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23.死亡フラグの皆さんと、死亡フラグを回避しながらショッピング!(ミーナリア、バスク編)
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「アイリーン様、このブレスレットなどはどうでしょうか? 最新モデルでアイリーン様の気品あるお姿によく似合っていると思います」
ミーナリアさんがニコリと微笑みながら私の方を見て言った。
あれー? おかしいぞー?
私は死亡フラグ四人衆と、なし崩し的にショッピングに向かうことになってしまった。ただ、買い物自体の目星はつけてあるので、それさえ買えば後は「解散!」と宣言するつもりだったのだ。
しかし、
「どうしていつの間にか宝石店へ⁉」
おかしい。何か世間話をしているうちに、自然と宝石店へと連れ込まれてしまった。そして、先ほどからしきりに死亡フラグたちが宝石を勧めてくるのである!
「このルビーの深い赤色がとてもアイリーン様にお似合いだと思います。アイリーン様は落ち着かれた優雅なたたずまいをされていらっしゃって、もちろん素敵なのですが、こういったワンポイントコーデもとてもお似合いだと思うのですがいかがでしょうか? もし宜しければ私の分と含めて2点購入して、ぜひ1つをプレゼントさせて頂ければと思うのですが……」
そう上目遣いで、伺うように聞いてきた。なんて健気で可愛い……。
「あれ? でもどうして2点なの?」
「そ、それは、そのう……」
ミーナリアさんは頬を少しそめてモジモジとする。
どういうことだ?
そこで私はハッと気づく! これは死亡フラグなのだ! と!
私は一度目の人生における断罪シーンを走馬灯のように思い出しながら戦慄《せんりつ》した。
確か断罪シーンの際、私がミーナリアさんにした覚えのないイジメの数々が読み上げられた。その中に宝石泥棒もあった。つまり!
『2点購入しておいて、後でミーナリアさんの物が1点なくなったと主張する。そして、それと同じものを持つ私を犯人と主張するつもりなのだ!』
危ない危ない! ミーナリアさんの可愛さにあやうくコロっと行くところだったわ!
一瞬、もしかして私を慕ってくれてシミラールックをしたいのかな? みたいな希望的観測が頭をもたげたが、とんでもない! 素敵だとか奇麗だとかはまやかしに違いない! ああ、それにしても惜しい。こんな可愛い子が慕ってくれてシミラールックまでしてくれて、お姉様とか言って慕われたら、女子学生としての生活はどれほど華やぐことだろうか! うううううう。
だけど、1回目の人生から教訓を得た私には通じない。彼女は主犯格なのだから!
でも、単に断っても、じゃあ別の商品を、と言う風になるだけだ。それでは意味がない。
ならば、こうだ!
「ミーナリアさん!」
「は、はい⁉ なんで……しょうか?」
突然大声を出した私に、彼女はビクりとした。ふっ、どうやら作戦が上手くいくと確信していたから驚いたのね。私のターンだ!
「そのブレスレットを購入して頂くわけにはいきません」
「あっ、そ、そうですか。そうですよね。そんなことされてもご迷惑……」
「私が、2点購入します! そして1つをあなたにプレゼントします!」
「え?」
虚をつかれたとばかりに、ミーナリアさんがぽかんとした表情をした。
ふふふっ、作戦通りね。私はニヤリ、と笑う。
つまりこうだ。私が購入した宝石をプレゼントしておけば、それが無くなったとしても、私が泥棒した、という理屈はちょっと成り立ちにくいだろう。もちろん、彼女に上げるのだから、彼女の所有物になるわけだけど、お金をわざわざ出した私が泥棒した、というでっち上げは無理がある!
完璧な対応ね! 宝石自体もそれほど高いものではないし、死亡フラグ回避予算(を自分で勝手に積み立てている)から出すから問題ないわ!
だが、どうにもミーナリアさんの様子はおかしい。
「ア、アイリーン様からのプレゼント。身に余ることですから、きっと断るべきなのに。こんなに嬉しいことを断ることなんて私には出来ません。私、幸せです……」
?????????
よく分からないが、ミーナリアさんは混乱している。うっとりした表情のようにも見えるが……気のせいだろう。
つまり、死亡フラグはうまく回避できているってことだ! 私の勝ちね。ふっふっふー。
と、そんな風に悦に入っていると、後ろにいたキース殿下、クライブ様、バスクの三人が口を開いた。
「宝石店は彼女に分《ぶ》がありましたね。まんまと出し抜かれました。男には宝石の流行など分かりませんから。それにしてもよく似合っている。完璧ですね」
「やられましたな。しかし、彼女が更に美しくなられることに否はありませんがな」
「良く似合ってるよ、二人とも」
おおっと。やはりミーナリアさんにこの裏切り三人衆どもは夢中のようね。彼女への賞賛の声がとどまることを知らないらしい。
今回はプレゼントする側に回る、という起死回生のひらめきでフラグ回避は出来たと思うけど、それでも、着々と死亡フラグ自体は進行していると見るべきね。気合を入れなくちゃ!
私は改めて自由に生きていくことの難しさを知るのでした。
さて、宝石店を出た私たちは、やっと本来の私の目的のお店へと向かう。もう寄り道はしないでおこう。死亡フラグが立つだけですし!
しかし、お店というものは、別に建物の中に店舗を構えているものばかりではないことを、この時の私は失念していたのである。
「あっ、姉さん、見てよ。姉さんが好きな串焼きが売ってるよ」
「あ、あら。本当ね」
私はあえて興味のないフリをする。
そうだった。忘れていた! この辺りは屋台が多い通りだった! しかも、バスクとお忍びで出かけるときは、その香ばしい匂いにつられて、幾度となく足を運んだ串焼き屋さんがあるのだ! 牛のお肉を使ってジューシーに焼かれたお肉、串に刺されたそれらの間に、これまた香ばしく焼かれた野菜たちを挟む。これによって牛肉のこってりとしたうま味と、野菜のさっぱりとした食感が口の中でマリアージュする至高の料理! それこそが串焼きなのだ! だから食べたい! なぜならカフェでお昼を食べ損なって、とてもお腹が減っているから!
だけど、私の脳裏には走馬灯のように、1回目のループでの断罪シーンが浮かび上がってきた。それは食べ物をミーナリアにぶつけたり、かけたりするイジメをしたと言う、でっち上げの場面である。
とんでもないことだ!
大切な食べ物をそんな粗末にするなんてありえません! と最後まで主張したのだがダメだったのだ。口惜しや~!
つまり、今回串焼きを購入することで、恐らくミーナリアさんはわざと私にぶつかっていて、
『ああ! 突然アイリーン様が私の方に串焼きをぶつけてきて来られて、大事な服が汚れてしまいました……しくしく』
と、こうなってしまうに違いない。甘いわね、2周目の死亡ルートめ! 私にはお見通しよ! しかも、この回避は簡単だ。
お腹は別に空《す》いてないから結構よ。そう言えば成《な》す術《すべ》もないでしょう。ふふふ、完璧ね。
「大丈夫よ、バスク。お腹は『ぐ~~~~~~~~~~~~~』よ……」
「……」
「……」
「ごめん、姉さん。姉さんがそんなにお腹が空《す》いてるとも知らずに、のんきに串焼き屋さんがある報告なんてして。いつも買い物をしている僕にだからこそ、姉さんがお腹ペコペコだってことを察することを期待していたに違いないのに。僕は自分が情けないよ!」
「お願いだから、私を腹ペコキャラみたいに言わないで頂戴⁉ そうじゃないから⁉ 別にお腹なんて『ぐ~~~~~』だから! って、いつもこんなにお腹ならないのに、何で今日に限って⁉」
「大丈夫、すぐに買ってくるからね。すみません、キース様、クライブ様、ミーナリアさん。少々待っていてください」
「ああー、待ってー」
と、止めてみても後の祭り。彼はいつも買い物に付き合ってくれているだけあって、極めてスムーズに串焼きを全員分買ってきた。
そして、一人一人に串焼きを渡してくれた。ジューシーなお肉から油がしたたっていて、それが野菜とまざって絶妙の馥郁《ふくいく》たる香りをかもしだしている。
だが、ここで私は最後の抵抗を見せる! 串焼きを受け取れば間違いなくミーナリアさんの服を汚して死亡フラグ一つ完成! となるのだ。だから、意地でも受け取らないと決意する! すると、
「もう、しょうがないな。姉さんは。すねるとすぐにそうするんだから」
「?」
私は首をひねると、
「はい、どうぞ。あーん」
「はえ⁉ あ、むぐむぐ。ごくり」
なんとバスクが私に串焼きを差し出して食べさせてくれた。そう言えば私はすねるとフーンとそっぽを向いてしまうことがあるのだ。そんな時よくバスクはこんな風にして美味しいものを食べさせて機嫌を取ろうとする。それをしてくれたのだ。
「美味しい?」
「むぐ(こくり)」
「良かった。姉さんが幸せそうで、僕も幸せだよ」
心からの笑顔を浮かべる。ああ、死亡フラグのくせに、なんて良い弟なのかしら……。
あっ、でもこれは結果オーライだったわね! と私は喜ぶ。
串焼きを持たないで済んだおかげでミーナリアさんの服を汚すという死亡フラグイベントを回避できたうえに、空腹まで満たすことが出来たのだ。
最後の串焼きを手に取らないという抵抗が奏功《そうこう》したと言えるだろう! ふっふっふー。
「ありがとう、バスク!」
「ははは。こらくらい大したことないよ。いつもしていることじゃないか。ま、少し他の人たちはびっくりさせてしまったかもしれないけどね」
そう言って、他の三人の方を見た。
ま、それもそうね。
でも、殿下とクライブ様、そしてミーナリアさんの、その何と言うか、微笑みながらも、目は全然笑っていない、その表情は何なのでしょうか?
空気もなぜかバチバチバチバチバチと緊張感が漂っているような?
ま、まあ。いいか。
ともかく、こうして私は恐るべき巧妙に仕掛けられた死亡フラグを、今回もぎりぎりで回避することが出来たのでした。
ふぅ、危なかった。
また一歩、自由への道に近づきましたね!
ミーナリアさんがニコリと微笑みながら私の方を見て言った。
あれー? おかしいぞー?
私は死亡フラグ四人衆と、なし崩し的にショッピングに向かうことになってしまった。ただ、買い物自体の目星はつけてあるので、それさえ買えば後は「解散!」と宣言するつもりだったのだ。
しかし、
「どうしていつの間にか宝石店へ⁉」
おかしい。何か世間話をしているうちに、自然と宝石店へと連れ込まれてしまった。そして、先ほどからしきりに死亡フラグたちが宝石を勧めてくるのである!
「このルビーの深い赤色がとてもアイリーン様にお似合いだと思います。アイリーン様は落ち着かれた優雅なたたずまいをされていらっしゃって、もちろん素敵なのですが、こういったワンポイントコーデもとてもお似合いだと思うのですがいかがでしょうか? もし宜しければ私の分と含めて2点購入して、ぜひ1つをプレゼントさせて頂ければと思うのですが……」
そう上目遣いで、伺うように聞いてきた。なんて健気で可愛い……。
「あれ? でもどうして2点なの?」
「そ、それは、そのう……」
ミーナリアさんは頬を少しそめてモジモジとする。
どういうことだ?
そこで私はハッと気づく! これは死亡フラグなのだ! と!
私は一度目の人生における断罪シーンを走馬灯のように思い出しながら戦慄《せんりつ》した。
確か断罪シーンの際、私がミーナリアさんにした覚えのないイジメの数々が読み上げられた。その中に宝石泥棒もあった。つまり!
『2点購入しておいて、後でミーナリアさんの物が1点なくなったと主張する。そして、それと同じものを持つ私を犯人と主張するつもりなのだ!』
危ない危ない! ミーナリアさんの可愛さにあやうくコロっと行くところだったわ!
一瞬、もしかして私を慕ってくれてシミラールックをしたいのかな? みたいな希望的観測が頭をもたげたが、とんでもない! 素敵だとか奇麗だとかはまやかしに違いない! ああ、それにしても惜しい。こんな可愛い子が慕ってくれてシミラールックまでしてくれて、お姉様とか言って慕われたら、女子学生としての生活はどれほど華やぐことだろうか! うううううう。
だけど、1回目の人生から教訓を得た私には通じない。彼女は主犯格なのだから!
でも、単に断っても、じゃあ別の商品を、と言う風になるだけだ。それでは意味がない。
ならば、こうだ!
「ミーナリアさん!」
「は、はい⁉ なんで……しょうか?」
突然大声を出した私に、彼女はビクりとした。ふっ、どうやら作戦が上手くいくと確信していたから驚いたのね。私のターンだ!
「そのブレスレットを購入して頂くわけにはいきません」
「あっ、そ、そうですか。そうですよね。そんなことされてもご迷惑……」
「私が、2点購入します! そして1つをあなたにプレゼントします!」
「え?」
虚をつかれたとばかりに、ミーナリアさんがぽかんとした表情をした。
ふふふっ、作戦通りね。私はニヤリ、と笑う。
つまりこうだ。私が購入した宝石をプレゼントしておけば、それが無くなったとしても、私が泥棒した、という理屈はちょっと成り立ちにくいだろう。もちろん、彼女に上げるのだから、彼女の所有物になるわけだけど、お金をわざわざ出した私が泥棒した、というでっち上げは無理がある!
完璧な対応ね! 宝石自体もそれほど高いものではないし、死亡フラグ回避予算(を自分で勝手に積み立てている)から出すから問題ないわ!
だが、どうにもミーナリアさんの様子はおかしい。
「ア、アイリーン様からのプレゼント。身に余ることですから、きっと断るべきなのに。こんなに嬉しいことを断ることなんて私には出来ません。私、幸せです……」
?????????
よく分からないが、ミーナリアさんは混乱している。うっとりした表情のようにも見えるが……気のせいだろう。
つまり、死亡フラグはうまく回避できているってことだ! 私の勝ちね。ふっふっふー。
と、そんな風に悦に入っていると、後ろにいたキース殿下、クライブ様、バスクの三人が口を開いた。
「宝石店は彼女に分《ぶ》がありましたね。まんまと出し抜かれました。男には宝石の流行など分かりませんから。それにしてもよく似合っている。完璧ですね」
「やられましたな。しかし、彼女が更に美しくなられることに否はありませんがな」
「良く似合ってるよ、二人とも」
おおっと。やはりミーナリアさんにこの裏切り三人衆どもは夢中のようね。彼女への賞賛の声がとどまることを知らないらしい。
今回はプレゼントする側に回る、という起死回生のひらめきでフラグ回避は出来たと思うけど、それでも、着々と死亡フラグ自体は進行していると見るべきね。気合を入れなくちゃ!
私は改めて自由に生きていくことの難しさを知るのでした。
さて、宝石店を出た私たちは、やっと本来の私の目的のお店へと向かう。もう寄り道はしないでおこう。死亡フラグが立つだけですし!
しかし、お店というものは、別に建物の中に店舗を構えているものばかりではないことを、この時の私は失念していたのである。
「あっ、姉さん、見てよ。姉さんが好きな串焼きが売ってるよ」
「あ、あら。本当ね」
私はあえて興味のないフリをする。
そうだった。忘れていた! この辺りは屋台が多い通りだった! しかも、バスクとお忍びで出かけるときは、その香ばしい匂いにつられて、幾度となく足を運んだ串焼き屋さんがあるのだ! 牛のお肉を使ってジューシーに焼かれたお肉、串に刺されたそれらの間に、これまた香ばしく焼かれた野菜たちを挟む。これによって牛肉のこってりとしたうま味と、野菜のさっぱりとした食感が口の中でマリアージュする至高の料理! それこそが串焼きなのだ! だから食べたい! なぜならカフェでお昼を食べ損なって、とてもお腹が減っているから!
だけど、私の脳裏には走馬灯のように、1回目のループでの断罪シーンが浮かび上がってきた。それは食べ物をミーナリアにぶつけたり、かけたりするイジメをしたと言う、でっち上げの場面である。
とんでもないことだ!
大切な食べ物をそんな粗末にするなんてありえません! と最後まで主張したのだがダメだったのだ。口惜しや~!
つまり、今回串焼きを購入することで、恐らくミーナリアさんはわざと私にぶつかっていて、
『ああ! 突然アイリーン様が私の方に串焼きをぶつけてきて来られて、大事な服が汚れてしまいました……しくしく』
と、こうなってしまうに違いない。甘いわね、2周目の死亡ルートめ! 私にはお見通しよ! しかも、この回避は簡単だ。
お腹は別に空《す》いてないから結構よ。そう言えば成《な》す術《すべ》もないでしょう。ふふふ、完璧ね。
「大丈夫よ、バスク。お腹は『ぐ~~~~~~~~~~~~~』よ……」
「……」
「……」
「ごめん、姉さん。姉さんがそんなにお腹が空《す》いてるとも知らずに、のんきに串焼き屋さんがある報告なんてして。いつも買い物をしている僕にだからこそ、姉さんがお腹ペコペコだってことを察することを期待していたに違いないのに。僕は自分が情けないよ!」
「お願いだから、私を腹ペコキャラみたいに言わないで頂戴⁉ そうじゃないから⁉ 別にお腹なんて『ぐ~~~~~』だから! って、いつもこんなにお腹ならないのに、何で今日に限って⁉」
「大丈夫、すぐに買ってくるからね。すみません、キース様、クライブ様、ミーナリアさん。少々待っていてください」
「ああー、待ってー」
と、止めてみても後の祭り。彼はいつも買い物に付き合ってくれているだけあって、極めてスムーズに串焼きを全員分買ってきた。
そして、一人一人に串焼きを渡してくれた。ジューシーなお肉から油がしたたっていて、それが野菜とまざって絶妙の馥郁《ふくいく》たる香りをかもしだしている。
だが、ここで私は最後の抵抗を見せる! 串焼きを受け取れば間違いなくミーナリアさんの服を汚して死亡フラグ一つ完成! となるのだ。だから、意地でも受け取らないと決意する! すると、
「もう、しょうがないな。姉さんは。すねるとすぐにそうするんだから」
「?」
私は首をひねると、
「はい、どうぞ。あーん」
「はえ⁉ あ、むぐむぐ。ごくり」
なんとバスクが私に串焼きを差し出して食べさせてくれた。そう言えば私はすねるとフーンとそっぽを向いてしまうことがあるのだ。そんな時よくバスクはこんな風にして美味しいものを食べさせて機嫌を取ろうとする。それをしてくれたのだ。
「美味しい?」
「むぐ(こくり)」
「良かった。姉さんが幸せそうで、僕も幸せだよ」
心からの笑顔を浮かべる。ああ、死亡フラグのくせに、なんて良い弟なのかしら……。
あっ、でもこれは結果オーライだったわね! と私は喜ぶ。
串焼きを持たないで済んだおかげでミーナリアさんの服を汚すという死亡フラグイベントを回避できたうえに、空腹まで満たすことが出来たのだ。
最後の串焼きを手に取らないという抵抗が奏功《そうこう》したと言えるだろう! ふっふっふー。
「ありがとう、バスク!」
「ははは。こらくらい大したことないよ。いつもしていることじゃないか。ま、少し他の人たちはびっくりさせてしまったかもしれないけどね」
そう言って、他の三人の方を見た。
ま、それもそうね。
でも、殿下とクライブ様、そしてミーナリアさんの、その何と言うか、微笑みながらも、目は全然笑っていない、その表情は何なのでしょうか?
空気もなぜかバチバチバチバチバチと緊張感が漂っているような?
ま、まあ。いいか。
ともかく、こうして私は恐るべき巧妙に仕掛けられた死亡フラグを、今回もぎりぎりで回避することが出来たのでした。
ふぅ、危なかった。
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