぐに手配をしましょう。その、奥様はお身体がそれほど強くないのでしたら、手伝いのメイドを寄越すことも出来ますが……?」
「いえいえ。まだ公爵様との顔合わせも済んでいない私がそんな厚かましいことをするつもりはありません。ですが道具はどうしても必要ですので、お借りさせていただけますとありがたいです」
「承知しました。奥様。……ご立派な方ですな」
? 最後何か言われた気がしたが、声が小さくて聞きそびれてしまった。
ルーダさんはその後すぐにリクエスト通りの掃除道具をしっかりと届けてくれる。
「さてやりましょう、アン」
「本当に、お嬢様も掃除をされるんですか?」
「心配かけてごめんなさい」
「いえ、お嬢様のお心はよく分かりました。そういうことでしたらこのアン、命をかけてお手伝いいたします」
「うふふ、ありがとう」
大げさなアンの態度を面白く思いながらも、私は冷たい水に手を付けて、雑巾をしぼって水を切ったのだった。
とりあえず調度品から磨いて、その後に掃き掃除。最後にもう一度拭き掃除かな、などと頭の中で段取りを決めながら。
「いやー、なんとか間に合うとは思いましたね」
「ふふふ。やれば出来るものよ」
「ですが、ああいうのはメイドの私の仕事です。今後は私がやりますので、よ・ろ・し・く・お・ね・が・い・し・ま・す・ね! お嬢様!」
「分かっているわ。今回だけのわがままだわ。心配かけてごめんなさい。こほ」
「ほら、お咳が。お身体が丈夫ではないのに、無理なさるから」
「だって、嬉しかったのですもの。ちゃんと自分でしたかったの。けほ」
「お嬢様、はい。分かっています。私のお嬢様」
そう言って、お風呂に入った私の髪を梳いてくれた。
その手付きは丁寧で労りに満ちている。
こんな不出来な私のどこがいいのか知らないが、アンはとても親切だ。
「お嬢様に幸運が訪れますように」
本当に私なんかにはもったいない子ね。
(私が捨てられる時でも、この子だけはちゃんと将来ここにとどまるか、違う仕事を紹介してもらえるようにしよう)
そう思うのだった。
さて、そろそろ準備を始める時間だ。
髪も梳いてもらったし、本格的に身だしなみを整える。
ドレスは部屋のクローゼットに豪華なものが沢山入っていたが、自分で持ってきたドレスを着用する。
青色の地味なもので、柄もシンプルなものだ。妹がピンク色の可愛らしいドレスを常に身にまとっていたことに比べると、正反対だ。
でも、妹にも「お姉様にはそれくらい地味なドレスがお似合いですよ」と実際に言われている。
だから、公爵家のクローゼットに用意されているような派手なドレスを身にまとう気にはなれない。
きっと私には似合わないだろう。
アンは「絶対似合いますから! このヴァイオレット色のドレスも! あっ、このフリルがふんだんにあしらわれたピンクもきっと似合いますよ!」と力説されたが、お世辞なのは自分でよくわかっている。
と、そうこう準備をしているうちに、約束の時間になった。
最後まで残念な表情をしていたアンも、既に専属メイド用に用意された部屋へ帰している。
ええっと、顔合わせの会場までの案内には、他の使用人の方か誰かが迎えに来てくれるのかしら?
そう思っていると、案の定、ドアをノックする音がした。
コンコン、と。
「あ、はい、どうぞお入りになってください」
そう言って、呼びに来てくれた使用人を招き入れた。……つもりだった。
「お前が欲に目がくらんでのこのこやって来たシャノン=スフィア伯爵令嬢か」
「え?」
私は目を疑った。
顔合わせは、どこか別の部屋にやると思っていたのだ。
なのに、いきなり。
「何だ、今度の女はまともにしゃべることもできないのか? まぁいい。どうせ他の女どもと同様、すぐに出て行くことになるだろうからな」
彼は一方的にそう言うと、
「俺の名前はロベルタ=グランハイム。ま、どうせ短い付き合いになるだろうがな」
それは、この国で王家の次に最大の領土を持つ大公爵。
その若き当主、ロベルタ=グランハイム様が、一人で私の部屋へと押しかけて来たのだった。
10
あなたにおすすめの小説
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】毒を飲めと言われたので飲みました。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。
国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。
悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。
ざまぁに失敗したけど辺境伯に溺愛されています
木漏れ日
恋愛
天才魔術師セディが自分の番である『異界渡りの姫』を召喚したとき、16歳の少女奈緒はそれに巻き込まれて、壁外という身分を持たない人々が住む場所に落ちました。
少女は自分を異世界トリップに巻き込んだ『異界渡り姫』に復讐しようとして失敗。なぜかロビン辺境伯は少女も『異界渡りの姫』だと言って溺愛するのですが……
陰陽の姫シリーズ『図書館の幽霊って私のことですか?』と連動しています。
どちらからお読み頂いても話は通じます。
一年だけの夫婦でも私は幸せでした。
クロユキ
恋愛
騎士のブライドと結婚をしたフローズンは夫がまだ婚約者だった姉を今でも想っている事を知っていた。
フローズンとブライドは政略結婚で結婚式当日にブライドの婚約者だった姉が姿を消してしまった。
フローズンは姉が戻るまでの一年の夫婦の生活が始まった。
更新が不定期です。誤字脱字がありますが宜しくお願いします。
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
ヒロインと結婚したメインヒーローの側妃にされてしまいましたが、そんなことより好きに生きます。
下菊みこと
恋愛
主人公も割といい性格してます。
アルファポリス様で10話以上に肉付けしたものを読みたいとのリクエストいただき大変嬉しかったので調子に乗ってやってみました。
小説家になろう様でも投稿しています。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる